バッテリーEV購入の覚悟を最小限に
多くの自動車メーカーがバッテリーEVの提供を本格的に始めているが、まだ最初の一歩を踏み出すのに、ある程度の覚悟が必要なことは間違いない。同クラスの内燃エンジン車より価格は高く、自宅で充電できないユーザーは特に、使い勝手での不安が残る。
【画像】相当なインパクト フィスカー・オーシャン 競合クラスの電動SUVと写真で比較 全152枚
アメリカ・カリフォルニアに拠点を置く、新興自動車メーカーのフィスカーは、そういった覚悟を最小限にしようと努力してきた。そして完成した最新モデルが、このオーシャンとなる。
設計とデザインが進められたのは、カリフォルニア。生産を担うのは、オーストリアのマグナ・シュタイヤ社。最近まで、BMW 530eを生産していたラインが使われるとか。
SUVのオーシャンは、全長が4774mm、全幅が1982mm、全高が1631mmあるが、予想していたより小ぶりに見える。シルエットは滑らかで、面構成にはハリがあり、欧州車のような雰囲気を漂わせる。
どことなくランドローバー・レンジローバー・イヴォークを拡大したようにも見えるが、プロポーションは美しい。独自の個性も備わり、カッコよく、市街地ではしっかり存在を主張する。
AUTOCARの読者ならご存じの方も多いかもしれないが、このスタイリングを描き出したのは、カーデザイナーとして有名なヘンリック・フィスカー氏。フィスカー・オートモーティブ社を設立し、以前はCEOを務めていた人物だ。
最も持続可能性へ配慮したクルマづくり
端正な容姿から、フィスカーをプレミアムブランドだと捉えるかもしれない。だが、同社はそんなランク付けをあえて拒んでいる。今後のユーザーは、憧れを抱くようなブランドから離れ、個人の価値観を体現するブランドへシフトすると考えているという。
同社が強く掲げる哲学が、サステナビリティ。世界で最も持続可能性へ配慮したバッテリーEVの生産を目指しており、ポールスター2やボルボXC40 リチャージなど、ひと回り小さいモデルよりライフサイクル全体でのCO2排出量は小さいと主張する。
もっとも、同社独自の試算によれば、だが。
彼らの哲学が視覚的に表れているのが、インテリア。フロアのカーペットやシート表皮には、海洋プラスチックをリサイクルした素材が合計50kgも用いられているとか。
内装パネルなどは未塗装で、製造工程をシンプルにし、リサイクル時の負荷も減らす配慮がされている。テキスタイルには、複雑なステッチや装飾なども与えられていない。車内からは見えないドアスピーカーの固定方法も、コダワリの1つだ。
少しうがった見方をするなら、欧州ブランドに届かない知覚品質をごまかす手法とも受け止められるだろう。それでも、サステナビリティに対する取り組みの真剣さは感じ取れるはず。
むしろ、オーシャンのインテリアに安っぽさはない。シンプルが故に地味に感じる部分もあるとはいえ、ミニマリスティックで無駄がなく、車両価格を考えればまったく不満のない空間だと思う。
ソーラーパネル内臓のルーフを採用
ダッシュボード中央には、縦長の17.1インチ・タッチモニターが鎮座。ステアリングホイールの奥にメーター用モニターが据えられ、シフトセレクターはステアリングコラム側にある。エアコンとパワーウィンドウには個別のスイッチが用意され、操作性は良い。
オーシャンならではといえるのが、ヴェバスト社によるソーラー・スカイルーフと呼ばれる、ソーラーパネル内臓のルーフ。フィスカーによれば、1年間で2400kmから3200kmほどの電気をまかなえるとしている。
恐らく読者も、バッテリーEVのルーフにソーラーパネルを載せてはどうか、とお考えになったことはあるだろう。一般的には、重量の増加やコストの割に得られる電力が小さいなどの理由で、見送られることが多かった。
しかし、自社のモデルへ4つ以上のユニークな機能を与えるというヘンリック・フィスカー氏の意向により、オーシャンでは採用されている。エネルギー源としての出力は小さいものの、フリーなエネルギーを利用しない手はない、と同社は主張する。
カリフォルニア・モードと呼ばれる機能も、オーシャンならでは。ボタンを押すと、サイドとリアのガラス、サンルーフのすべてが開き、オープンエア・ドライブを楽しめるというものだ。
上級トリムを選択すると、駐車中にインフォテインメント用モニターを横向きに回転させ、テレビ番組や映画などをワイドな画面で視聴することもできる。ハリウッド・モードとフィスカーは呼ぶが、確かに17.1インチを有効に使える。
この続きは後編にて。
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