現在位置: carview! > ニュース > スポーツ > 【スーパーGT】60号車 SYUNTIUM LMcorsa RC F GT3優勝のもうひとつの“ドラマ”、宮田莉朋「GTでようやく勝てた!」

ここから本文です

【スーパーGT】60号車 SYUNTIUM LMcorsa RC F GT3優勝のもうひとつの“ドラマ”、宮田莉朋「GTでようやく勝てた!」

掲載 更新
【スーパーGT】60号車 SYUNTIUM LMcorsa RC F GT3優勝のもうひとつの“ドラマ”、宮田莉朋「GTでようやく勝てた!」

 大波乱のレースとなった2019スーパーGT第6戦オートポリスは、最後までスリックタイヤで走りきる決断をした#60 SYNTIUM LMcorsa RC F GT3(吉本大樹/宮田莉朋)がGT300クラスを制した。参戦100戦目を迎えた吉本が優勝を飾り注目を集めた。だが、そのパートナーである宮田にとっても“特別な1勝”となった。

「今回はクルマもタイヤも自信があったので、それを信頼して走りました。僕のことよりも、RC F GT3の開発から頑張ってきたチーム、TRDの皆さん、吉本選手、飯田章監督におめでとうと言いたいですし、感謝しています」

■2020年導入の新GT500車両発表。ホンダNSX-GT、FR化でClass1規則に準拠

 オートポリスの優勝記者会見でそう語った宮田。彼らしい謙虚なコメントではあったが、どこか自身の心の中で“ガッツポーズ”をしているような表情をしていたのが印象的だった。

 それもそのはず。この勝利が彼にとってGT300初優勝だったからだ。

「ここに来るまで……長かったです。例えば、今年でいうと阪口(晴南)選手がいきなり(GT300に)きて優勝していましたが、それに対して僕はトップ争いをする機会すらなかったです」

「正直スーパーGTではトップ争いをして、もっと表彰台に乗りたい、優勝したいとずっと思っていました」

 今季のGT300クラスでは同世代の福住仁嶺、阪口晴南、サッシャ・フェネストラズといったドライバーが活躍し、阪口は早くも2勝をマーク。フェネストラズと福住は2位表彰台を経験し、シリーズランキングでもトップ争いを繰り広げている。

 それに対し宮田は今季表彰台獲得がない状況で、前戦の第5戦富士では22位に終わるという散々な結果だった。同世代のライバルが脚光を浴びる中、宮田の中で徐々に焦りが増えていったが、その分“結果を残したい”という想いが消えることは決してなかった。

「今年の60号車はダンロップタイヤにスイッチしましたが、『1年目だから』と言い訳をしたくなかったです。実際にダンロップでも(今年)勝っているチームがいたので、そういう意味では自分も勝たないといけないなという気持ちで臨んでいました」

「あと、もう1台のRC F(96号車)が勝っているのに、僕たちはポイントを獲れるか獲れないかのところで戦っていました。それこそ、GT500で代打として参戦した時も満足いくレースをすることができず終わってしまいました」

 そんな中で迎えた第6戦オートポリス。レース中は天気が目まぐるしく変わり、途中のピットストップではどのタイヤを装着するか、ほとんどのチームが頭を悩ませた。

 60号車は宮田がスタートスティントを担当したが、ベテランでも判断を迷う難しいコンディションの中で、これまで培われてきた彼の経験が勝利を呼び込むきっかけとなった。

「雨に関しては5月のF3や7月のスーパー耐久で(オートポリスの)雨を経験していました。このくらいの雨だったら、スリックタイヤで攻められるというのを分かっていたので、決勝が始まる前からチームにも『このコースに関しては、少しの雨でもドライタイヤで行ける可能性はある』とずっと言っていました」

「だからセーフティカーが出る前も雨が降っていましたがステイアウトしました。その後も可能であればドライタイヤでいけるところまで追い上げていくという状況でした。それが本当にうまくいきました」

「吉本選手がドライタイヤでいって苦戦していたので、最初は僕が無駄なインフォメーションをしてしまったな……と思った部分がありました。でも、最終的にそれを味方にして優勝できたので、本当にホッとしていました」

「勝つまでに少し時間がかかってしまいましたが、やっぱりこの1勝は特別なものです。やっとFIA-F4で2年連続チャンピオンを獲った人がスーパーGTでも勝てるんだな、というのを少しは証明できたかなと思います」

 また宮田は、今回の勝利で“諦めないことの重要さ”を改めて学んだという。

「ある意味、前回の富士ではビリ争いをしていたのに、(今回)優勝できたというのは……今後レースをやっていく上でも『諦めてはいけない』『腐らずにやっていく』ことが、いかに大事なのかということが分かりました」

「チームもそれ(諦めない気持ち)をずっと持ってやってきたと思います。それを信頼して優勝できたことはすごく嬉しいです」

 これでスーパーGTでもようやく勝ち星がついた宮田。これからは2勝目、3勝目を狙っていくことになるが、今週末行われる第7戦SUGOでは、さらに力強い走りを披露したいと語った。

「SUGOは、クルマ的に得意というか合っているサーキットのひとつです。昨年は僕のミスで最終コーナーを飛び出してしまい、最終的にポイントは獲れましたが、もっと良い結果を残せたはずのレースでした」

「今年のSUGO大会に関してはダンロップさんが用意してくれたタイヤをうまく使って、純粋に全部のスティントでトップを走れるようにしっかりと準備していきたいです」

関連タグ

こんな記事も読まれています

セゾン自動車火災保険、商号を「SOMPOダイレクト」に変更
セゾン自動車火災保険、商号を「SOMPOダイレクト」に変更
レスポンス
フィアット「500」の謎の振動がやっと解消! 飛び散るオイル問題は果たして解決されたのか…!?【週刊チンクエチェントVol.35】
フィアット「500」の謎の振動がやっと解消! 飛び散るオイル問題は果たして解決されたのか…!?【週刊チンクエチェントVol.35】
Auto Messe Web
厳選値引き実例 X氏の値引き特報
厳選値引き実例 X氏の値引き特報
グーネット
タイヤブランドGTラジアルよりオールシーズンタイヤ「4シーズンズ」発売
タイヤブランドGTラジアルよりオールシーズンタイヤ「4シーズンズ」発売
レスポンス
これぞ徹底的に遊べる軽!──新型ホンダN-VAN FUN STYLE+ NATURE試乗記
これぞ徹底的に遊べる軽!──新型ホンダN-VAN FUN STYLE+ NATURE試乗記
GQ JAPAN
グランツーリスモ7に新規車種3台を追加するアップデート配信。シュコダがシリーズ初登場
グランツーリスモ7に新規車種3台を追加するアップデート配信。シュコダがシリーズ初登場
AUTOSPORT web
顔が…いや全身変わった!? ホンダの売れ筋コンパクトSUV「ヴェゼル」改良 ハイブリッドはEVに近づく?
顔が…いや全身変わった!? ホンダの売れ筋コンパクトSUV「ヴェゼル」改良 ハイブリッドはEVに近づく?
乗りものニュース
ワイパー「高速運転」はゴム寿命縮める? 面倒な交換ケチって「ゆっくりモード」本当にコスパは良いのか
ワイパー「高速運転」はゴム寿命縮める? 面倒な交換ケチって「ゆっくりモード」本当にコスパは良いのか
くるまのニュース
スバルとスカイラインにフィーチャー…第4回アリオ上尾 昭和平成オールドカー展示会
スバルとスカイラインにフィーチャー…第4回アリオ上尾 昭和平成オールドカー展示会
レスポンス
MS&AD新社長の舩曵真一郎氏が会見 代理店への「週末イベントの手伝いはやめる」
MS&AD新社長の舩曵真一郎氏が会見 代理店への「週末イベントの手伝いはやめる」
日刊自動車新聞
【MotoGP】最高峰クラスデビュー以来好調のアコスタ、浮足立たずにいるための鍵は『普通の生活を見ること』
【MotoGP】最高峰クラスデビュー以来好調のアコスタ、浮足立たずにいるための鍵は『普通の生活を見ること』
motorsport.com 日本版
レクサスLBXが生まれる工場【池田直渡の5分でわかるクルマ経済】
レクサスLBXが生まれる工場【池田直渡の5分でわかるクルマ経済】
グーネット
日産、欧州向け「キャシュカイ」に新たな「ニッサンコネクト」を採用
日産、欧州向け「キャシュカイ」に新たな「ニッサンコネクト」を採用
日刊自動車新聞
渥美心がボルドールから遂げたル・マンでの成長、新クルーチーフの存在に「速く走らせる方法が理解できてきた」/EWC
渥美心がボルドールから遂げたル・マンでの成長、新クルーチーフの存在に「速く走らせる方法が理解できてきた」/EWC
AUTOSPORT web
ハジャーが総合最速。マルティ2番手でカンポス1-2。宮田莉朋は2日目午後にトップタイム|FIA F2バルセロナテスト
ハジャーが総合最速。マルティ2番手でカンポス1-2。宮田莉朋は2日目午後にトップタイム|FIA F2バルセロナテスト
motorsport.com 日本版
【ゴールデンウィーク渋滞予測2024】全国の道路別・渋滞予測まとめ!
【ゴールデンウィーク渋滞予測2024】全国の道路別・渋滞予測まとめ!
くるくら
<新連載>[低予算サウンドアップ術]“超基本機能”を駆使して「低音増強」を図る!
<新連載>[低予算サウンドアップ術]“超基本機能”を駆使して「低音増強」を図る!
レスポンス
GW期間中に多いクルマのトラブルは何? JAFが2023年に救援した出動理由TOP10を紹介!
GW期間中に多いクルマのトラブルは何? JAFが2023年に救援した出動理由TOP10を紹介!
くるくら

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村