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新型スバルWRX S4に試乗 上がったのは数値、ではなく体感性能

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新型スバルWRX S4に試乗 上がったのは数値、ではなく体感性能

黒いフェンダーよりMTの運命

4代目となるスバルWRXがデビューした。

<span>【画像】じっくり見ようではないか 新型スバルWRX【超詳細フォト】 全50枚</span>

4代目という表現はインプレッサWRXから数えての話。先代からインプレッサの名が外れ、独立したポジションを与えられている。

新型のトピックは3つ。

SUV風にブラックアウトされたフェンダーアーチ等の見た目と、2Lから2.4Lにスープアップされたエンジン。

そしてSGP(スバルグローバルプラットフォーム)+フルインナーフレームというスバル最新のシャシー技術によって引き上げられたボディ剛性ということになる。

1つ気になった点はギアボックスだ。今回もCVT(今回からスバルパフォーマンストランスミッション、SPTを名乗る)と6段MTが存在していることは先に発表された北米のラインナップからも判明している。

ところが日本市場はCVTモデルの発売からスタートし、MTモデルの発売は未定だという。

関係者に聞いても皆「それは聞かないで」とった感じで口を濁していた。

技術説明ではMTから関心を逸らすため(?)、ではないだろうが「CVTの逆襲!」と銘打って、SPTの進化を声高に主張していた。

かつてはCVT劣勢を頑なに否定していたスバルだが、変速時間が大幅に短縮(アップ時30%、ダウン時50%)された今回は、以前の劣勢を暗に認めたかたちとなる。

ともあれ徹底的に精度を高めてきた感じの「パフォーマンス・スバル代表」の刷新に期待せずにはいられない。

試乗してみよう。

CVTの逆襲は成功したのか?

新型WRX S4は4グレードで展開される。

今回はGT-H EXと最強モデルのSTIスポーツR EX以外に、比較用として先代のWRX S4 STIスポーツに試乗することができた。

走りはじめてすぐ「車体が軽い!」と感じた。車重は先代と比べ40-50kgほど増えているが、シャシーの引き締まった感じと、パワーの繋がりによりアスリート感が高まっている。

FA24型エンジンの275psという最高出力はWRX S4の全グレードで共通。先代と比べると最高出力で25ps、最大トルクも2.5kg-mのダウンとなる。

時代が求める環境性能により失った動力性能を補うのはパワートレインの作り込みだ。

電制ターボと排気量アップのおかげで、スロットルを踏んだ瞬間のパワーデリバリーが明らかに改善されている。

「CVTの逆襲」もしっかり体感できた。CVTらしく変速が滑らかなので、STIスポーツR EXで選べるスポーツ+モード時のシフトアップ時でもDCT的な乾いた感じはしない。

けれど今回はトルクカット等エンジン側との統合制御によりパワーの繋がりがはっきりと感じられる。

シフトダウンはさらに印象的で「これはATには無理だろう」と思われるような高回転からでも(レブリミットが許す限り)盛大なブリッピンとともに完遂してくれる。

エンジンのソリッドな感触や気持ちよさといった体感性能は、熟成され尽くした先代に敵わない。けれど「名を捨てて実を取った」結果として、WRXの重要な要素である「速さ」は確実に先代を凌いでいるようだ。

剛性アップで走りはどう変わったか?

「WRXらしい速さ」のもう1つのファクターは、ねじり剛性が28%向上したボディだ。

SGPやフルインナーフレーム、さらに構造用接着剤などを総動員して刷新を図っている。

SGPのキモは後輪のすぐ上あたりのボディパネル裏側に仕込まれた補強フレームをしっかりと溶接できている点にあるという。

だがセミウェットの袖ケ浦を走らせてみて印象的だったのはフロントの方だった。

先代はブレーキングを残してターンインする瞬間、ストラット周りが定まらず前輪の感触が曖昧になるのだが、新型にはそれがない。

スリップアングルをよりリニアに感じられるので、「もっと丁寧に、もっと正確にドライブしなければ!」という気にさせられる。

GT-H EXとSTIスポーツR EXの最大の違いは電子制御ダンパーの有無と、それに関連したドライブモードの設定にある。

前後のトルク分配にも差があり、STIのほうがスロットルオンで積極的に曲がっていける。

VDCをオフにするとタイトコーナーでテールを流しつつ小回りするような芸当も可能になるが、思ったより前輪が食わないので、(オーバーステアになりにくい、安定感が高いとも言える)、BRZ/GR86のように手軽にテールスライドを楽しめる感じではなかった。

新型WRX S4の完成度は間違いなく高いといえる。だがMTモデルとはセンターデフの機構も異なっているので、今回の試乗だけでこのクルマの真価を計ることは難しい。

MTモデルの動向を見守りたい。

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