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ルノーが新型SUVのオーストラルを初公開。スポーティなアルピーヌ・バージョンも設定

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ルノーが新型SUVのオーストラルを初公開。スポーティなアルピーヌ・バージョンも設定

ルノーの新世代CセグメントSUV「オーストラル」がワールドプレミア。パワーユニットにはE-TECHフルハイブリッドと2種類のマイルドハイブリッドを設定。欧州市場での受注は本年半ばに開始

 仏ルノーは2022年3月8日(現地時間)、Cセグメントの新型SUV「オーストラル(AUSTRAL)」を初公開した。欧州市場での受注は本年半ばに開始。販売は今秋を予定している。日本への導入などに関しては、現在のところ未発表だ。

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 CセグメントSUVの“ヌーヴェルヴァーグ”を謳うオーストラルは、従来モデルのカジャーの後継を担い、かつ最新の電動化を図った新世代のフレンチSUVである。グレード(トリムライン)展開としては、エキリブル(Equilibre)、エボリューション(Evolution)、テクノ(Techno)、アイコニック(Iconic)のほか、スポーツ志向のテクノおよびアイコニック“エスプリ・アルピーヌ(Esprit Alpine)”を設定した。

 エクステリアは“アスレチックSUV”をテーマに、力強さとエレガントさを高度に融合させたことが特徴だ。フロントマスクは、2つのロザンジュ(ひし形)が一体になる新意匠のルノーロゴ、ダイヤモンドシェイプ・パターンのLEDヘッドランプ、左右端をC形状のヘッドランプの造形に合わせたうえでチェッカーパターンのインテークを配したグリル、幅広感を強調する水平基調の横バー、アグレッシブな造形のバンパーなどを採用。左右に凹部を設けた独特なボンネット形状も印象的だ。一方でサイドビューは、ボリュームのある前後フェンダーに大型のサイドシル、前後で分離したシャープな造形のキャラクターライン、後方に向かって窄まっていくウィンドウグラフィック、17~20インチの新造形アロイホイールなどによって、スポーティかつ筋肉質なフォルムを具現化。そしてリアセクションは、マイクロオプティックテクノロジーを組み込んだC形状のコンビネーションランプに洗練されたゲートおよびバンパーデザイン、バンパーと一体形状で仕立てたディフューザーなどによって、印象的な後ろ姿を創出した。エスプリ・アルピーヌに関しては、サテングレーのスポーツブレードやESPRIT ALPINEエンブレム、サテンブラック仕上げのルーフレール、Aロゴを配したダイヤモンドカットブラックデイトナ20インチアロイホイールなどを専用装備している。

 ボディサイズは全長4510×全幅1825×全高1644mm、ホイールベース2667mmに設定。最低地上高は170mmを確保する。ボディカラーは全7色をラインアップし、エスプリ・アルピーヌはアスレチックなサテンシェールグレーをテーマカラーに据えた。また、上級グレードではバイトーンルーフも選択可能だ。

“テクノロジーの繭”と称するインテリアは、最新技術をふんだんに盛り込んだコクピットに仕立てたことが訴求点だ。ディスプレイや操作系をドライバーが見やすく、かつ扱いやすいようにレイアウトし、運転に集中できる環境を演出。インパネには大画面の12.3インチディスプレイを配し、様々な情報を直感的に把握できるように表示する。また、センター部には各種インフォテインメントを表示する12インチのバーチカルマルチメディアスクリーンを、ドライバー側にオフセットして配置。インパネのディスプレイとともに、ルノー独自の最新表示システムであるOpenRスクリーンを構成した。高輝度と反射防止コーティングにより、太陽光の反射の下でも優れた見やすさを実現したことも特徴である。さらに、無線通信でソフトウェアの更新が可能なOTA(Over-The-Air)機能も装備。一方、ヘッドアップディスプレイには9.3インチの大サイズを設定した。

 前2席の間のセンターコンソールも要注目。クルージングコンソールやスマートフォンのチャージング機構などを配して利便性を高めると同時に、スマートなデザインに仕立てる。また、内装の素材にはリアルなウッドやレザーのほか、アルカンターラやパッド入りのテキスタイルなど、グレードのキャラクターに合わせて豊富に設定。さらに、室内のムードを高めるアンビエントライトやharman/kardonと共同開発したプレミアムサウンドシステムなどを採用し、上質感を引き上げた。エスプリ・アルピーヌに関しては、ALPINEロゴ入りスカッフプレートやアルミ製ペダル、ナッパレザー巻きステアリング、アルカンターラ+カーボンファイバー調ツイルファブリック表皮シート(ヘッドレストAロゴ入り、ブルーステッチ)などを専用装備している。

 キャビン空間については、最大27.4cmというクラス最上レベルの後席ニースペースを確保したことが訴求点。後席自体は2:1分割可倒機構と160mmのスライド機構を内蔵し、乗員数や積載荷物などによって多様にアレンジできる。ラゲッジ容量は後席使用時で500リットル、格納時で1525リットルを確保。約35リットルのストレージスペースも用意した。

 第3世代のCMF-CDプラットフォームに搭載されるパワーユニットは、E-TECHフルハイブリッドと2種類のマイルドハイブリッドを設定する。E-TECHフルハイブリッドは、1.2リットル直列3気筒ガソリンターボエンジン+モーター+400Vリチウムイオンバッテリー(容量1.7kWh)+電子制御ドッグクラッチ付きマルチモードATでシステムを構成し、トータルの最高出力は200hp(146kW)を発生。一方、マイルドハイブリッドは1.2リットル直列3気筒ガソリンターボエンジン+48Vリチウムイオンバッテリーで構成するシステム総出力130hp(96kW)のマイルドハイブリッド・アドバンストと、1.3リットル直列4気筒ガソリンターボエンジン+12Vリチウムイオンバッテリーで構成するシステム総出力160hp(118kW)/140hp(103kW)のマイルドハイブリッドを設定した。

 機構面に関しては、進化版のマルチセンスと4コントロールを採用する。マルチセンスでは、4つの運転モードを設定。具体的には、Perso:個別設定が可能なカスタマイズモード、Sport:スポーツ走行に適した運転モード、Comfort:リラックスした快適な走りを優先するモード、Eco:エコロジーおよびエコノミーを重視した運転モードが選択可能だ。一方で4輪操舵の4コントロールは、リアアクスルのマルチアームにステアリングアクチュエーターを追加し、後輪の操舵角を5度に拡大。よりタイトなコーナリング性能を実現している。

 先進安全運転システム(ADAS)のバージョンアップも見逃せない。機能の総数は32を誇り、アクティブドライバーアシストやアダプティブクルーズコントロール(ストップ&ゴー付)、レーンセンタリング、GPSデータとマッピングを組み合わせたレベル2の自律走行も可能。また、360度ビューカメラや自動パークアシストなど、駐車機能の充実化も図っている。

文:カー・アンド・ドライバー 大貫直次郎
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