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ついに聞こえてきた新型ロータス・スポーツの足音。新コンセプト、セオリー1登場!

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ついに聞こえてきた新型ロータス・スポーツの足音。新コンセプト、セオリー1登場!

いよいよ本格的スポーツカーのコンセプト登場

ロータスは9月17日、『ロータス・セオリー(Theory)1』と呼ばれるコンセプトカーを発表した。詳しくは後述するが、全長4490mm、車重1600kg以下、最大出力1000ps、0-100km/hが2.5秒以下、フロントひとり&リアふたり掛けの3シーターのBEV……と見た目やスペックから入っていくと、いよいよ本格的スポーツカーのコンセプト登場! と言えそうだ。

【画像】新型コンセプトモデル、ロータス・セオリー1 全14枚

しかもその実現のさせ方が、実はかなり斜め上をいくものだ。”セオリー”の車名のとおり、新たな定石を構築し、BEVであっても”らしさ”は失われないという、ロータスの強い決意のようなものをひしひしと感じている。これまで自動車ニュースでは書いてこなかった内容も多く、正直、速報で書いているこの原稿でどこまで伝わるか自信ないが、なるべくかみ砕いてお伝えしたいと思う。

まずこのコンセプトカーは、ロータスの新しいデザインマニフェストとなっていて、SUVのエレトレ、セダンのエメヤにも通じるテイストを持ちながらも、よりエッジの効いた大胆でシャープなデザインとなっている。デザインのキーは以下の3点。

デジタル:没入感、インテリジェント、直感的な体験
ナチュラル:エモーショナルで、つながりのある、人間中心のデザインに命を吹き込む
アナログ:ロータスのパフォーマンスエンジニアリングを継続的に進化

特にアナログはロータスのDNAとして重要視されているようだ。これらを最新のイノベーションとテクノロジーとシームレスに融合させるのが、今回のポイントとなる。

LOTUSWEARと呼ばれる没入型ドライバーシステム

では具体的にご紹介しよう。

まず『LOTUSWEAR』と呼ばれる、ソフトで軽量なロボットテキスタイル素材による、ロータスが『没入型ドライバーシステム』と表現するシステムを採用。座席とステアリングに装備された膨張式ポッドがリアルタイムに反応し、多くのサポートやグリップを提供する。例えば、ホイールの左右からパルスを発して曲がるタイミングを知らせたりし、直感的で快適な車内体験が可能になるという。

こちらは、テキスタイルをベースに日常使いの身に着けるロボティクスを専業とする、モータースキン社との共同開発で、自動車産業では初採用となるそうだ。

また3Dプリント技術企業であるカーボン社の、3Dプリント格子構造ヘッドレストを採用。その一部には、KEFとの共同設計によるバイノーラル(両耳)オーディオシステムも採用することで、スピードサウンドを強化し、ノイズキャンセリング機能で集中力を高めるなどしている。

またLOTUSWEARのテクノロジーは、車内外のコミュニケーションツールとしても機能する。例えば歩行者に対しても車両の状態に関する機能を表示したり、4つのLiDAR、6HDカメラなどを組み込み、360度自動運転ハードウェアを構成し、低照度あるいは悪天候時でも半径200mまでの障害物を全方位にスキャンすることで、安全を確保する。

これら高度なカーコンピューティングは、PCに詳しい方なら誰でも知っている半導体メーカーのNvidia製で、この社名はエメヤでも登場していた。

ロータスの純粋なミニマリズムを未来の方法で

コクピットでは、プロジェクション、スクリーン、パプティクス(振動)とデザインがシームレスに統合。”ボーダレスなユーザー体験”を生むとしている。前述した膨張式ポッドに加え、ライト、LED、レーザー光線、フロントガラスの反射を利用し、障害物検知、ブレーキ、旋回などの情報をドライバーに伝えるデジタルシステムや、ダッシュボード上のふたつのレーザー光線が右左折を示し、シートの触感的膨張素材と調和、RGB LEDを追加したサスペンションが車内から見えてブレーキや加速に応じて緑や赤のシグナルを発する、2D、3Dのグラフィックなど……。

これらの機能によりドライバーは目線移動が少なくなり、より運転に集中することが可能に。スムーズで直感的な体験を提供するとしている。

また『チャレンジオブ10』と呼ばれる、素材革新のテーマを創設。性能、耐久性、軽量性、リサイクル性、リサイクル可能性を兼ね備えた、10種類の”A-サーフェイスマテリアル”のみで設計したという。これにはセルロースベースのグラスファイバー、リサイクルチョップドカーボンファイバー、チタン、リサイクルグレージング、リサイクルポリエステル、リサイクルゴム、エラストマーポリウレタン、透明ポリカーボネート、熱可塑性ポリウレタン、リサイクルアルミニウムが含まれる。

ただ重要なのは、その素材名ではなく、ロータスがこう記していることだ。『チャレンジオブ10は、ロータスの純粋なミニマリズムへのコミットメントを示すもので、ロータスの伝統的なクルマが持つシンプルな構造と軽量化の原則に立ち返ったものです』。つまり、ロータスらしさである軽量なスポーツカーというDNAを、現代、いやひとつ未来の方法で実現しようとしているのだ。

新たな"セオリー=定石"を生み出そうとしている

他にも後方上部に開き、幅2.4mの駐車場でも乗り降りができるドアや、京セラによるライティングシステム、アクティブおよびパッシブエアロダイナミクス技術、低重心化、軽量化、ピレリPゼロ・エレクトなど、触れるべきところは多いが、だいぶ長文になってきたので、まとめに入りたい。

このところロータスは、BEVのエレクトやエメヤが登場したことで、我々の好きな”ライトウエイトスポーツカーを作る英国のブランド”からは離れているような気がして、事実、当サイトのSNSには批判的なコメントも目立つ。

しかし今回のプレスリリースの中で、ロータス49のF1カーにヒントを得て、モーターとバッテリーアッセンブリを使用してサスペンションに直接力を受けるようにし、サブフレームをなくして軽量化した、という記述を発見して私はこう思った。

確かに、我々の世代が求めるような”ガソリンエンジンのライトウエイトスポーツカー”ではないのかもしれない。しかし、しっかりとロータスの歴史やDNAに敬意を払いながら現代、あるいは未来の方法で、新たな”セオリー=定石”を生み出そうとしているとのではないかと。開発陣の顔ぶれをみたわけではないが、きっとそれは、若い世代が何かを生み出そうとしているのではないかと。

だったら我々は大いなる期待をもって、その動向を見守るべきだろう。市販化のあかつきにはステアリングを握りたいし、なるほど、そうきたか! と膝を叩きたいのである。

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