セアト/フォード、人気のスマートフォン・アプリ搭載
セアトが人気音楽認識アプリのShazamを搭載して、さらにスマートフォンとの融合を進める最新例となった。フォードも渋滞情報共有アプリWazeの導入であとを追う。
新たなソフトウェア開発企業との提携によって、自動車メーカーが人気のスマートフォン・アプリを自社モデルに組み込む例が急増している。今週スペイン・バルセロナで開催されているモバイル・ワールド・コングレスでは多くの新たな提携が発表された。
セアトはこのイベントにおいて、今年中にスマートフォン向けの人気音楽認識アプリであるShazamを自社モデルのインフォテインメント・システムに組込むと発表した。Shazamの新車への搭載例としてはセアトが初となる。
フォードも同様に、他社に先駆けて自社のSync 3インフォテインメント・システムに、急速に人気を高めているクラウドベースのナビアプリであるWazeを搭載すると発表して注目を集めた。
Shazamは今年の4月以降、Android Autoを搭載したセアトの車両に搭載される見込みであり、Sync3を搭載しているフォードでは、この春からWazeが利用可能になる。
ShazamもWazeも車両対応版は簡単なスマートフォン・アプリのアップデートを行うだけで利用可能になるという。クルマのオーディオから流れる音楽を認識するShazamは、他のフォルクスワーゲン・グループのモデルに先駆けて、最初の6カ月間はセアトだけでしか楽しむことができない。
なお、ShazamはApple傘下であるにもかかわらず、Apple CarPlayでの利用に関する具体的な日程は明らかにされていない。
いまや、こうした新しい技術に関心がある層をひきつけるためには、いかに早くアプリへの対応を行うかが自動車メーカー各社にとっては喫緊の課題となっている。こうしたユーザーはスマートフォンに比べて進歩が遅いクルマのインフォテインメント・システムに対して、大きな不満をかかえているのだ。
「われわれの開発サイクルは4年ですが、携帯電話ではわずか半年から1年です」というのはセアトの最高デジタル技術責任者のファビアン・シマーである。だからこそ、このスペインの自動車会社では、Android Autoのような「ゲートウェイ」を通じて、外部の最新アプリを導入しようとしているのだと、シマーは説明する。
ますますスマートフォンとの融合が加速
セアトはWazeも導入予定であり、今年後半にはアマゾンの音声コントロールソフトであるAlexaも利用可能になる。Alexaはまずアテカとレオンに搭載され、ステアリングホイールに設けられたボタンで操作を行う。
一方、フォードでは、AppLinkとして知られたフランスのスマートデバイスリンク(SDL)が開発したソフトウェアを使う。このソフトウェアによって、Android AutoやアップルのCarPlayを経由することなく、Wazeなどのメーカー承認済みスマートフォン・アプリを直接クルマのインフォテインメント・スクリーンに表示できるようになる。これによって、以前はアプリの開発者を悩ませていた車両ソフトの変更を行うことなく、互換性が確保できるのだ。
トヨタも今年後半には自社車両へSDLを搭載する予定であり、続いてPSAグループ、マツダ、三菱とスズキもこの技術の本格展開に乗り出す見込みだと、SDLの開発者はバルセロナのイベントで語っている。さらにSDLでは走行ルートや燃費といったデータを、フィットネス・アプリのStravaと同じような方法で車両からダウンロードできるようにもしている。
将来的に、自動車各社は、より早く、そしてよりスムースに、スマートフォン経由でクルマのインフォテインメント・スクリーンへとアプリをダウンロードできるようにするだろう。
来年フォルクスワーゲン・グループでは、すでにテスラが展開しているような、無線でのソフトウェア・アップデートを可能にした新たなインフォテインメント・システムを導入する予定だ。
一方、ボルボは次世代インフォテインメント・システムの開発をグーグルに委託しており、Android OSを使用することで、スマートフォンとのリンクを不要にしている。ボルボによれば新システムの導入は2019年になるとのことだ。
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