「過激」な超軽量モデル
アルピーヌは、A110のハードコアモデル「A110 R」をパリ・モーターショー2022で一般公開した。数年以内に発表される次世代EVを前にした、最後のモデルになる可能性があると、プロダクト・パフォーマンス担当副社長のソバニー・アンは認めている。
【画像】鍛え上げられたサーキット向けスポーツカー【アルピーヌA110 Rを写真でじっくり見る】 全50枚
価格は未定だが、日本でも11月下旬に受注を開始する予定。車名のRは、「ラディカル(過激)」を意味し、モータースポーツからインスピレーションを得た、妥協のないサーキット向けのモデルとして開発されている。
エントリーグレードのA110、ミドルグレードのGT、そして高剛性のSの上に位置し、A110ファミリーの中核をなす存在となる。2026年に電動化した後継モデルが登場する見通しだが、その前にさらなるバリエーションが登場するかどうかは明らかでない。
A110 Rの車重はわずか1082kgで、Sから34kgの減量に成功。欧州向けの2.0LのマツダMX-5(ロードスター)よりもさらに軽い。この軽量化は、カーボンパーツと専用タイヤの使用によって達成されたとソバニー・アンは説明する。
バケットシートの採用、エンジンルームの防音材の除去、ガラス製リアパネルからアルミ製リアパネルへの変更、そしてボンネット、ホイール、リアウィンドウパネルへのカーボンファイバーの使用などが主な軽量化要因である。
サーキット走行に特化した仕上げ
また、敏捷性にも重点を置いている。アルピーヌのF1エンジニアと協力しながら、エアロダイナミクスを構成し、シャシーをオーバーホールして最大限の剛性と応答性を実現したという。
スワンネックスポイラー、リアディフューザー、フロントホイールデザイン、サイドスカートの形状変更などにより、ダウンフォースはA110 Sより最高速度で29kg、ドラッグはトラックモードで5%低減。高速走行とコーナーでの安定性を向上させた。
さらに、油圧調整式ザックス製ダンパーにより10mmのローダウンが実現し、「究極のオン・ザ・トラック体験」が味わえるとしている。また、剛性を前後スプリングで10%、フロントアンチロールバーで10%、リアアンチロールバーで25%向上。タイヤは、サーキットでの耐久性を高めながらコーナリンググリップを15%向上させたというセミスリックのミシュランPSカップ2を装着している。
ブレーキは、ブレンボ製の320mmコンポジットディスクが装備され、フロントバンパー後方に専用の冷却スクープを追加して安定した性能を発揮できるようにした。
ドライブトレインの変更は、比較的小規模なものだ。Sと同じ最高出力300psの1.8Lターボ4気筒エンジンと7速ATを搭載しているが、「アルピーヌの名にふさわしい轟音」を奏でるためにエグゾーストに手が加えられている。
こうした改良により、0-100km/h加速はSより0.3秒速い3.9秒、最高速度は285km/hに達する。
A110 Rは、F1のチームカラーと同じマットブルーの特注ペイントで仕上げられ、カーボンファイバー製のルーフパネルはむき出しのままとなっている。インテリアでは、マイクロファイバーを多用し、6点式レーシングハーネス、ドアハンドルの代わりにプルストラップを採用するなど、サーキット走行に特化したクルマであることをアピールしている。
なぜパワーを高めないのか
AUTOCAR英国編集部は、A110のプログラム・ディレクター、グザヴィエ・ソマー氏へインタビューを行った。
――A110の内燃機関モデルはこれが最後ですか?
「お答えはできませんが、今回発表したA110 Rは、現在のラインナップを完成させるための非常に素晴らしいバージョンだと思います。A110はいわば『エントランスゲート』、GTは高速道路用、Sは一般道とサーキットでスポーティさを発揮するモデル、そしてRは『ラディカル』なバージョンです」
――Rで重視した空力や重量効率は、EVを開発する際にも役立つのでしょうか?
「独自に開発したものです。現時点での主目的はA110の空力を改善することでした。しかし、わたし達の専門性を高めれば、その後にあるすべてのバージョンにとってメリットとなるでしょう」
――直接のライバルがいないクルマを、どのようにベンチマークしたのですか?
「A110は唯一無二の存在です。みんなの前でウソをつくのではなく、自分たちなりにもっと過激なものを作ろうという発想でした」
――では、なぜパワーを高めなかったのでしょうか?
「わたし達の目的は、パワー競争ではないからです。アルピーヌのDNAではありません。パワーはすでに十分だと思います。今、お客様が期待しているのは、軽さ、エアロダイナミクス、シャシーの挙動を改善し続けることであり、(A110 Rは)その期待に応えてくれると確信しています」
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