もくじ
ー クルマが大きいほどディーゼルが経済的
ー CO2削減にはいまだ有効
メルセデス・ベンツ次期型SL よりスポーティに ソフトトップ採用
クルマが大きいほどディーゼルが経済的
排ガス不正に揺れている自動車業界。しかしダイムラーを率いるディーター・ツェッチェは、気にすることはないと考えているようだ。
「最新ディーゼルのエミッションは、ガソリンのそれと大差ないので、問題ではなくなりました。もはや、観念的な論争を繰り広げる必要はありません。語られるべきは、以前に挙げたふたつのトピックスだけです」とは、パリ・サロンの会場でわれわれがツェッチェに投げかけた問いへの回答だ。
そのふたつの話題とは、規制上の要件と経済的利益である。ディーゼルが合法的で、経済的に存続可能で、ユーザーにメリットがある限りは、その居場所はあるだろう。
ツェッチェは、ディーゼルがコンパクトカー市場で事実上消滅した理由はまさしくそれだとしている。ガソリンエンジンの効率が上がるにつれ、コストの高いディーゼルエンジンは経済的な存在ではなくなった。価格差を燃料代でペイできなくては、もはやメリットはないというわけだ。
「Cセグメントにもその時は来るかもしれませんが、いまのところそういうことはありません。より大きなクルマでは差も大きいので、変える必要はないのです」
ツェッチェはまた、メルセデスのディーゼル販売が壊滅したという見解は誤りだとも述べる。「減少はしましたが、競合他社ほどではないですし、しばらく安定しています。かつてより下降した、というなら正しいですが」
CO2削減にはいまだ有効
メルセデスの開発部門を統べるオーラ・ケレニウスは、来年5月にもツェッチェの後を継ぐ人物だが、彼はこう口にする。「NOx問題は技術的に解決されています。CO2を失念するべきではありません」。ディーゼルがCO2削減の有効策でありうる、という点はかわらないということだ。
彼曰く、メルセデスのディーゼル販売の半数ほどが社用車需要。「事実にのみ基づく傾向がある」というそうした顧客は合理的なアプローチとして、これからもディーゼルを支持し続けるというのがケレニウスの持論だ。メルセデスでは、ディーゼルへの偏見を是正すべく、個人ユーザーにもこの点を説明しているという。「それは負け戦ではありません」とケレニウスは断言した。
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