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スパークプラグの基礎知識! その役割や交換方法について解説

掲載 更新 10
スパークプラグの基礎知識! その役割や交換方法について解説

エンジンの部品の中でも重要な役割を果たす部品

 エンジンを構成する部品のなかでも、比較的交換頻度の高い部類に入るものとしてスパークプラグが挙げられる。そもそもスパークプラグの役目や交換時期など、あらためていまさら聞けない点火プラグについて説明紹介しよう。

スパークプラグの交換サイクルが10万km以上に延びた理由とは

スパークプラグとは? 基本を解説

 スパークプラグとはシリンダー頭頂部に装着され、送り込まれた混合気に点火するためのパーツ。100円ライターに例えれば火をつける際に火花を飛ばす部分といえばわかりやすいだろう。構造はおもにハウジング、電極、碍子の3つで構成されており、頭頂部にはプラグコードやダイレクトイグニッションといった電力を供給するものに接続される。

 また、要となる電極部分には白金やイリジウムといった素材が使われており、点火する力をアップさせたり、耐久性を向上させたりするものが多く存在する。プラチナプラグやイリジウムプラグと呼ばれるものは、こうした電極に使われる素材や構造が従来のものと異なるのが特徴だ。

 プラグの見た目でもっとも特徴的なのが碍子部分だ。中央部の白い部分がそれで、高電圧を入力するターミナルから中軸、中心電極とハウジングの間を絶縁。電圧が電極以外に逃げるのを防ぐ役割を果たす。この碍子とハウジング間を密着させ、気密性を維持するのがリングと呼ばれる部品になる。

 そしてターミナルで受けた高電圧は、中軸(ステム)と呼ばれる中心軸を通り電極へと送られる。おもに素材は鉄鋼材で、ターミナルからの電流をロス無く中心電極に流す。そして碍子の外側を取り巻くようにねじ切りがされている部分がハウジングと呼ばれ、碍子の支持と、プラグをエンジンに取り付ける役割をもつ。

 ハウジング下側は接地電極を有し、エンジン本体を通じて電流が流れるような構造とし、中心電極との間にギャップを形成する。このハウジングとエンジンを密着させるためにガスケットが備わり、シリンダーの気密性を高める役割を果たしている。火花が飛ぶプラグの要になる部分が中心電極。そして、この中心電極から飛んだ火花を受け止めるのが接地電極と呼ばれる。

スパークプラグの交換って必要?

 スパークプラグは消耗品であり、走行距離を重ねたら必ず交換しておきたい部品だ。劣化したスパークプラグを交換することで、ガソリンの完全燃焼を促し、エンジン回転のバラつきを抑えるほか、アイドリングの安定やスムースな加速、燃費の向上などが期待できるのだ。

 基本的には整備の段階で交換するものであり、車検時にチェックされることはない。スパークプラグの交換時期については基本的に普通車で約2万kmと言われているが、プラチナプラグやイリジウムプラグといった長寿命タイプであれば、約10万km程度での交換が指定されているものもある。

 交換時には少し割高となるこうした高性能プラグであっても、交換サイクルが長くなるのであれば積極的にチョイスしたい。また、交換作業がかなり手間のかかる水平対向エンジン搭載車などには、もともと純正で長寿命のプラチナプラグやイリジウムプラグが採用されていることもある。そのため、まずは愛車のプラグの種類などをチェックしておきたい。

 具体的にプラグが劣化した場合の症状だが、まずは燃費が悪くなった場合。正常時と比べ正しく燃焼しないことで燃費が悪化する。ただ、燃費に関してはタイヤ空気圧やエアクリーナーの劣化など、さまざまな要因も考えられるので、それだけで判断するのは難しいので気をつけたい。

 ほかにはアイドリング時の不調が挙げられる。アイドリング中にエンジンの振動が大きかったり、止まりそうになったりするなどの症状が現れた場合も、プラグの劣化が考えられる。もちろん走行時に加速しにくくなる症状もプラグの可能性があるので、こうした症状が出たらぜひ点検しておきたい。

 ちなみに普通車では約2万kmとされておりプラグ交換も、 軽自動車は約1万kmで交換が推奨されるモデルも多いので注意しておきたい。

 ちなみに軽自動車の交換サイクルが早い理由についてだが、普通車に比べアンダーパワーで高回転を維持して走行するケースが多いのが理由とされている。高回転であるということは、スパークプラグに高電圧をかける回数が多いということになる。

 その回数が多ければ、それだけスパークプラグは劣化が早まっていく。結果的に、軽自動車は普通車よりも摩耗が早く、マメな点検が必要となる。つまり、こうした高回転を維持して走る機会の多いユーザーは、普通車でも早めの交換をしておきたい。

スパークプラグを交換してみよう!

 スパークプラグを交換することで得られるメリットとしては前述のとおり、エンジン本来の性能を取り戻せるということのほか、長寿命タイプを選ぶことで交換サイクルを伸ばすことができるのだ。

 プラグの交換に関してはエンジン形状やシリンダー数によって難易度はまちまちだが、ダイレクトイグニッション車などは交換時に劣化した樹脂部品が割れるといったトラブルも考えられるため、交換に不慣れな人は素直にプロにお願いすることをおすすめする。ちなみに、乗用車なら1万5000~2万kmで、軽自動車なら7000~1万kmがプラグ交換の推奨時期だ。

 プロにお願いした場合、1本あたりの交換工賃は500円から2500円と店によって異なるが、これは前述のエンジン形式によるものが大きい。少し知識のある人なら簡単に交換できる直列エンジンは、1本あたり500円程度で交換が可能となっていることが多い。だが、プラグ関連の部品だけでなく、交換作業に関わる補器類などの脱着も必要となる水平対向エンジンなどは高額となる。

スパークプラグ交換は自分でできる?

 前述のとおり、スパークプラグの交換はエンジン形式などによりその交換の難易度が変わる。直列エンジンなどは、比較的交換も簡単なので少しの知識と工具さえあればDIYでの交換も可能だ。

 またスパークプラグを交換するには、プラグレンチという専用の工具が必要となる。車種によって、必要なプラグレンチのサイズが変わってくるので、自分のクルマにあったプラグレンチの購入しておきたい。

 取り付け時はとくに注意が必要だ。スパークプラグのネジ穴をなめてしまったり、スパークプラグを強く締め付けすぎて破損させてしまうこともある。場合によってはエンジン本体の交換まで行わないと直らない可能性もあるため注意が必要だ。

 ちなみにプラグの熱価はメーカー指定のものを選びたい。もしも間違ってしまうとプラグだけではなくエンジンを損傷するおそれがある。下記では、ダイレクトイグニッション車での交換方法を説明しよう。

1)交換時には必ずエンジンが冷えた状態で行う

 エンジンが熱い場合、取り外したプラグがかなり熱を持っている。そのため素手で持とうとすると、熱くてプラグを落としたり、火傷したりすることがあるので、可能であればエンジンが冷えた状態で行いたい。また、どうしても急な交換が必要な場合は軍手の装着も忘れずに。

2)エンジンカバーを取り外す

 ダイレクトイグニッション車の場合、イグニッションコイル部がカバーされていることが多いので、カバーを取り外す。

3)コネクターを引き抜く

 イグニッションコイルの側面にはめ込まれているコネクターを、ロックの爪を押し込んでロックを解除し、手前に引き抜く。

4)固定ボルトを取り外す

 イグニッションコイル固定ボルトを取り外す。

5)コイルを引き抜く

 コイルの頭部を掴み、真っ直ぐに引き抜く。ほかのシリンダーも同様にコイルを順次取り外し、気筒順に並べておく。

6)プラグレンチを使いプラグを外す

 プラグレンチをプラグ穴に真っ直ぐ押し込み、力を加えて緩める。外れない場合はグリップ部を叩くように力を加えることで緩めることができるが、エンジン本体がアルミ製の場合ねじ山を壊してしまうこともあるため注意が必要だ。

7)プラグごと引き抜く

 軽く回るようになったら、プラグレンチごとまっすぐに落下させないよう引き抜く。

8)並べて焼けをチェック

 取り外したスパークプラグはイグニッションコイルと同じくシリンダーごとに並べ、焼け具合を確認。すべて同じ色合いに焼けていれば良好だ。

9)新しいプラグをレンチにはめ込む

 新品のスパークプラグをロックされるまで確実にプラグレンチにはめ込む。

10)最初は手で締め込む

 最初は手まわしで、プラグ穴に真っ直ぐ当ててゆっくり回してねじ山を合わせる。かみ合いを確認しねじ込んでいく。

11)増し締め

 プラグの緩みを防止するため増し締めを行う。座金が接したところから1/3~1/4回転一気に締め付ける。一度緩めてから再度、締め付ける。基本的にはトルクレンチを使用して規定トルクで締めるので、数値などはディーラーなどで確認しておきたい。

12)コイルを組み付けて完了

 イグニッションコイルを取り外すのと逆の手順で組み付けて完了。

スパークプラグを交換する際の選び方

 スパークプラグの交換は基本的に純正同等品を選ぶのがセオリーではあるが、ECUチューニングなどを施したクルマなどでは熱価にも注目したい。具体的にはプラグには番手というものがあり、純正と同じ番手(熱価)にするのが基本。だが、シリンダー内部の温度が高くなるようなチューニングをしているクルマには冷え型と呼ばれる番手の高いプラグを選びたい。

 この辺りはチューニングショップなどに相談しながら、適合表から自分のクルマにあったものをチョイスしたい。また、前述のとおり、交換サイクルを伸ばすためにイリジウムプラグなどを選ぶのも手だが、適合にないモデルもあるので確認が必要だ。

記事まとめ

 スパークプラグはエンジンの部品のなかでも重要な役割を果たす部品で、消耗品であることからも定期的な交換が必要だ。燃費やパワーといった性能に直接かかかわる部分だけにとくに気にかけておきたい。愛車の走行距離や交換履歴などをこまめにチェックして、いつもベストな状態で乗り続けるためにあらためてプラグに注目してみては?

文:Auto Messe Web 『Auto Messe Web編集部』

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みんなのコメント

10件
  • 購入デーラーの整備に任せてます。
    昔は点火プラグの清掃や交換を自分で行いましたが、今はボンネットを開けても点火プラグが見えない。
    点火プラグを取り外すプラグレンチを持ってない。交換作業ができません。
  • 工具もちゃんと持っていて、整備経験豊富なドライバーならともかく、素人はディーラー等に任すのが吉。
    古い車はプラグの固着やら、最近の車ならインマニを外さないとアクセス出来なかったり。
    挙句の果てプラグの締め付けが甘かったり、オーバートルクで締めたりとろくな事にならない。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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