重量バランスとレスポンスが極めて良い
「運転は難しくありませんよ」。きついシケインへ真新しいシビック・タイプRを侵入させながら、テストドライバーのティアゴ・モンテイロ氏がつぶやく。
【画像】新型ホンダ・シビック・タイプR 4代目と5代目、6代目を比較 標準のシビックも 全109枚
「テールスライドのオーバーステア状態へ持ち込むのに、きっかけを与える必要はありません。重量バランスとレスポンスが非常に良いんです。このようなシケインを通過すれば、従来のタイプRから向上したことを強く感じられると思います」
今回、英国編集部はイタリアのタッツィオ・ヌヴォラーリ・サーキットで開かれた、6代目ホンダ・シビック・タイプRの助手席試乗会へ招かれた。ホンダの山本氏も、走行前のプレゼンテーションで同様の話をしていた。
「これまでのタイプRと比較して、大きく進化したといえるのがシャシー剛性と操縦特性。ステアリングとサスペンションもアップデートされ、より魅力的で自信を鼓舞する体験に繋がっています」
剛性の強化だけでなく、軽量化にも重点が置かれたという新しいタイプRだが、パワートレインにもしっかり手が入っている。2.0L 4気筒ターボガソリン・エンジンも改良を受けており、これまでで最もパワフルなシビックになった。
ターボは設計が新しく、冷却系も見直されている。エグゾーストの排圧を高めることで、レスポンスも向上させたそうだ。
シリアスに速く、繊細で懐が深い
助手席で観察する限り、モニター式メーターパネルに表示されるレブカウンターの勢いから、アップデートの効果がうかがえる。7000rpmのレッドライン目がけて鋭く吹け上がり、赤いシフトアップ・ライトが点滅する。
車内には、人工的に増幅されたエンジンとエグゾーストのノイズが充満する。車両自体の音を収録し、スピーカーからも響かせているらしい。
不足ないパワーが、絶え間なく線形的に生み出される。まるで自然吸気エンジンのように直線的で、レブリミット間際に、若干息苦しそうな素振りを見せる程度。
右足で踏むブレーキペダルはストロークが短く、滑らかに強力な制動力が立ち上がる。金属製のシフトレバーは卵型で握りやすそうだ。こちらもストロークが短く、サクサクと動いている。
揺るぎないグリップ力を保ちながら、タイトな右コーナーへ突っ込んでいく。軽快に抜けると、かげろうが路面を揺らす直線目がけて、再び一気に加速していく。
明らかに、シリアスに速い。四輪駆動のスーパー・ホットハッチ、メルセデスAMG Aクラスのような激しさではない。タイヤを削り取る、ターボチャージャーの爆発的パワーは放たれない。
前輪駆動のホットハッチがタイトコーナーの出口で見せる、身悶えるようなフロントタイヤの挙動も感じられない。6代目タイプRは繊細で懐が深い。それでいて、速く走るための作り手の意図を感じる。
サーキットをハイスピードで周回すると、それは明確。助手席でも。
プラットフォームは5代目のアップデート版
ステアリングホイールを指先で調整する細やかな操舵から、以前より幅が太くなったミシュラン・パイロットスポーツ4Sタイヤが熱狂的に路面を蹴り上げていく勢いまで、エキサイティングでありながら熟成されている。唸らされるほどに。
プラットフォームは、基本的にはライバルを凌駕していた5代目、FK8型タイプRのアップデート版。だが、6代目タイプRのホイールベースは、先代から35mm伸ばされている。サスペンションの設計も新しい。
ホンダの技術者が話したとおり、ボディの剛性感は高いようだ。それでいて、クルマは軽く操れるように見える。具体的にどれほど剛性が増したのか、車重や最高出力の数字も含めて、今回は教えてくれなかったけれど。
サーキットのうねった路面を通過すると、筆者は細かく揺さぶられた。横Gが強く掛かるような激しい旋回でテールスライドしかけると、リアタイヤが路面を跳ねるような仕草も感取された。乗り心地は硬そうだ。
それでもフロントタイヤとリミテッドスリップ・デフは、ドライバーが狙った方向に、トラクションを保ちながらボディを牽引する。イン側の縁石の上でも、不整のあるアスファルトでも。
扱いやすく、自在に振り回せるクルマであることが想像できる。フロントアスクルのキャンバー方向の剛性は、16%向上したという。
道を選ばず自由度が高く落ち着いている
サーキットを周回し終えると、モンテイロがピットレーンにタイプRを滑り込ませる。筆者は、彼がいとも簡単に操っていたことへ関心しきりだった。
彼は、世界ツーリングカー選手権のトップ・ドライバーではある。それでも、新しいタイプRのまとまりの高さは相当なもののようだ。
アクセルオフでのオーバーステアだけでなく、ハイスピードで疾走するストレートも、急旋回するタイトコーナーでも、安定性が失われない。自由度が高く、落ち着いている。
実際にステアリングホイールを握らせてもらうまで、具体的な評価を下すことはできない。とはいえ、6代目も魅力的なドライビング体験を追求したい、真のドライバーに向けたクルマであることは間違いないなさそうだ。
驚くような最高出力や、ニュルブルクリンクのラップタイム記録という話題も悪くない。だがそれ以上に、シビック・タイプRは最新型でも我々の期待に応える仕上がりなのではないかと、強く実感することができた。
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