2014年からアプトとともにフォーミュラE選手権を7シーズンにわたって戦ったルーカス・ディ・グラッシが、DTMドイツツーリングカー選手権の2021シーズン終盤2ラウンドに、同チームのアウディR8 LMS GT3でゲスト参戦することが発表された。
フォーミュラEでは12勝をマークしたディ・グラッシだが、2020-2021シーズンをもってアウディはフォーミュラEから撤退。同シリーズでの活動継続を望むディ・グラッシは、すでにベンチュリへの移籍を発表している。
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だが、7年もの年月をともに戦ったアプト・スポーツラインの代表取締役を務めるハンス・ユルゲン・アプトらチーム幹部は、「フォーミュラEの活動が終了と同時に、果たしてこのままルーカスに別れを告げられるのだろうか、どうしたらもう少し活動をともにできるだろうかと考えた末、ルーカスにDTMで戦う機会を与えるのはどうかと、クレイジーなアイデアを思い付いた」という。
日本企業である富士通をはじめ、数多くのスポンサー企業の協力のもとでゲスト参戦が実現する運びとなった。
ディ・グラッシは、ケルビン・ファン・デル・リンデ、マイク・ロッケンフェラー、ソフィア・フローシュという3名のチームメイトに加わり、10月2~3日開催のホッケンハイムと同9~10日のノリスリンク戦にゲストドライバーとして参戦する。
ディ・グラッシがドライブするGT3マシンには、フォーミュラEの2016/17年シーズンにタイトルを獲得したアプトとの思い出深いデザインがリバイバルとして採用される。
「これこそがアプト。このような関係は、いまの世の中では滅多にあることではない」とディ・グラッシはコメントしている。
「彼らと素晴らしい年月をともにし、アウディのフォーミュラE撤退発表後もこのコンビネーションがなんとか続くことを強く望んでいたが、結局はそれが叶わなくなってしまった」
「しかし、DTMの2ランウドで再びともに戦えることをとても嬉しく思うと同時に、この関係が将来的に、さらに続くことを強く願っている」
ディ・グラッシは2016年にはDTMのサポートレースとして開催されていたアウディTTカップのノリスリンク戦にゲストドライバーとして参戦して勝利を挙げたほか、2017年のマカオにはアウディR8 LMS GT3で参戦した。ストックカー・ブラジルにもチャレンジするなど、『ハコ車』の経験も持つだけに、DTMではどのような走りを見せてくれるのか、気になるところだ。
長年アウディ・アプトの活動を支えたシェフラーは、2023年始動予定のEVカーとなる新時代のDTMマシンを開発中とあり、スポンサーサイドとの合意があれば、将来的にディ・グラッシのDTM参戦も考えられなくはない。
CO2排出をしないモビリティを推奨する、国連の環境保護の親善国際大使を務めるディ・グラッシだが、現在は内燃機関であるGT3マシンでのDTMレースが開催されているとあり、彼のパートナーである、ブロックチェーンテクノロジーを組み合わせたカーボンオフセットを行うモス社が、ディ・グラッシが走行するホッケンハイムとノリスリンクの走行距離に応じて補償するという。
なお、ディ・グラッシがドライブするGT3マシンには、フォーミュラEを長年戦ったエンジニアやメカニックが全力でサポートするといい、アプトのモータースポーツマネージャーを務めるトーマス・ビアマイヤーは「チームにとってとてもエモーショナルなDTMの両レースウィークになるだろう」とし、ベンチューリのチーム監督であるスージー・ウォルフに対して「ルーカスはただちょっと貸してあげているだけだから!」とのユーモアあるメッセージを送っている。
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