レッドブルのマックス・フェルスタッペンは12月13日に、ルワンダのキガリでFIAから義務付けられた社会奉仕活動を終えた。この活動から、2024年のF1世界チャンピオンは、次世代を鼓舞する自身の役割について深く考えることになった。
フェルスタッペンは、若いドライバーに刺激を与えて指導することを目的に、ルワンダ自動車クラブが主催した草の根レベルのモータースポーツ育成プログラムに参加した。このプログラムの使命は野心的なもので、アフリカでモータースポーツをもっと身近で包括的なものにしようとしている。
【動画】2024年FIA授賞式:26年ぶり王座のマクラーレンと4年連続のフェルスタッペンが表彰。ボルトレートがルーキー賞
この1日の奉仕活動は、シンガポールGPの記者会見でフェルスタッペンが不適切な言葉を使用し、彼にペナルティが科された結果行われたものだったが、フェルスタッペンにとっては、将来有望なドライバーやエンジニアと交流する機会となった。
だが、この日は単なる懲戒処分以上の意味を持った。フェルスタッペンは、ルワンダの若者たちの情熱を目の当たりにして明らかに感動していた。イベント後、27歳のフェルスタッペンは記者団に対し、大陸におけるモータースポーツの可能性についてその興奮を語った。
「世界中であらゆるものがどんどん高価になっているから、自国で(モータースポーツを)盛り上げれば、子どもたちにとってより手頃なものにすることができる」と、63回のグランプリ優勝経験を持つフェルスタッペンは語った。
「そういう可能性があるのは素晴らしいことだと思うし、それによってすべての子どもたちが刺激を受けて、彼らが将来レーシングドライバーやエンジニアになりたいと思うようになることを願っている」
カート界の神童としてモータースポーツ界で一躍名声を得たフェルスタッペンは、モータースポーツの経済性と手の届きやすさが世界的な課題であることを認識している。キガリでの彼の経験は、こうした障壁を打ち破ることを目指すルワンダの草の根プログラムのようなものの重要性を強調することになった。
「これは大きな可能性を秘めているし、あらゆる人たちが取り組んでいると思う。みんなが夢中になるようにしているんだ。世界のどの場所の出身なのかということは関係ない。どんなことも可能だ」
「なぜ僕たちがここにいるのかということも重要だと思う。5年から10年後には、もっと多くの人たちが(モータースポーツに)参入してくることを期待しているし、そのことにとても興奮している」
フェルスタッペンの社会奉仕活動の直後には、対照的なイベントがあった。キガリで開催されたFIAの華やかな授賞式で、フェルスタッペンは4年連続でF1世界選手権トロフィーを受け取った。このタイトルにより、彼はアラン・プロストやセバスチャン・ベッテルといった伝説のドライバーたちと肩を並べ、このスポーツ界における偉人のひとりとなった。
「子どもの頃から成長すると、こういうことを考えなくなる。名前を見て、『わあ、本当にすごい。僕もいつか表彰台に上がれたらいいのに!』と思うんだ」
「でも、人生には幸運が訪れることもある……。ちょうどいいタイミングでちょうどいい場所にいることもできる! 僕は幸運にもそうすることができた。素晴らしいことだ。4つのタイトルは信じられないようなことだ」
今ではフェルスタッペンの名はスポーツ界の偉人のひとりとして刻まれているが、彼の成功への渇望は衰えていない。
「もちろんここで終わることなく、より長い期間にわたって成功を続けられることを願っている。今のところはこの瞬間を楽しみ、チームとしても成し遂げたことを誇りに思うことが重要だ。そして来年また挑戦していくんだ」
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