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【EVをより安全に】電気自動車 衝突時の安全性を高める技術 バッテリーとケーブルをいかに断つか

掲載 更新 4
【EVをより安全に】電気自動車 衝突時の安全性を高める技術 バッテリーとケーブルをいかに断つか

電気自動車の衝突時の安全性

text:Jesse Crosse(ジェシ・クロス)

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電気自動車に関して、衝突時の安全性や、それに対するメーカーの取り組みについての質問をよく耳にする。

引火して、大きな火災を起こすという負のイメージが先行しているが、電気自動車が、従来の化石燃料を使った自動車と比べ、より危険なものという訳ではない。

すべてのクルマは、エネルギーに依存しており、バッテリー、ガソリン、ディーゼルのいずれを搭載していても、自動車が蓄えるエネルギーは、大きな衝突で放出される可能性がある。

異なるパワートレイン間の燃費を比較する際に使用されるMPGeの算出時には、ガソリン1ガロン(3.78L)に含まれるエネルギー量は、多くの小型EVに採用されているバッテリーと同等の、約40kWh相当と考えられている。

EVバッテリーは、熱暴走により発生した熱が、損傷を引き起こし、より多くの熱が放出されるため、従来の化石燃料モデルよりも少し注意が必要となっている。

バッテリーは数千の個別のセルで構成されており、バッテリーの一部がアクティブでエネルギーを含んでいる状態にある場合、完全に消火するのは困難だろう。

損傷したバッテリーがあると、バッテリーが完全に壊れるまで、熱暴走が再発する可能性がある。

バッテリーへの損傷を最小限に

衝撃による高電圧バッテリーへの損傷を最小限に抑えるため、メーカーは車両アーキテクチャへのアプローチを再考している。

完全に収納され、フロアに取り付けられたバッテリーは、守られた空間を提供するが、衝撃のエネルギーをバッテリーから、そらすことも重要となってくる。

ポールスターは、第2のEVモデル用に「SPOCブロック」という、フロント隔壁の両側に設置された2つのアルミニウムブロックを開発した。

ブロックは、部分的にオフセット衝突時に、前輪がバッテリーコンパートメントに入り込むのを最小限に抑える。

また、フロントロウアーロードパス(FLLP)と呼ばれる、衝撃の力を逃がす構造も備えており、正面、または電柱などへの衝突による衝撃から、バッテリーと乗員を守る。

側面衝突は、最も危険な衝突の1つであり、エネルギー吸収ドア、サイドシル、Bピラー構造と共に、インテリアトリム、サイド、カーテン、シートに取り付けられたエアバッグが、乗員を保護するために採用されている。

ポールスター2には、フロントシートのサイドエアバッグが装備されており、乗員を両側から保護する。

高電圧から乗員を守る

従来の自動車と全電気自動車のもう1つの大きな違いは、高電圧であることだろう。

一般的なEVのバッテリーは約400Vだが、中には、ポルシェ・タイカンのように800Vものシステムが搭載されているモデルも存在する。

乗員または緊急サービスに従事する人にとって、損傷した高電圧ケーブルは致命的となる可能性があるため、衝突事故ではバッテリーとケーブルの接続を経つシステムが採用されている。

これは、モータースポーツで何十年にも渡り、採用されてきたシステムで、衝突による電気スパークが燃料に点火するのを防ぐため、すべてのレースとラリーカーには、手動または電子式バッテリー切断システムの取り付けが、義務付けられている。

これには、爆発性のある「パイロヒューズ」を発射することにより、EVバッテリーと高圧ケーブルを切断する方法が多く採用されている。

昨年、ボッシュは、新たに、エアバッグの作動を検出すると、爆薬と小さな鋭いくさびを使い、物理的に高電圧ケーブルを切断し、安全を確保する装置を開発している。

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みんなのコメント

4件
  • これ意外と大切な情報だね
  • 同じジーリー傘下グループの中でも、ポールスター車の場合は、後にボルボ車としても仕様違いで販売する計画なので、基本設計にもボルボのセーフティセンターが使われます。
    こんな角度で衝突試験をやれるのはボルボならでは。

    ちなみにバッテリーパックを丸ごとアルミフレームで囲ってあるのですが、そのアルミは強度を重視して手間のかかる押し出し成形を採用し、バッテリーパックに対するケージ構造を採用しました。
    勿論、他社もやっているとおりプラットフォームやボディも衝突試験により防護最適化された上で更にです。

    「知る人のボルボ」
    「a car you can believe in」
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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