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激戦必至。過去最多56台が参戦する2022年富士SUPER TEC 24時間レースの注目チームを紹介

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激戦必至。過去最多56台が参戦する2022年富士SUPER TEC 24時間レースの注目チームを紹介

 いよいよ6月3~5日にENEOSスーパー耐久シリーズ2022 Powered by Hankookの第2戦『NAPAC 富士SUPER TEC 24時間レース』が静岡県の富士スピードウェイで開催される。今季の富士24時間には、過去最多となる9クラス全56台が参戦することになっており、各クラスで非常に激しい争いが繰り広げられることになるだろう。そこで今回は、2022年の富士24時間に参戦する注目チームやマシン、ドライバーを改めて紹介する。

■総合優勝を争うST-Xは高レベルバトルの予感
 FIA-GT3マシンで争われるST-Xには5台がエントリー。総合優勝を賭けて戦うことになるこのクラスの有力マシンは、やはり昨年の富士24時間を制し、今シーズンの開幕戦鈴鹿でも総合優勝を飾っているDAISHIN GT3 GT-Rだ。

2022スーパー耐久第2戦『NAPAC 富士 SUPER TEC 24時間レース』 TV放送&タイムスケジュール

 DAISHIN GT-Rは5月10日に行われた富士公式テストでも総合トップタイムを記録しており、連覇に向けて“良い流れ”も持っている。今季からエースであるBドライバーとなった藤波清斗も「意気込みはもちろん優勝です。自信は結構あります」と自信をみせる。

 同じくニッサンGT-RニスモGT3を使用するHELM MOTORSPORTS GTR GT3もテストで好タイムを記録しており、同マシンは第1戦鈴鹿でもトラブルで後退するまでトップ争いを展開する走りをみせていた。HELM MOTORSPORTSは今季から戦いの場をST-Xに移したチームだが、富士24時間で総合優勝を争う存在になる可能性は秘めている。

 そして富士24時間には永井秀貴/嵯峨宏紀/小高一斗のレギュラーメンバーに加え、永井宏明と上村優太を迎えるDENSO LEXUS RC F GT3も強力ラインアップ。また、高木真一/黒澤治樹といったベテランドライバーがステアリングを握るGrid Motorsport AMG GT3も、チーム名こそ違うものの、同体制で2020年の富士24時間を制しているだけに実力は十分。

 そして今回の富士24時間から参戦を開始するMP Racing GT-Rには、2021年のスーパーGT第7戦もてぎで初優勝を飾った篠原拓朗が加わる。篠原は「24時間後にチームみんなで笑顔になれるようなレースがしたいです」とテストで語っており、こちらも楽しみな存在だ。

■新型ポルシェ・ケイマンに注目のST-Z
 GT4規格車両を使用するST-Zには、富士24時間から参戦する2台のアウディR8 LMS GT4を加えた7台が名を連ねた。開幕戦でも速さをみせたトヨタGRスープラが優勝候補だが、富士24時間では新型ポルシェ718ケイマン・クラブスポーツRSを投入したPorsche Team EBI WAIMARAMAに注目したい。

 新型ケイマンのステアリングを握る千代勝正は「クルマ的には信頼性が高いですし、エンジンが3.8リッターになりトルクが増えています。ブレーキングもすごく良いので、富士はちょっと楽しみにしています」と、富士24時間に向けて自信を覗かせていた。

 また、ST-Zでは富士24時間ならではの助っ人ドライバーにも注目したい。Porsche Team EBI WAIMARAMAには昨年もチームに加わったジュリアーノ・アレジが今年もEドライバーとして登録され、シェイドレーシング GR SUPRA GT4には新田守男と中山友貴という強力なドライバーが加わる。また、宮田莉朋がエースのBドライバーを務めるHitotsuyama Audi R8 LMS GT4の活躍にも期待だ。

■新型ニッサンZに加え、ラトバラの走りも楽しみなST-Q
 開発車両が参戦するST-Qの注目は、なんといってもNISMO、Max Racingからエントリーする2台の新型ニッサンZだろう。平手晃平/松田次生/ロニー・クインタレッリ/佐々木大樹/星野一樹の230号車、田中哲也/田中徹/三宅淳詞/高星明誠/安田裕信の244号車という豪華ドライバーラインアップに加え、日本未発売の新型Zをベースにしたレースカーがいち早く見られるとあれば、ぜひとも注目したいところ。

 また、ORC ROOKIE Racingが走らせる“水素エンジンカローラ”ことORC ROOKIE GR Corolla H2 conceptには、元WRCドライバーで現TOYOTA GAZOO Racingワールドラリーチームの代表を務めるヤリ-マティ・ラトバラが乗り込むサプライズがトヨタから発表された。ラトバラは「スーパー耐久の動画を観て、トヨタのモータースポーツを通じたカーボンニュートラルへの取組みに感銘を受けた」とコメントしており、富士24時間が行われているサーキットでどんな走りを披露してくれるかにも期待したい。

■ST-TCR、ST-1~ST-5は各クラスとも激戦必至
 ST-TCRは富士24時間でもTeam Noah、M&K ホンダカーズ桶川Racingによるホンダ・シビック・タイプR TCR同士の戦いとなり、同じマシンを使用する2台のシビックによる接戦が予想される。

 ST-1は開幕戦から1台が増え4台での争いに。こちらは前年覇者のシンティアム アップル KTMが公式テストで全セッショントップということもあり、今年も優勝筆頭候補に挙げられる。しかし、堤優威/中山雄一/松井宏太/久保凜太郎を擁するmuta Racing GR SUPRA、織戸学/浜健二のレギュラードライバー陣に、5月29日のスーパーGT第3戦鈴鹿のGT300クラスを制した近藤翼、さらに松浦孝亮とジェイク・パーソンズも加わるD’station Vantage GT8Rも優勝を狙ってくるはず。また、木下隆之/砂子塾長/大井貴之といった耐久マスターを揃えたBMW Team Studieも楽しみな存在だ。

 ST-2はシンリョウレーシングチームのランサーとDAMD MOTUL ED WRX STIがマシンポテンシャル的に速さをみせることになりそうだ。しかし、両マシンは開幕戦でトラブルに見舞われているため若干の不安要素が残る。また、富士公式テストではENDLESS GRヤリスが唯一の1分53秒台を記録してクラストップタイムをマークしているだけに、トヨタGRヤリス勢も優勝候補に挙げられる。

 さらにST-2では、富士24時間に平良響/荒川麟/奥住慈英という若手レギュラードライバー3名で挑むKTMS GR YARISにも注目だ。昨年の富士24時間でクラストップを快走していたKTMS GR YARISは、レース残り4分の1というところで突如マシンに見舞われてしまいリタイアとなってしまった。その悲劇をリベンジするべく、チームを引っ張る平良も「今年こそは」と意気込みをみせている。

 ST-3は、開幕戦勝者の服部尚貴/吉田広樹/川合孝汰に加え、富士24時間ではFIA-F4で活躍する地頭所光が加入する埼玉トヨペット GB クラウン RSをはじめ、堀田誠/阪口良平/阪口晴南がステアリングを握るmuta Racing LEXUS RC 350 TWS、塩津佑介/平峰一貴/三浦愛/佐藤公哉/鈴木宏和のTeam Fukushima Z34など、ドライバーラインアップを見ても有力チームが勢ぞろい。

 また、2020~2021年のST-3クラスチャンピオンで、スーパーGT第3戦で初表彰台を獲得した2016年グランツーリスモ世界王者の冨林勇佑がドライブするエアバスターWINMAX RC350 55ガレージ TWSも、開幕戦ではレース中盤までトップを快走しており、今回の富士24時間でも速さを見せるはず。さらに名門の岡部自動車が走らせるZ34も侮れず、ST-3はどのマシンが勝利するか全く予測不能だ。まずはノートラブルで24時間を走り切ることが優勝への絶対条件と言えるだろう。

 そして、第1戦鈴鹿は台数調整によって“不参加クラス“となったST-4は、この富士24時間で実質の開幕戦を迎える。エントリーリストには4台が名を連ね、この富士24時間がデビューとなるTOM’S SPIRIT GR86は、河野駿佑/松井孝允/山下健太の3名がドライブするとあり、同じくGR86を今回の富士24時間から投入する浅野レーシングサービスのWeds Sport GR86とのニューマシン対決に期待したい。また、今回は旧型86での参戦となるSHADE RACINGも、熟成されたマシンかつ、石川京侍/国本雄資/山田真之亮/影山正彦といった有力ドライバーがステアリングを握ることもあり、こちらも注目しておきたい1台だ。

 ホンダ・フィットやマツダ・デミオ、ロードスターなどで争われるST-5は、全クラス中最多となる14台というエントリーを集め、レース残り7分でのトップ交代となった開幕戦同様、今回も接戦が繰り広げられることが予想される。以上の9クラス計56台がそれぞれの戦いに挑む『NAPAC 富士SUPER TEC 24時間レース』は、6月3日(金)に公式予選が行われ、6月4日(土)15時に長きに渡る24時間レースのスタートが切られる予定になっている。

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