現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 4WDの発展に貢献 レンジローバー スバル・レオーネ アウディ・クワトロほか 四輪駆動の傑作25選 中編

ここから本文です

4WDの発展に貢献 レンジローバー スバル・レオーネ アウディ・クワトロほか 四輪駆動の傑作25選 中編

掲載 1
4WDの発展に貢献 レンジローバー スバル・レオーネ アウディ・クワトロほか 四輪駆動の傑作25選 中編

1958年:シトロエン2CV サハラ

シトロエンは、頑丈で簡素な四輪駆動モデルを開発し、アフリカで販売数を稼ぎたいと考えていた。予算に余裕がある、石油業界や鉱物業界へ受け入れられると考えた。

【画像】4WDの進化に貢献 ランドローバーにジープ、ディアブロ、クワトロ 四輪駆動の傑作25選 全132枚

いくつかのアイデアが試されたが、実際に生産へ至ったのが2CV サハラ。フロント側と同様に、リア側にもエンジンとトランスミッションを搭載し、四輪駆動を実現するという、驚きの内容だった。

エンジンが2基載っていても、軽いシャシーのおかげで悪路性能は高かった。しかし2CV サハラは支持を集められず、694台の生産に留まっている。リアエンジンをタイヤから切り離しても、最高速度が56km/hに留まったことが原因の1つだろう。

1961年:ファーガソン99

ファーガソン・リサーチ社は、スポーツカーにおける四輪駆動システムのパイオニアだ。レーシングカーの99は、その最たる作品といっていい。F1マシンとして、フロントエンジンの四輪駆動を採用した初めてのモデルだった。

シャシー前方へ斜めに載ったエンジンからドライブシャフトが後方へ伸び、ドライバーはそれを避けるようにオフセットした位置に座った。レギュレーションの変更に伴い、思い描いたような活躍は残せていないが。

それでも、伝説的レーシングドライバーのスターリング・モス氏によって、1961年のオールトンパーク・インターナショナル・ゴールドカップへ参戦。勝利をもぎ取っている。このレースは、シーズン・チャンピオンを掛けたイベントではなかったけれど。

1962年:ジープ・ワゴニア

ランドローバー・レンジローバーが発売される8年前、ジープはラグジュアリーな四輪駆動モデルという、画期的なコンセプトを量産車へ落とし込んだ。そのワゴニアは、現在の高級SUVの先駆けといえるだろう。

ステーションワゴンのボディに豪華なインテリアを備え、四輪駆動のドライブトレインを搭載。後輪駆動へ切り替えることも可能としていた。シャシーとサスペンションは、質実なピックアップトラック用ではあったが。

サルーンのリアを伸ばしたステーションワゴンほどの快適性はなかったものの、実用性と豪華さという組み合わせは、ドライバーのライフスタイルを刺激。オリジナルのデザインへ手を加えながら、1991年まで初代ワゴニアの生産は続いている。

1966年:ジェンセンFF

英国のジェンセンはファーガソンと手を組み、2ドアクーペのインターセプターを高性能な四輪駆動モデルへコンバージョン。FFとして販売した。

このFFという名称は、ファーガソン・フォーミュラ4x4の頭文字。トランスミッションの横にトランスファーを搭載し、フロントアクスル側へ駆動力を伝達していた。

通常のインターセプターとの見た目の違いは、長いホイールベースと、2本のサイド・エアアウトレット、ボンネットのエアインテークなど。エンジンは同じクライスラー由来のV型8気筒が載っていた。

意欲的なクーペといえたものの、製造数は320台に留まった。トランスファーの位置が原因で、北米市場向けの左ハンドル仕様を作れなかったことが大きな影を落とした。

1970年:ランドローバー・レンジローバー

ジープ・ワゴニアへ続くように、ランドローバーはラグジュアリーな四輪駆動モデルの開発へ着手。有能なレンジローバーが誕生する。オンロードでの秀でた快適性と、オフロードでの抜群の走破性を融合させ、高級SUVの代表としての地位を確立した。

初代ランドローバー、ディフェンダーを選択肢に加えてこなかった、都市部のユーザーにも訴求する内容だった。垢抜けたスタイリングは、市街地にもよく馴染んだ。

とはいえ初代レンジローバーは、リジットアクスルにセパレートシャシー構造を備え、内容は本格派。コイルスプリングのサスペンションと、ローバー製のV8エンジンが、上質な走りを叶えていた。

1972年:スバル・レオーネ

スバル1600として英国でも親しまれた初代レオーネの四輪駆動版は、1972年に登場。英国仕様ではレオーネのエステートバンは四輪駆動が標準で、1977年から販売されている。

舗装路での走りが安定していただけでなく、悪路や滑りやすい路面では驚異的な順応性を披露。グレートブリテン島でも、農家や郊外のドライバーから多くの支持を集めることになった。

レオーネは、スバルのモデルラインナップの礎になっただけでなく、他メーカーも含めて、四輪駆動ファミリーカーの元祖だともいえる。同じプラットフォームをベースにしたピックアップトラック、ブラッドも存在し、クラシックカーとして人気は上昇中だ。

1979年:AMCイーグル

スバル・レオーネのコンセプトに影響を受けたのが、北米のAMC。ステーションワゴンとサルーン、2ドアクーペとコンバーチブルがラインナップされていたイーグルに、四輪駆動を設定した。

北米基準ではコンパクトカーに該当したイーグルは、センターデフとビスカス・カップリングによる四輪駆動システムを採用。前後のアクスルへ、必要なトルクを伝達することを可能にしていた。

エンジンは2.5Lか4.2Lという構成で、フロント・サスペンションは北米の四輪駆動モデルとしては初となる独立懸架式。その結果、運転しやすく快適な全天候型ファミリーカーに仕上がっていた。

1980年:アウディUrクワトロ

オンロード・モデルに、四輪駆動システムを採用したアウディ。スバルから数年遅れての登場ではあったが、今ではブランドイメージを牽引する技術へ進化している。四輪駆動を示すクワトロは、同社を象徴する単語といってもいい。

その先陣となったクーペ、Urクワトロは、今でも魅力的なクーペだと思う。ラリー界にも革命的なインパクトを与えた。世界ラリー選手権で優勝台へ登るには、四輪駆動が不可欠になったほど。

200psを発揮したパワフルな5気筒ターボエンジンも、Urクワトロの成功を導いた。後期型では20バルブ化されパワーアップし、220psを発揮。センセーショナルなほど高速な四輪駆動のスポーツカーだった。

1982年:スズキSJ(ジムニー/SJ30・40型)

スズキは1970年代初頭から、小さく実用的なオフロードモデルを提供してきた。その進化版に当たるSJ30・40型は、2代目ジムニーとして大ヒットを記録している。

コンパクトで運転しやすいパッケージングに、シンプルで無駄のないスタイリングと、優れたオフロード性能を併せ持ち、現代に続くジムニー人気のきっかけを生んだ。農場での実務から子供の送迎まで、幅広く活躍してきた。

ローレシオ・トランスファーが組まれ、後輪駆動と四輪駆動を切り替えられることが特長。小さく軽い車体も、走破性を担保していた。ルーフのないコンバーチブル仕様も、手軽にオープンエアを楽しめるオフローダーとして支持を集めている。

この続きは後編にて。

こんな記事も読まれています

フェルスタッペン、レッドブルの地元で最速! マクラーレン勢が続く。角田裕毅14番手|F1オーストリアGPスプリント予選
フェルスタッペン、レッドブルの地元で最速! マクラーレン勢が続く。角田裕毅14番手|F1オーストリアGPスプリント予選
motorsport.com 日本版
最速はヒョンデのタナク。トヨタは6-7-8番手でスロースタートに/WRCポーランド シェイクダウン
最速はヒョンデのタナク。トヨタは6-7-8番手でスロースタートに/WRCポーランド シェイクダウン
AUTOSPORT web
F1オーストリアGPスプリント予選速報|フェルスタッペンがSQ1~3全てでトップタイムの完全制圧。角田裕毅SQ2敗退14番手
F1オーストリアGPスプリント予選速報|フェルスタッペンがSQ1~3全てでトップタイムの完全制圧。角田裕毅SQ2敗退14番手
motorsport.com 日本版
【MotoGP】プラマック、2024年限りでドゥカティ陣営離脱! 2025年以降はヤマハのサテライトチーム化を発表
【MotoGP】プラマック、2024年限りでドゥカティ陣営離脱! 2025年以降はヤマハのサテライトチーム化を発表
motorsport.com 日本版
[新型マツダ6]は直6ガソリン!? ロータリーエンジンの電動モデルも!? セダン・ワゴン改革が期待大すぎ
[新型マツダ6]は直6ガソリン!? ロータリーエンジンの電動モデルも!? セダン・ワゴン改革が期待大すぎ
ベストカーWeb
マセラティのV6「ネットゥーノ」搭載3車種をイッキ乗り!「MC20」「グラントゥーリズモ」「グレカーレ」の走りの違いは?
マセラティのV6「ネットゥーノ」搭載3車種をイッキ乗り!「MC20」「グラントゥーリズモ」「グレカーレ」の走りの違いは?
Auto Messe Web
ホンダ、新型フリードを6月28日に発売。e:HEV搭載ハイブリッドと1.5Lガソリンで250万円から
ホンダ、新型フリードを6月28日に発売。e:HEV搭載ハイブリッドと1.5Lガソリンで250万円から
AUTOSPORT web
ファッショナブルかつエレガントなメルセデス・ベンツCクラスの新しい4名乗りオープンカー「CLEカブリオレ」が日本デビュー
ファッショナブルかつエレガントなメルセデス・ベンツCクラスの新しい4名乗りオープンカー「CLEカブリオレ」が日本デビュー
カー・アンド・ドライバー
MotoGPオランダ|バニャイヤ絶好調! コースレコード更新でプラクティストップタイム。ビニャーレス2番手で追う
MotoGPオランダ|バニャイヤ絶好調! コースレコード更新でプラクティストップタイム。ビニャーレス2番手で追う
motorsport.com 日本版
ディフェンダーがピックアップトラックに!?ワイルド感あふれるモデルの正体は…?
ディフェンダーがピックアップトラックに!?ワイルド感あふれるモデルの正体は…?
グーネット
遂に「楽しい」電動スポーツ生誕! ロー&ワイドなボディにシザーズドア 新MGサイバースターへ試乗 
遂に「楽しい」電動スポーツ生誕! ロー&ワイドなボディにシザーズドア 新MGサイバースターへ試乗 
AUTOCAR JAPAN
人生初の愛車は日産「エクサ クーペ」部品取り車に「キャノピー」も所有するほど惚れた理由は、個性的なギミックにありました
人生初の愛車は日産「エクサ クーペ」部品取り車に「キャノピー」も所有するほど惚れた理由は、個性的なギミックにありました
Auto Messe Web
「未来のために白紙の状態から再スタート」新LMP2規定の仕切り直しにコンストラクター4社が同意
「未来のために白紙の状態から再スタート」新LMP2規定の仕切り直しにコンストラクター4社が同意
AUTOSPORT web
アストンマーティンF1、ストロールとの契約延長を発表。2026年までアロンソとのコンビを継続へ
アストンマーティンF1、ストロールとの契約延長を発表。2026年までアロンソとのコンビを継続へ
AUTOSPORT web
ハウガーがデュルクセンを0.008秒下して最速! フィーチャーレースのPP獲得。宮田莉朋大苦戦で21番手|FIA F2シュピールベルグ予選
ハウガーがデュルクセンを0.008秒下して最速! フィーチャーレースのPP獲得。宮田莉朋大苦戦で21番手|FIA F2シュピールベルグ予選
motorsport.com 日本版
名古屋まで100キロ信号なし“スーパー一般道”完成いよいよ秒読み! 国道23号「名豊道路」新IC名も決定!
名古屋まで100キロ信号なし“スーパー一般道”完成いよいよ秒読み! 国道23号「名豊道路」新IC名も決定!
乗りものニュース
ガスリーとの契約延長を喜ぶアルピーヌF1代表。オコンの後任は「時間をかけて決める」と主張
ガスリーとの契約延長を喜ぶアルピーヌF1代表。オコンの後任は「時間をかけて決める」と主張
AUTOSPORT web
異例の再有料化「八木山バイパス」 工事をNEXCOへ引き継ぎ 4車線化も間近!
異例の再有料化「八木山バイパス」 工事をNEXCOへ引き継ぎ 4車線化も間近!
乗りものニュース

みんなのコメント

1件
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村