Q もしかして、これが一番カッコいいSUVですか?(長谷川)
A SUVのスタイリングには、トラッドとモードがあります。トラッドはカクカク系とも呼ばれていて、メルセデス・ベンツのGクラス(ゲレンデヴァーゲン)やジープ ラングラーが代表的ですね。そうそう、スズキのジムニーもトラッドです。一方、モードなのはキャデラック エスカレードやマセラティのレヴァンテ、それにDS7クロスバックといったあたりです。で、モードの中でも最もナウいのが、レンジローバーのイヴォークだと思います。なぜならイヴォークは、ストリートの感性を取り入れているからです。カスタマイズカーの世界には、ボディの段差やつなぎ目をなくしてツルンとした見た目にする、スムージングという手法があります。イヴォークをご覧ください。フロントもリアもツルンツルンですよね。レンジローバーという老舗がカスタマイズカーのドレスアップを採り入れるあたり、ファッションのハイブランドがストリートに影響を受けるのに近いものがあります。一番カッコいいかどうかは好みの問題もありますが、一番新しいデザインがイヴォークだと言うことはできると思います。(サトー)
ミレニアルズ3人が、モータージャーナリストに素朴な質問──2019年話題のクルマ、どうなんでしょう?【前編】
Q 東京での使い心地は?(近藤)
A 「都会こそSUV」という声を耳にすることがあります。というのも、運転席の位置が高くて見晴らしがいいSUVは、ゴミゴミした市街地でも先の状況がわかるからリラックスして運転できるのです。渋滞でトラックに囲まれても、運転席の位置が高いとイライラが減る気もします。ただ、都内だとデカすぎて、駐車場所に困る、うかつに狭い道に入っていけないといった問題が生じることもあります。その点、イヴォークはサイズも都会派。全長は4.3mあまりで、トヨタ プリウスが4.5mを超えることを考えるとコンパクトだと言っていいでしょう。ただしコンパクトではあるけれどレンジローバーのブランドを冠するだけあって室内の設えは上等で、〝心地よく秘密めいた場所〟の趣。まるで4本足のタコのようにサスペンションが伸び縮みする乗り心地も快適だから、都内を快適に走る最右翼と言ってもいいでしょう。(サトー)
Land Rover Range Rover Evoque2011年に登場した初代イヴォークは、美しさと本格的な悪路走破性能の両立で世界をあっと言わせた。今年登場した2代目は正常進化を果たしつつ、安全性能と環境性能がジャンプアップ。才色兼備、文武両道の1台だ。
SPEC 全長×全幅×全高:4371×1996×1649mm ホイールベース:2681mm 車両重量:1860kg 乗車定員:5名 ¥4,610,000(税込)~
生まれ変わったA6 雨でも最高の走りをみせるQ アウディは雨に強いと聞きました。(長谷川)
A 間違いなく雨に強いです。ドイツのアウトバーンでも、雨の日に追い越し車線を堂々と走っているクルマの多くはアウディという印象です。
その理由は、アウディが長年培ってきた高性能な電子制御4WDシステム「クワトロシステム」にあります。最新モデルのA6アバントでは、カメラとレーダーで進行方向の路面をチェックして、瞬時に4輪に最適な駆動力を配分します。
さらに後輪を操舵するダイナミックホイールステアリングや電子制御サスペンションのダンピングコントロールサスペンションなどが、まるでスポーツセダンのような走りを実現しています。(竹花)
Audi A6 Avant新しいA6はセダンとアバント(ステーションワゴン)が同時に日本デビュー。先進的な運転支援装置、外部とインターネットでつながるコネクト機能、タッチパネル式のインターフェイスなど、未来っぽさが横溢。
SPEC 全長×全幅×全高:4950×1885×1465mm ホイールベース:2925mm 車両重量:1930kg 乗車定員:5名 ¥9,550,000(税込)~
ERIC MICOTTOアクセラが「マツダ3」として新しくなりました!Q マツダは日本の会社ですよね? 走行性能ってどうなんでしょうか?(米永)
A マツダのブランドコンセプトはZoom-Zoom。これは日本語の「ブーブー」に相当する英語圏の子ども言葉です。つまり、子どものときに感じた動くことへの感動を再現するのがマツダのクルマ作りの原点と言っていいでしょう。
しかも、彼らは単なる速さを追求するのではなく、普通のドライバーが普通に運転したときに「気持ちいい」「安心できる」と感じていることを重視しています。こうした姿勢はヨーロッパでも高く評価され、国内よりも欧州でより多くクルマが売れているという、日本メーカーとしては極めて珍しい状況を生み出しています。(大谷)
ERIC MICOTTOERIC MICOTTOMAZDA MAZDA3 FASTBACKアクセラがモデルチェンジとともにMAZDA3と改名。VWゴルフなどの強豪がひしめくカテゴリーに打って出る。有機的なデザインやドライバーを主役に据えたクルマ作りなどでマツダの個性を表現。セダン版もある。
SPEC 全長×全幅×全高:4460×1795×1440mm ホイールベース:2725mm 車両重量:1410kg 乗車定員:5名 ¥2,181,000(税込)~
質問するミレニアルズ米永 豪 23歳 大学生
慶應義塾大学商学部5年生。大のクルマ好きで、将来乗りたいクルマはポルシェ911RS。「貯金なくしてクルマライフなし、頑張ります」
長谷川まりか 24歳 フリーター
制作会社に勤めていたが、現在転職活動中。クルマは助手席専門。「派手な色の車はちょっと苦手。私のメイクも薄口です」
近藤玲央名 25歳 エディター
大学生の頃に『GQ JAPAN』でインターンをし、今年6月より『GQ JAPAN』編集部の編集者に。主にデジタルのニュース記事を担当する。
答えるモータージャーナリストサトータケシ ライター
1966年生まれ。伝説の自動車文化誌『NAVI』で副編集長を務めた後に独立。猛暑日に愛車シトロエンC6のエアコンが働かず悶絶。
大谷達也 モータージャーナリスト
電機メーカーの研究所で7年間エンジニアとして勤務した後、1990年『CAR GRAPHIC』編集部に転職。現在はフリーランスで大活躍。
竹花寿実 モータージャーナリスト
昨年帰国するまで、ドイツで8年間にわたりベーシックカーからスーパーカーまで取材した経験を持つ国際派モータージャーナリスト。
Photos Utsumi(Mercedes-Benz B class)、Hiro Kimura@W(BMW Z4)、Hiromitsu Yasui@Weekend.(Toyota Supra、Mazda Mazda3)、Yoshitaka Kashiwada(Land Rover Range Rover Evoque)、Raihei Okada(Audi A6 Avant)
→ミレニアルズ3人が、モータージャーナリストに素朴な質問──2019年話題のクルマ、どうなんでしょう?【前編】へ
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