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往年の名車を未来へ! 神奈川トヨタがレストアを本格的に手掛ける理由とは

掲載 更新 3
往年の名車を未来へ! 神奈川トヨタがレストアを本格的に手掛ける理由とは

幅広い世代の名車が揃う貴重なブース

 2月19日~20日の2日間開催されたノスタルジック2デイズ。昭和の名車を中心に、懐かしいクルマが勢ぞろいしたこのイベントに、初代クラウン、TE27レビン、トヨペットスタウト(トラック)、100系チェイサーと幅広い年代のトヨタ車を展示しているブースがありました。

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 トヨタ車に強い旧車ショップかと思ってしまいますが、このブースを出展していたのは、なんと新車販売を行っている神奈川トヨタ。一体どんな経緯があったのでしょうか。

キッカケはワンオーナーの初代クラウン

 新車販売が本業のトヨタディーラーがなぜ旧車ショーに? という疑問の声が上がると思いますが、きっかけはこの初代クラウンだったそうです。このクラウンは登場して2カ月が経ったころ、東京で登録された個体。その後オーナーは神奈川に引っ越し、以降メンテナンスを神奈川トヨタに依頼していたとのこと。

 その間も何度か神奈川トヨタはモデルチェンジした歴代クラウンへの乗り換えを勧めていたそうですが、オーナーはこの初代クラウンから乗り換えることはなかったそうです。その姿勢に神奈川トヨタも理解を示しオーナーも心を許すように。新型のクラウンが登場するたびにオーナーからこの初代クラウンを借りて、新型モデルと並べて展示する販売促進イベントなどを行ってきたとのこと。

 こうして築かれてきた初代クラウンオーナーと神奈川トヨタの関係性。クラウンオーナーは高齢になったこと理由に、クラウンを神奈川トヨタに譲ることに決めました。そのとき言い渡された条件は「転売しないこと、そして展示会や他ディーラーへの貸し出しなどでたくさんの人に見せること」の2点だったそうです。

レストア技術をディーラーで伝承

 そしてクラウン生誕70周年を迎えた2016年。クラウンが生まれた愛知県豊田市から東京代官山までの430kmを走る「CROWN JAPAN FESTA in 代官山」に向けて、この初代クラウンを神奈川トヨタでレストアすることに。その決定にオーナーは喜んでいましたが、残念ながらレストアの完成を前にしてこの世を去ってしまいました。

 こうして蘇った神奈川トヨタの初代クラウンは注目を浴びます。このような取り組みを知ったお客さまからトヨペットスタウトが自宅に眠っているという申し出があり、さらにグループ会社へも下取り車として初代カローラレビンが入庫。神奈川トヨタとしては古いクルマを維持する技術を伝承していくという目的で、この2台のレストアを決定します。神奈川トヨタのお客さまには、子や孫という風に2代3代に渡る方も多く、そのような方々のためにも技術は伝承しなければならないと感じたそうです。

ディーラーでレストアすることが新たな流れに

 そして現在レストア中なのがチェイサーツアラーV。このクルマは下取りで入ってきた個体で、走行はなんと約5万kmと低走行。エンジンやトランスミッションのオーバーホールをしている最中で、分解された各パワートレインも一緒に展示されていました。

 新車ディーラーと聞くとなかなか古いクルマを見てくれないという先入観があるかもしれませんが、神奈川トヨタならばそんな心配もないでしょう。神奈川トヨタとしては「来る者拒まず」の精神で、今後下取り車やお客さまから引き取りの申し出があったクルマをレストアし、展示することを計画中とのこと。今後は日本車も欧州車のように工業文化遺産として認められて、大腕を振ってディーラーでレストアをしてもらえる日が来そうだと感じさせる展示でした。

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みんなのコメント

3件
  • とてもいい話。
    これこそ持続可能な社会に必要なことだと思う。
  •  良い話ですね!
     こういうディーラーさんが」増える事を強く望みます。昭和30年代はディーラーでも本当に細かい部品まで分解して修理なり交換をして整備をしていた。まさに匠の技。こういう修理が増えれば技術の伝承も可能。
     神奈川トヨタの今後に期待したいです。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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