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庶民でも手が届…く? ギリ無理…?? 根性で手に入れたい憧れのBMW「M」 中古ならいけるか大検証

掲載 更新 18
庶民でも手が届…く? ギリ無理…?? 根性で手に入れたい憧れのBMW「M」 中古ならいけるか大検証

 M2やM3、M5といったBMWのスポーツモデル、Mモデルはクルマ好き、BMWファンにとっては垂涎のモデルだ。

 近年ではバリエーションが増えてきており、Mスポーツ、M240i、M2など、3つのMが存在するため、どこがどう違うのか、とまどう人もいるかもしれない。

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 そこで改めてBMW Mモデルとはどのようなモデルなのか、歴史や概要を紹介するとともに、新車ではなかなか買えない価格帯のため、比較的手頃な価格で狙えるBMW Mモデルの中古車について、輸入車に詳しいジャーナリストの伊達軍曹が徹底解説する。


文/伊達軍曹
写真/BMW

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そもそもMモデルとはどんなモデルなのか?

3色のトリコロールカラーが印象的なMのロゴ。ブルーはBMW、レッドはモータースポーツ、そしてパープルはその両者の比類なき融合を表している。Mロゴはジウジアーロ率いるイタルデザインによって生み出された

 なんだかんだ言いいつつも「憧れの対象」ではある場合が多い、BMWの各モデル。

 もちろんBMWのことなど屁とも思っていない各位もいらっしゃるだろうが、そんな各位でも、BMWの「Mモデル」にだけは一目置いているに違いない。

 そもそもスポーティなBMW各車を「さらなるスポーツモデル」へと仕立てたMモデルとは、はたしてどんなモノなのか?

 そしてそれを手掛けているドイツ・ミュンヘンの「BMW M GmbH(BMW M社)」とは、いったいどんな会社なのか? 

 比較的手頃な予算で狙えるモデルの中古車購入ガイドとともに、「BMW M」について研究していきたい。

 現在、Mモデルの開発やモータースポーツ用パーツの研究開発、特別注文モデルの生産などを行っているBMW M GmbH(BMW M社)がBMWの子会社として誕生したのは1972年5月1日のこと。

 発足当時はBMW Motorsport GmbH(BMWモータースポーツ社)という社名だった。

 当時モータースポーツの世界で連戦連勝を重ねていたBMWだったが、自社だけではモータースポーツ関連事業や作業の一部しかカバーできず、多くの部分をチューニングメーカーに頼るという状況であった。

 そのため、モータースポーツに集中的に取り組む目的で新たに設立されたのが「BMWモータースポーツ社」だった。

 当初は35人のスペシャリストチームだった同社を率いたのは、かつてポルシェのワークスドライバーだったヨッヘン・ニーアパッシュ。

 彼がマネージングしたBMWモータースポーツ社は、BMW3.0CSLで参戦したツーリングカーレースやF2などを席巻した。

 1970年代後半まで、BMWモータースポーツ社はレーシングカーのみを製造していたのだ。

 しかし「サーキット以外でもM Powerを堪能したい!」というユーザーの声に応えるため、まずは1974年、BMWモータースポーツ社のエンジニアは初代5シリーズのサスペンションとブレーキに関与。

 そして1978年にはMのロゴを付けた最初の車両である「BMW M1」でセンセーションを巻き起こし、1980年には、初代5シリーズに635CSiの2バルブ6気筒エンジンを搭載した「M535i」を開発・製造した。

1973~1979年にヨーロッパ選手権で6回優勝し、10年近くにわたって世界のツーリングカーシーンを席捲した3.0CSL。レース仕様のベース車両は200psを発生する3003cc、直6

1978年に登場したM1。ミドに搭載されたM88型3453cc、直6DOHCエンジンは277psの公道仕様、470psのグループ4仕様、そして850psを発生するKKK製ターボチャージャーを装着した3153ccターボのグループ5仕様が用意された

1984年に登場したM635CSiは286psを発生するM1譲りの高回転型の4バルブ直6、3.5Lエンジンを搭載

1980年、1.5L量産型4気筒エンジンブロックから驚異的な800psのF1ターボエンジンを作り上げた。1982年からはブラバムが初のBMWエンジンでグランプリに参戦、BMWは1987年までにグランプリ優勝を9回果たした

 その後、Mモータースポーツ社はF1用ターボエンジンの開発と供給を行い、1984年には、M1の高回転型4バルブ直6エンジンを「M635CSiクーペ」と「M5」搭載。特に、プロイセン通りにあるワークショップで1つずつ手作業で組み立てられたM5は、瞬く間に伝説的存在となった。

 F1での活動が終了すると、BMWモータースポーツ社は新たにツーリングカーレースにエネルギーを投入するようになった。そしてその結果、1986年に伝説の初代BMW M3が誕生した。

1983年に登場した初代M3スポーツエボリューション。初代BMW M3は、2.5LのM3スポーツエボリューション600台、手作業で組み立てられたM3カブリオレ765台を含む1万7970台が販売された

 レースマシンとしてタイトルを総なめにした初代M3は、市販車としても予想を超える販売台数を達成。

 初代M3の市販バージョンは、2.5LのM3スポーツエボリューション 600台と、手作業で組み立てられたM3カブリオレ765台を含む計1万7970台もの台数が販売されたのだった。

 ツーリングカーレース参戦を目的としたモデルの開発は初代M3で終わったものの、その後もBMWモータースポーツ社は「2代目M3」、「2代目M5」などの超ハイパフォーマンスロードカーを続々と開発。

 そして1992年には、通常のオプション装備の範囲を超えるカスタムメイドを実現させる「BMWインディビデュアル」もBMWモータースポーツ社の担当業務となり、1993年8月1日には社名を「BMW M社」に変更。

 そして現在は冒頭で記したとおり、「BMWを超えるBMW」であるMモデル各車の開発とモータースポーツ用パーツの研究開発、特別注文モデルの生産などを行っているBMW M社なのであった。

3つのMモデルの違いとは?

BMW3シリーズのスポーティグレード、330i Mスポーツ

M3の下に位置するグレード、M340i xDrive

3シリーズの頂点となる新型BMW M3セダン

 以上のような歴史を持つBMW M社が開発しているのがMモデルなわけだが、カーマニアは別として一般の方は、「ところでM3と、M340i、3シリーズの“Mスポーツ”って何が違うの?」、「M2とM240iの違いって何?」という感じで、いまひとつクリアではない方も多いのかもしれない。

 そういった方のために念のためご説明すると、たとえば3シリーズの場合でいうと、BMW M3は「エンジンや足回りなどを含むほぼすべてが素の3シリーズとは完全に別モノな、M社が開発した超ハイパフォーマンスカー」。

 そしてMスポーツのほうは、「Mという言葉が持つスポーティなイメージを活用した、足回りや各所のデザインなどをスポーティな方向に振ったBMWのパッケージオプション」だ。

 そしてM2クーペとM240iクーペの違いは、M2クーペがM3やM4同様に「M社が開発したマシン」であるのに対し、M240iクーペのほうは「M Performance Automobiles(エム・パフォーマンス・オートモービルズ)」というラインに属する「BMW M社がBMW車のパワートレインとシャシーにチューニングを施したモデル」だ。

 この「3つのM」の違いは言葉で説明するとややわかりにくいが、要するに「普通のBMWのトップレンジ」がMスポーツであり、「M社が開発した超スペシャルモデル」がM、そして「その中間ぐらいに位置するグレード」がM240i クーペなどのM Performance Automobilesであるととらえれば、わかりやすいだろう。

M240iクーペは340ps/500Nmを発生するB58型B30A型3L、直6ターボを搭載する

中古で狙うBMW Mモデル

M2クーペに搭載されるN55B30A型3L、直6ターボエンジンは370ps/465Nmを発生。最大トルクはオーバーブースト機能によって一時的に500Nmまで引き上げられる。最新モデルのM2コンペティションは410ps/550Nmを発生する3L、直6ツインターボ

M2クーペの中古車情報はこちら!

 そんなMモデルの新車価格は、最小モデルのM2クーペでも898万円~であり、M4クーペは1213万円~。M8クーペに至ってはなんと2241万円~ということで、筆者のようなド庶民が買える代物ではない。

 かといって中古車も、現行世代はまだまだ十分お高いため、注目すべきは「1コ前の世代」や「現行世代の前期型」といったあたりの中古車になるはずだ。

 まずは小手調べとして「最小のMモデル」であるM2クーペの中古車相場を見てみると、モデル全体としては430万~630万円といったニュアンスで、2017年途中までの前期型に絞っても430万~580万円と、けっこうお高い。……ということで、M2クーペはスルーして次の候補に行こう。

 例えば、先代の4シリーズをベースとする、現行型M4クーペの中古車相場はどうなっているのか?

 こちらは、モデル全体としては400万~1800万円とかなり上下に幅広いが、2015年式ぐらいまでの初期モノに絞って探せば、走行3万km台のM DCTドライブロジック車が車両500万円台半ば付近で豊富に見つかる。

 「中古のM2クーペに500万円台」と言われると若干躊躇してしまうが、まだ現行型(新型は本国で発表されたがまだ日本未発売のため)であるM4クーペであれば、500万円台半ばというのは「ある意味リーズナブル」ではあるのかもしれない。

2014年2月に日本導入となったM3のクーペ版、M4クーペ。431ps/550Nmを発生する3L直6ターボに6速MTまたは7速M DCTを組み合わせる

M4クーペの中古車情報はこちら!

 M4クーペのセダン版であるF80型M3(先代3シリーズセダンベースのMモデル)は、モデル全体の相場は500万~1200万円。

 これまた注目ゾーンは「500万円台半ばぐらい」といったあたり。納得できそうな、微妙なような、得も言われぬ価格水準だと言えようか。

5代目M3(クーペのM4は初代)には先代(E90/E92)のV8DOHCエンジンに代わり搭載されたS55B30A型3L、直6DOHCツインターボ。先代のV8を11ps上回る431psと先代比約4割アップの550Nmの最大トルクを誇る

5代目M3の中古車相場はこちら!

 5シリーズをベースとする「M5」の先代モデルだとどうなのか? 2011年から2017年まで販売されたF10型M5は、最高出力560psのV8、4.4Lツインターボを搭載するラグジュアリースポーツセダン。

2011年に登場したF10型M5は560ps/680Nmを発生するV6、4.4Lツインターボを搭載

4代目M5の中古車情報はこちら!

 相手にとって不足はないというか、コンディションの良い中古車であれば、まだまだ十分魅力的であるはず。

 で、そんな先代M5全体の相場は350万~610万円と、なかなか微妙なゾーン。つまり「出せないわけでもないが、先代の中古車に出すお金としてはどうなのか?」と、ついつい考えてしまいそうな相場なのだ。

 とはいえ車両価格400万円前後のゾーンにまずまず好条件な物件が集中しているので、その金額を「超ハイパフォーマンスなスポーツセダンを買う値段としてはリーズナブルである」と判断できるなら、注目してみる価値はあるだろう。

やはり狙い目はE92/E46/E36のM3か?

 しかし、こうやって見てみるとMモデルの中古車というのは「先代」であってもけっこう高い。というか、決して安くはない。

 もうちょっとこう、せめて200万円台ぐらいで気軽に買えるMモデルはないものか……と探してみると、イケそうなのは2世代から4世代前のM3、つまりE92/E46/E36の各世代であることがわかった。

 とはいえ車両200万円台で狙えるE92型M3(2007~2014年)は走行距離多めのものが大半で、E46型M3(2000~2006年)とE36型M3(1993~1998年)は、さすがに年式的にちょっと古いため、メンテナンスの点でいろいろ心配もある。

 かといって伝説の初代E30型M3(1985~1990年)に注目してみても、その相場はもはや成層圏に達しており、状態のいい個体は軽く1000万円を超えてしまうというのが現状だ。

2007~2014年に販売されたE92型M3

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2000年~2006年まで販売されたE46型M3

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伊達軍曹お薦めのE36型M3

E36型M3の中古車情報はこちら!

 ということで人気の高さに比例して、お高いMモデルだが、筆者個人としては、1990年代初頭から後半にかけて販売された「E36型M3」の中古車を、ぜひ買ってみたいとは思っている。

 これとて状態のいいものは決して安くはないのだが(たぶん300万円以上はする)、現代のM3やM4、あるいはM5などとはすべてが異なる「小ぶりで軽量でシンプル」という強烈な美点と個性が際立つため、最初の出費にも、そしてその後に予想される整備&修理費用にも、我がメンタルは耐えることができると思うのだ。

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みんなのコメント

18件
  • 仮に買えたとして維持出来るかどうかだよね

    個体に当たり外れあるくらいで一概には言わないけど外れを引いた場合が最悪だよね
  • 検証は?ただうんちく垂れ流しの相場記事じゃん
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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