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限界へ誘う「悪魔的」スーパーカー ランボルギーニ・レヴエルトへ試乗 V12+3モーターで歴代最大・最強

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限界へ誘う「悪魔的」スーパーカー ランボルギーニ・レヴエルトへ試乗 V12+3モーターで歴代最大・最強

V12エンジン・スーパーカーの最新作は1015ps

ランボルギーニは、半世紀の月日をかけて、V型12気筒エンジンをミドシップしたスーパーカーを進化させてきた。その最新作が、1015psのレヴエルト。英国の公道で、仕上がりを確かめる時がやって来た。

【画像】限界へ誘う「悪魔的」スーパーカー ランボルギーニ・レヴエルト HV化が進むスーパーカーたち 全153枚

斬新な出で立ちは、ランボルギーニの代名詞。それを理解していても、レヴエルトは大きく存在感が半端ない。アヴェンタドールより全長は約15cm長い。全幅はミラー抜きで2mを超え、路線バス並みにワイド。車重はBMW M3とほぼ同じ。

6.5Lもの大排気量エンジンは、気が遠くなるような9500rpmまで回る。同僚のマット・ソーンダースは、2023年にサーキットで試乗した際、公道での印象は想像するしかないとしつつ「完全な狂気だ」と表現していた。

今回、筆者がレヴエルトを走らせたのは、酷く濡れた英国のアスファルト上。果たして、想像以上に何事もなく運転できた。

真っ先にお伝えしたい事実が、日常的な運転体験では、アヴェンタドールより2世代ぶん進化したように感じること。先代も素晴らしく魅力的だったが、手に汗をかくほど一生懸命になる必要もあった。

運転席からの視界は狭く、幅広いカーボンファイバー製ボディは、常に大きく感じられた。フロントノーズは、ステアリングホイールから遠く離れた場所に感じられた。コーナリングラインを、滑らかに辿るのは難しかった。

良い意味でも悪い意味でも、荒削り感が否めなかった。どこも擦らず無事に降りられた時、ホッとしたほど。

ウラカンより優れる視界 電気で約6km走れる

レヴエルトは、多くの弱点が克服されている。まず、サイドシルの形状が変わり乗り降りしやすい。車内は広く居心地が良い。

内装の製造水準は極めて高く、フェラーリを超えているだろう。マット・カーボンとオレンジ・レザーのコーディネートは、好き嫌いがわかれそうだが、インテリアデザインは洗練されている。

ボディは間違いなくワイドながら、取り回ししやすい。バックミラーへ映るのは、美しいカムカバーが殆どでも、それ以外の視界は良好。ウラカンより優れている。

キャビン後方には巨大な空間が確保され、小さくないV12エンジンが収まっている。アヴェンタドールのように、ウインドウ越しに壮大なエンジンルームを眺めることはできなくなった。レーシングカーのような、プッシュロッド式サスペンションも。

250kg車重が増えたレヴエルトでは、ホイールの後ろに組まれる、一般的なダンパーとコイルスプリングというレイアウトへ変更された。この点では、エキゾチックさが薄れたといえる。だが、体験は遥かにモダンだ。

プラグイン・ハイブリッドだから、電気だけで進める。駆動用バッテリーの容量は3.8kWあり、フロントアクスル側に組まれた2基の駆動用モーターを回し、最長で約6km走れる。

825psを発揮する自然吸気のV12エンジンは、リアアクスルを担当。このパワーを受け止める8速デュアルクラッチAT内にも、3基目の駆動用モーターが存在する。CO2の排出量を減らしつつ、トルクも補ってくれる。

呆気に取られるほど公道で扱いやすい

駆動用バッテリーはシャシー中央に載り、走行中はエンジンの余力で充電可能。センターコンソールの赤いカバーを上げてスタートボタンを押すと、EVモードで起動する。

ステアリングホイール上のボタンで、EVモードはいつでも選べる。刺激的なオレンジ色のスーパーカーは、日産リーフのように静かにも走れる。

磁性流体を封入したダンパーには2モードあり、EVモード時は感嘆するほど乗り心地はしなやか。このモードも、ステアリングホイール上で簡単に切り替えられる。アヴェンタドールも、乗り心地は悪くなかったが。

パワートレインのダイヤルをストラーダ以上に回すと、「V12エンジンが始動します」という実務的なメッセージが、メーター用モニターに表示される。数秒後、猛烈な勢いで後方からノイズが放たれる。レーシングカーが、ピットレーンから発進するように。

圧巻のエグゾーストノートへ、金属的なメカノイズも重なる。歴代最大・最強のランボルギーニらしい。

かくして、そんなレヴエルトは、濡れた公道で呆気に取られるほど扱いやすい。もちろん、アルピーヌA110級に親しめるわけではないが、直線加速で興奮を誘うだけのスーパーカーではなくなった。

ウラカンのような一体感は、速度域が上昇すると増していく。ホイールベースはアヴェンタドールより80mm長いが、クイックなステアリングで短く感じられる。後輪操舵システムも影響しているはずだが、剛性を増したシャシーの効果でもあるだろう。

全幅と馬力には要注意 悪魔的な仕上がり

ごく稀に、複雑な電子システムの存在を実感する。ステアリングの反応が一貫せず、回頭が僅かに不自然なことがある。しかし、それ以外は至って自然。信頼感を抱け、運転を楽しもうと思える。優れた乗り心地も、それを後押しする。

コーナーを意欲的に克服する場合、アヴェンタドールでは慣れが必要だった。しかし、ややグリップ力が減り、路面の感触は薄れたものの、明らかに攻めやすい。

理想的なリムの太さのステアリングホイールには、2時と10時の位置にコブがあり、握りやすい。シフトパドルは驚くほど巨大で、常に弾きやすい。

新しいデュアルクラッチATも素晴らしい。セミATと異なり、トルク伝達が中断されることなく、最先端のスーパーカーらしい加速を披露する。これまでのギアが繋がった時のショックも、豪快で魅力的ではあったけれど。

2033mmの全幅と、コルサ・モードで開放される1015psには、注意が必要。扱いやすいが故に、ふとメーターを見たら想像より50km/h速かった、という場面もあるかも。グループCカーのようだ。

スポーツ・モードでも、スタビリティ・コントロールは自由を許す。濡れた路面では、予想以上にテールが流れる可能性がある。アヴェンタドールより後輪駆動感が強く、表現力も豊かだ。

最新のレヴエルトは、悪魔的なランボルギーニだといえる。V12エンジンを積んだ歴代以上に乗りやすく、自制は必要。だが、シャシーの限界へとドライバーを誘う。最高速度は349km/h。誘惑されすぎは厳禁だ。

ランボルギーニ・レヴエルト(英国仕様)のスペック

英国価格:44万6742ポンド(約8935万円)
全長:4947mm
全幅:2033mm
全高:1160mm
最高速度:349km/h
0-100km/h加速:2.5秒
燃費:8.4km/L
CO2排出量:276g/km
乾燥重量:1772kg
パワートレイン:V型12気筒6499cc 自然吸気+トリプル電気モーター
使用燃料:ガソリン
最高出力:1015ps/9250rpm(システム総合)
最大トルク:109.4kg-m/6750rpm(システム総合)
ギアボックス:8速デュアルクラッチ・オートマティック(四輪駆動)

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