WEC世界耐久選手権に参戦中のアレックス・リンは、ル・マン24時間レースでキャデラックVシリーズ.Rが初の表彰台を獲得したことを受け、自身が所属するチップ・ガナッシ・レーシング(CGR)は富士とバーレーンで開催されるWECの残り2戦において、トヨタとフェラーリへの挑戦に集中する必要があるとSportscar365に語った。
第5戦モンツァ終了時点で、リンはアール・バンバー、リチャード・ウエストブルックとともにハイパーカークラスのドライバー選手権でランキング5位に位置し、キャデラックはマニュファクチャラー選手権で同3位につけている状況だ。
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ル・マンでキャデラックを表彰台に導いたひとりであるイギリス人ドライバーは、キャデラックは現在の順位に満足せず、2023年シーズンの残り2戦で上位ランカーの2メーカーに挑戦することに集中すべきだと主張した。
■マシンのポテンシャルは充分
リンはSportscar365に対し「チームとしてもブランドとしても、僕らが参戦しているのは今のような順位に居るためではないと思っている」と語った。
「誰もがそうであるように、僕らだって勝ちたいんだ。僕たちは後ろを振り返るのではなく、つねに前を向いているチームだと思う」
「そういう意味では『ポルシェやプジョーより前に居るから大丈夫』ではなく、トヨタやフェラーリにどう追いつくか、自分たちをどう向上させるかという毎日なんだ。どうしたらトヨタやフェラーリを打ち破るかを考えている。僕が思うに、我々の主な狙いは自分たち自身を改善していくことであり、どのチームでも改善できることはあると思う」
「僕らのクルマには充分なポテンシャルがあり、それを引き出すことができればトヨタやフェラーリに良い戦いを挑めるはずだ。今、彼らがとても速いのは事実だけれど、追いつけないことはないと思っているよ」
リンは、キャデラックはシーズンを通して着実に進歩を遂げてきたとしながらも、ハイパーカー全体でも進歩が見られるため、その進歩の速度を正確に判断するのは難しいと主張した。
「誰もがどんどんハードルを上げていくんだ。シーズンの初めから今に至るまでに、我々はかなり速くなっていると思う。でも、他のみんなもそうだから、その進み具合を見るのは本当に難しい」と続けたリン。
「毎週末、より一層ポテンシャルを引き出し、最大限の力を発揮させようとしているんだ。まだ何ができるかは分かっていないけど、シャシーにしろパワートレインにしろ、充分なスピードを持ったマシンであることは分かっている」
「とても進歩はしているんだ。毎回新しいことを学んでいて、レース中にもっとうまくやれるようになったり、もっとうまくやる必要があることが見えてきたりする。WECの特徴のひとつでもあるけれど、それぞれのレースウイークエンドが離れていて、そこはちょっと大変なんだ」
「WECではグリッド上でもっとも熟達したチームが報われる。だから今はトヨタがベンチマークになっているんだ」
■シーズンは残り2戦「近いところまで行ける」
CGRは7月に開催された第5戦モンツァ6時間で、総合10位、トップから2周遅れという今季最悪のフィニッシュを経験した。その時のことをリンは次のように振り返る。
「あのレースは、振り返ってみて『もっといいレースができたはずだ』と思った最初のレースだった」
「それまではとても良く訓練されたクルーたちだったと思う。でも、モンツァではマシンにふさわしい結果を持ち帰ることができなかった。だから、いくつか改善すべき点があったと思うよ」
「WECに参戦し始めたばかりのブランドとして、ここまでの結果には満足しているけど、もっとうまくやれることがあるはずだ。
「最後のふたつのレースは完璧な週末にしたいし、それができれば、あとはトヨタとフェラーリのことだ」
「我々ができること、できると思っていることをやり遂げられれば、本当に近いところまで行けると思う。それが次の2戦での短期的な目標であることは間違いないよ」
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