特殊なヒューズに換装するだけで コンピュータの信号レスポンスがアップ
平成3年に新車で購入し、以後25年間ひとりのオーナーによって46万kmを走行した日産R32型スカイラインGT-R。エンジンオーバーホールは、20万kmのときにニスモ、昨年末に46万kmでKansaiサービスと2回行っている。近年は、エンジンの寿命が延びているとはいえ、乗用車(しかもスポーツカー)1基でここまでの距離を使い続けている例は、じつに希だ。 このように機関系まわりはほぼリフレッシュされたといえるが、さらに電気系チューニングを敢行。 「サウンドクオリティーアイ」がクライオ処理を施したヒューズ『EXC-HG-FUSE』に交換して、電気の導通を良好にすることでコンピュータなどの信号精度をアップすることで、燃料の噴射量や点火などの精度を高めることにした。
46万kmスカイラインGT-Rオーバーホール【BNR32不定期連載1】
Kansaiサービスによって組み上げられたエンジンは、とても46万kmを走行してきたエンジンとは思えないほど快調。それは精密に重量バランスを取りされたパーツ、フリクションを徹底的に排除するなど、まさに職人技ともいえる技術を惜しみなく投入しているからだ。 コンピュータチューニングも重要で、タービン交換をしているとはいえ0.9kgf/cm2という低ブーストながらもノーマルの280psより約140%アップの401ps(排気量変更はしていない)。低回転域からノーマルの最大トルクを上回るなど、ストリート仕様として乗りやすさを追求したセッティングを施している。 オーバーホールの詳細についてはコチラ(vol.1~8まであります)。
平成以降のクルマは、「電気で動いている」ともいえるほど電装系が重要なのはご存じだと思う。 例えば、エアコンは電気で動いているが、コンプレッサーが動いてエンジンに負荷をかけるので、燃料系や点火系、さらには燃料の噴射量や点火タイミングなどもコンピュータが同時にコントロール。AT車なら変速からそのシフトマネージメントもコンピュータによって制御されている。 それほどクルマにとって電装系パーツは重要なのだ。
電気信号は必ずヒューズボックスを通過 導通アップで信号の精度が向上する
実際、このR32型スカイラインGT-Rもエンジンオーバーホール時に25年間使い続けてきた緑整備センター製のエンジンハーネス(下の写真)に交換。ハーネス類は、可動部分ではないので交換するという感じはしないが、見た目以上に内部は経年劣化や焼け(電気が通るから)などで、電気の通りが悪くなっているのだ。 そんな状態では、いくらエンジンを精密に組み上げてもその実力を発揮することはできない。
それほど重要な電装系だが、さまざまな電気は必ずといっていいほどヒューズボックスを通過している。つまり、ハーネス類をいくら新調してもヒューズの性能が悪ければ、電気は劣化してしまうのだ。 とくに長年使用しているヒューズは、たとえ切れていなくても焼けなどの劣化は確実に進行している。
「サウンドクオリティーアイ」のヒューズ『EXC-HG-FUSE』は、「クライオ」という特殊処理が施されている。 「クライオ」処理を超カンタンに説明すると金属を冷却することで原子がキチンと整列して、電気信号の流れをスムースにすること。ちなみにクライオとはギリシャ語で「深冷」という意味である。
世の中には、同じように冷却処理を施したヒューズなどが存在するが、サウンドクオリティーアイの『EXC-HG-FUSE』が他メーカーと大きく異なるのが、その製法だ。 一般的な冷却したヒューズは、液体窒素に投入して一気に冷却(液浸法)する。金属は、冷やすことで組織内に存在する不純物を純物に変化させることはできるが、急激に温度を変化させると、その効果は薄い。
サウンドクオリティーアイでは、液体窒素をガス化する雰囲気法を採用。冷却から沈静行程(原子移動を行わせる)、除冷までの24時間の全行程をコンピュータで徹底して温度管理を行っている。 これを同社では『エクセレントクライオ処理』と呼び、他のクライオ処理をした製品より圧倒的な性能を発揮できるという。
『エクセレントクライオ処理』の具体的な性能とは、
電気の流れが大幅に改善される 電気信号のレスポンス向上 細かな信号の変化にも追従 錆に強くなる
といったことがあげられる。
正確な燃料噴射と点火などによって エンジン回転がさらにスムーズになった 今回、『EXC-HG-FUSE』に交換したのはエンジン系とオーディオ系、エアコン系など。フューエルポンプ、エンジンコントロールのほか、ABSといった部分は、走りのフィーリングが変化する部分だろう。
交換直後にエンジンを始動して、スカイラインGT-Rのオーナーが発した第一声は 「アイドリングのエンジンの音が静かになった」だった。 正確には、コンピュータから送られてくる信号どおりに、インジェクターや点火系が稼働しているため、アイドリングのような低回転でもキチンと燃焼運動が行われるようになったと表現をすればご理解いただけるだろうか? 感覚的にはメカノイズのバラ付きがなくなったために、静かになったと感じたのだろう。 さらに、エンジンの吹き上がりが軽くなったというかスムーズになったとのこと。 従来は、ハイカムを入れていることもあり、低回転域が高回転域に比べるとやや雑味があったが、ヒューズ交換後は、その差がほとんどなくなったという。
同じクルマを25年間46万kmを走ってきたオーナーだけに、わずかな変化も正確に把握できるのは間違いない。過去に、同じようにヒューズ交換をしたクルマでも同じように、エンジンの回転フィールの改善が見受けられた。さらに、往復1000km走行したとき、ヒューズ交換をした復路の燃費が約1.5km/L向上した。
クルマの性能とは直接関係ないが、オーディオの音質が明らかに向上。音楽の繊細なニュアンスも聞き取ることができるようになった。 また、『EXC-HG-FUSE』に交換したミニバンでは、パワー式スライドドアの反応(ドアノブを引いてから動き出すまで)のレスポンスが向上したり、その動き自体もスムーズになったそうだ。
ちなみに、『EXC-HG-FUSE』は、最近のクルマでポピュラーに使用されている低背ヒューズ、ミニヒューズ、ATOヒューズをラインアップする。
価格(すべて税込)はアンペア数に関係なく、 低背ヒューズ\972 ミニヒューズ\1,188 ATOヒューズ\1,296となっている。
一般的なヒューズに比べると『EXC-HG-FUSE』は高価ではある。だが、まず使用するヒューズは自動車メーカーの純正品と同じハイクオリティタイプの銀メッキ処理タイプ。 意外かもしれないが、安価なヒューズは金属面の表面処理がいい加減で、すでにその段階で電気の導通ロスが生じているのだ。また、金属部はプラスチックで覆われている部分が細くなっているなど、コストダウンされている部位が多々ある。
自動車にとって「たかが電気」のようだが「されど電気」。電子制御されている部分が多い、昨今のクルマでは『EXC-HG-FUSE』に交換することで、その効果をより感じることができるはずだ。 今回は、ヒューズの全交換を行ったが、必要とする部位だけ交換してみればコストを抑えることも可能だ。例えばエンジン系だけとか、オーディオ系だけとか、それぞれの交換で『EXC-HG-FUSE』の効果を納得してから、他も追って交換すれば良いかもしれない。
『EXC-HG-FUSE』のサウンドクオリティーアイ TEL072-753-7866 http://www.sqi.jp
取材協力:HELP https://www.facebook.com/Help–290294771000474/?fref=ts
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