こんにちは。バイクタレントの岸田彩美です。2022年11月8日から13日の計6日間に渡り、イタリア・ミラノにある展示会場FIERA MILANOで開催された世界最大のバイク国際見本市「EICMA(エイクマ)」に今年も初日のプレスデーからフル参戦させていただきました。
EICMA事務局の報告によると、前年比で+38%の入場者数だったそうです。私としては昨年と来場者数は同じくらいかな? という体感。なぜなら入場ゲート時の手荷物検査での大渋滞は解消され、比較的スムーズに会場入場が出来たことや会場の混雑具合もさほど変わらない印象でしたから。
ホンダ「CB4X」発表 CBR650Rのエンジンを搭載した斬新なコンセプトモデル
入場者数増加を見込んで、対策を行ったのかと思いましたが、昨年と大きく変わる点がありました。それは入場時にワクチンパスポートの証明書、または陰性証明書の提示が不要になったことです。
ヤマハのブースでは、立ち入る時は必ず手を消毒して入る必要があったので、ブースに入るための長蛇の列が出来ていましたが、その他のメーカーに関しては今年はコロナ対策はほぼゼロ。ヨーロッパでのパンデミックは終了した雰囲気が漂っていました。会場は室内ですが、マスク着用者を数えるのが簡単なくらいの着用率で、個人が考えて着用するしないを決めるそうですが、私は仕事もあるし、かかりたくない一心でずっと着用していました。コロナ禍前の日常に戻った背景もあって、入場者数が昨年より増加したのでしょう。
なお11月8日・9日の二日間は出展企業のメーカーによるプレスカンファレンスが行われたのですが、1メーカー約20分刻みで組まれています。全部のプレスカンファレンスを見る事は難しいですが、ブース間を走って移動したこともありました(笑)。
今年は6つの展示会ホール、そして野外会場も含め全て見て回ることが出来ました。足の裏が痛くなるくらい毎日歩き、帰りは膝がガクガクになってしまったのもいい思い出です。
私個人的主観で面白いと思った車両をいくつかピックアップしてお伝えしていきます!まずは国内メーカーのプレスカンファレンスの様子と共にご紹介です。
■カワサキ
プレスカンファレンスでは、プロトタイプのEV車両 ネイキッドタイプ(Z) とフルカウルタイプ(Ninja)、そしてHEVハイブリッドモデルを発表しました。
ゲストとして元F1ドライバーであるキミ・ライコネンさんが登場しましたが、カワサキとどう関係があるのか調べたところ今季2022年FIMモトクロス世界選手権の最高峰クラスであるMXGPにファクトリー参戦していたカワサキ・レーシングチームの代表だったからなのですね。
今年の話題の映画であり、2022年最高の興行収益を上げたと言われる(約1350億円)トム・クルーズ主演の映画“トップガン・マーヴェリック” で使用された200馬力を超える「Ninja H2 Carbon」、1986年に公開された“トップガン”に使用されたマシン「GPZ900R Ninja」の復元車両が展示されていました。よく見るとタンクに傷やへこみなどの経年劣化の変化もあり、ペイントで再現されているようです。
また、展示車両の背景には意味深なメッセージが込められています。
「離陸の準備 この夏のヒット映画のように」
来年の東京モーターサイクルショー、もしくはEICMAで何か発表があるかもしれませんね。あまり気づかないような場所にメッセージを込めるあたりが粋な演出。全然関係がなかったらごめんなさいですが……続報を待ちましょう!!
■スズキ
プレスカンファレンスでは、Vストローム800DEと、GSX-8Sの2台のアンベールが行われました。昨年はMotoGPライダーとEWCライダーを起用したステージでしたが、今年をもってMotoGPとEWCから撤退したのでライダーの登壇はなし。
マシンやレーシンググッズの展示もありましたが、哀愁漂うといいますか……純粋に寂しいですね。
個人的にVストローム800DEが気になりました。プレスカンファレンスはじめ、ブース内でも黄色のカラーリングモデルが推されていましたが、私はグレーカラーが好きかな。ただし足つきが855mmなので身長160cmの私にとって乗車するにはあまり現実的ではありませんが、オプションでローダウンシートやローダウン仕様が発売されれば乗ってみたいです。
過去にVストローム250に乗車したことがありますが、足つきは問題なし、ロングツーリングをしても疲れない姿勢で気持ちよく走れました。しかし、坂道を上がる時に少々パワー不足を感じたので、Vストローム400(仮称)があってもいいな~なんて思ったりします(我がまま?)。とはいえ、ヨーロッパで販売されるアドベンチャーバイクは、大排気量でないと受け入れにくいのかもしれませんね。
■ホンダ
展示ブースとは別で、大きなホールを貸し切って行われたホンダのプレスカンファレンス。
今年もステージの上に次々とモデルさんが運転する新型車両が登場して発表するスタイルでした。この光景は日本では絶対に見る事が出来ないと思うので、EICMAならではの大好きな演出の一つです。
ホンダのイチオシバイクはスクランブラーモデルの「CL500」。レブルのエンジンを使用した新型車両です。
フロントフェンダーを変えてハンドガードを取り付けたカスタム車両が展示されていましたが、カラーリングは元気がでるオレンジ色で同じカスタムしたら絶対可愛いと思います。
ホンダブースを見て回っている時に、偶然、床に固定されていないCL500を発見! 車体の引き起こしと足つきチェックをしてみましたが、(皆さん跨っていたので良いはずです)見た目以上に足つきはツンツンです。スペック表によるとシート高は790mm ただし車重が192kgと軽いので恐怖心はありませんでした。
モータースポーツ参戦車両展示も豊富で、今年怪我から復帰をした私の推しメン選手であるマルク・マルケス選手の車両もありました。なんとMotoGPバレンシア戦終了後に持ち込まれて展示された一台だそうです。
■ヤマハ
残念ながら現地でのプレスカンファレンスはありませんでしたが、決まった時間に行われるショーを見る事ができました。男女4人で繰り広げられるダンスショーは、ライトセーバーのような棒を使ってパフォーマンスされており、最後はYAMAHAのYで締めくくり。伝えたいメッセージを理解できなかったものの、お客さんは盛り上がっていたので良し。
ブースには「NIKEN GT」や「TRACER 7 GT」などのニューモデルが展示される中で私が特に気になった車両は「XSR125」シリーズです。
現在はヨーロッパ国内限定の車両のようです。欧州の排出ガス規制であるユーロ5に適合しており、エンジンはMT-125と同様のものを搭載。
シートの形状から見る限り荷物の積載もしやすそうなので、ツーリング~通勤通学まで幅広く使えそうな一台です。「〇」を所々にあしらったデザインも好きなポイントです!
上位モデルとしてXSR125 Legacyの展示もありました。金色のリムにスポークホイールを採用しており、マフラーもアクラポビッチ装着と少々尖った印象を持ちつつもレトロで上質さを感じます。
昨年もEICMAで同じXSR125のカスタム車両が展示されていましたが、ロケットカウルをとりつけるとこれまたガラっと印象が変わりますよね。手の加え方次第で自分好みの車両に変身することができる、カスタムを楽しめるバイクの一つ。日本に導入されたら人気がでそうな予感がします。
※ ※ ※
以上私の日本メーカープレスカンファレンスと気になった車両レポートでした。その他の最新の車両については、バイクのニュースEICMA特集ページにまとめがありますので是非そちらをごらんくださいね。引き続きEICMAの記事は続きます! 最後までご覧いただきありがとうございました。
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