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まるで走りはスーパーサルーン! アストン マーティンDBX707へ試乗 タッチモニター獲得で誘引力UP

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まるで走りはスーパーサルーン! アストン マーティンDBX707へ試乗 タッチモニター獲得で誘引力UP

アストン マーティンへ利益を与えるDBX

グレートブリテン島中部、ゲイドンにあるアストン マーティン本社の敷地内を、警備員は自社のDBXで移動している。ホワイトのボディとシルバーのホイールが美しい、2020年式の大型SUVで。

【画像】まるで走りはスーパーサルーン! アストン マーティンDBX707 しのぎを削るスーパーSUVたち 全159枚

フェラーリのマラネロを守る警備員は、30万ポンド(約6000万円)以上するプロサングエで敷地内を移動しているのだろうか。ちょっと想像しにくい。

今回、筆者はアップデートを受けたDBX707へ試乗するため、ゲイドンを訪れた。派手なボディカラーの隣に、そのホワイトのDBXが停まっていたのだが、驚くほど控えめに見えた。相対的なものに過ぎないが、最初はそれだと気付かなかったほど。

2019年に登場したDBXは、快適性と操縦性を並外れた水準で両立し、ドライバーズカーと呼べるスーパーSUVへ仕上がっていた。その存在意義の核は、数を多く売るため。利益率の高い厳しい市場で競り勝ち、アストン マーティンへ利益を与えることにあった。

ベースのDBXが登場して数年後に、華々しくDBX707が登場した理由も同様だ。ダイエットとパワーアップ、派手なボディカラーとノイズ、GT3マシンのようなディフューザーを獲得し、市場における存在感を強化した。

ベントレー・ベンテイガやランボルギーニ・ウルス、フェラーリ・プロサングエを検討する人へ、こんな魅力的な1台がアストン マーティンにありますよ、と訴求するため。結果として圧倒的な支持を集め、ベースのDBXは生産が終了してしまったほど。

最新タッチモニター獲得 インテリアも更新

そして、アップデートが施された。今回のレシピの中心になったのはインテリア。ハイテクに強い関心がある中国では、最近になってDBX707の販売は下降気味だった。インフォテインメント・システムの刷新は、切実なものになっていた。

今やアストン マーティンの売り上げの半分以上を、DBX707が稼いでいる。最新のDB12やヴァンテージと同じ、タッチモニターへ対応したシステムを獲得したとしても、まったく不思議ではない。

メーターパネルには、12.3インチのモニターが収まる。トランスミッション・トンネルには、使い勝手を高めるコントローラーやボタンが並ぶ。握りやすいステアリングホイールには、タッチセンサー式のパネルが配される。この反応は、若干鈍かったが。

インターネット等の接続機能も大幅に改善。アップル・カープレイとアンドロイド・オートへ対応し、USB-Cポートも用意されている。週末にしか乗らないスーパーカーと異なり、裕福な人が日常的に乗る高級SUVにとっては、不可欠な装備といえる。

インテリア全体の質感もアップグレードされた。用いられる素材が新しくなり、ディティールの仕上げも更新され、贅沢な雰囲気で満ちている。

クラス最高といえる車内の開放感や、プロのバスケットボール選手も狭く感じないであろう、広々としたリアシート側の空間はそのまま。荷室も含めて、富裕層が普段使いで困ることはないはず。

走りは車高の低いスーパーサルーンのよう

運転体験では、後輪操舵システムが備わらないことが、唯一の弱点。公道では、車重が2245kgもある背の高いSUVへ想像するであろう印象を、いい意味で裏切り続ける。まるで、車高の低いスーパーサルーンのように走ってみせる。

秀抜なロードマナーは維持しつつ、運転するエンターテインメント性もしっかり持ち合わせている。有能な技術者がいるブランドでなければ、達成は難しい。

メルセデスAMG由来の、4.0L V型8気筒ツインターボエンジンは基本的に変わらず、最高出力は707ps。とはいえ、天井知らずの動力性能を披露することも変わらず。電子制御のリミテッドスリップ・デフと、極太のピレリ・タイヤがしっかり路面へ展開する。

エアサスペンションとアクティブ・アンチロールバーなどの設定も、ほぼ変更はないそうだ。スポーツ+モードを選んで右足へ力を込めれば、息を呑むほど積極的ながら、荒々しさは皆無。安定した姿勢制御と漸進的な反応で、操る自信を鼓舞する。

コーナリングは、見事のヒトコト。SUVという括りを抜きにして、スピードに見合った興奮を得られる。

そして、圧巻なほど速い。V8エンジンを搭載するSUVの中には、正確に突き進む方向を
定めるのが難しいモデルもある。V12エンジンのプロサングエなら明確だが、10万ポンド(約2000万円)ほどお高い。

多能ぶりに感心しきり 誘引力は一層強化

GTモードを選べば、DBX707は滑らかなグランドツアラーに変化する。ロードノイズは、少し大きすぎるけれど。

ホイールサイズは、22インチか23インチを選べる。用意されたデザインも多彩。タイヤのサイドウォールを確保するため、筆者なら小ぶりな方を指定するだろう。

高性能なSUVへ否定的な人でも、DBX707の多能ぶりには感心せずにいられないはず。当初から関心を抱いていた人へは、クラス最高の洗練度ではないとしても、最新のインフォテインメント・システムの獲得によって、誘引力が一層強まったに違いない。

素晴らしいパッケージングへ、不要な手は加えられていない。高速で快適で、地の果てまで走り続けられる。不審者へ目を光らせる警備員が乗るクルマとしても、間違いない選択といえるようだ。

アストン マーティンDBX707(英国仕様)のスペック

英国価格:20万5000ポンド(約4100万円)
全長:5039mm
全幅:1998mm
全高:1680mm
最高速度:310km/h
0-100km/h加速:3.3秒
燃費:7.0km/L
CO2排出量:−g/km
車両重量:2245kg
パワートレイン:V型8気筒3982cc ツイン・ターボチャージャー
使用燃料:ガソリン
最高出力:707ps/6000rpm
最大トルク:91.4kg-m/4500rpm
ギアボックス:9速オートマティック(四輪駆動)

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みんなのコメント

1件
  • 葛葉恭次
    欧州車やのに黄色いサル〜ん、って話ですか?
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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