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【津川哲夫のF1新車初見チェック】久しぶりに大胆に攻めたエアロ。ルノー組織体制変更でワークスの意地見せるか

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【津川哲夫のF1新車初見チェック】久しぶりに大胆に攻めたエアロ。ルノー組織体制変更でワークスの意地見せるか

 ルノーの新車RS20は久しぶりに大きく姿を変えることになった。ただし、姿、外装のエアロ面に限っての話だ。目立つのはノーズ、トレンディなナローノーズ。そして巨大なイカヒレフラップはメルセデスから発祥の今シーズンのトレンドだが、その前後長はイカヒレ採用チームのなかでも最長かもしれない。

 下面後部をNACAダクト(NACA:アメリカ航空諮問委員会)風の処理(三角形で上から見ると後ろに行くにつれて横幅が増える形状)で、ディフューザー化を計っている。これで床下エアロ、フロアポッドサイドエアロへの空気流を確保。車体は昨年からの進化型だが、このノーズ、ルノーエアロが時折送り出してくる若干過激なデザインだ。

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 RS20もRS19から受け継いだレーキ角の強いエアロコンセプトのマシン。フロント周りの大きな変更でこのレーキエアロ効率をどこまで上げるかが勝負どころとなる。特に大きなダウンフォースの安定性が求められているが、RS20のエアロ開発が果たしてこの欲求を満たせるかが注目どころだ。

 また、パフォーマンス自体としてはそれほどライバルに劣ることはなかったのだが、昨年はとにかく信頼性に苦しんだルノーPU。今シーズンのRE20パワーユニットはこの信頼性を確保できただろうか。特にERS(エネルギー・リカバリーシステム)の信頼性の確保は2021年以降も重要な技術になるだけに開発は欠かせない。

 今シーズンはワークスルノーの正念場で、カスタマーチーム・マクラーレンの後塵を浴びるわけにはいかない。現在、ルノーにとっての最大のライバルがマクラーレンなのだ。

 打倒マクラーレンに向けて今季は組織を大きく変更、ベテラン、パット・フライをTD(テクニカルディレクター)に招聘して、21年に向けてチームの再構築を計っている。

 今シーズンは現行レギュレーション最後の年、RS20はその集大成のはずだが、果たしてマクラーレンを下してトップ4の位置に食い入ることができるか……ワークスルノーのRS20への期待は大きい。


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