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ランドローバー・レンジローバー vs キア・ソレント 上昇続く高級感と洗練度 新車か中古車か?(3)

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ランドローバー・レンジローバー vs キア・ソレント 上昇続く高級感と洗練度 新車か中古車か?(3)

プレミアム化に努める自動車ブランド

周囲との差別化を図り、より多くの利益を得るため、ほぼすべての自動車メーカーは「プレミアム化」という手段を選んでいる。スタイリッシュなボディに、上質で華やかなインテリアを組み合わせ、従来よりイイクルマだというイメージを醸し出している。

【画像】上昇続く高級感と洗練度 ランドローバー・レンジローバー vs キア・ソレント 最新EV9も 全125枚

そんな戦略で、巧みに成功を掴んでいるのが韓国のキアだ。訴求力の高いブランドとして欧州では躍進を続け、大型SUVの洗練度は確かに優れる。同クラスのライバルとして、BMWやアウディを持ってきても、過大評価だとはいえなくなったと思う。

ということは、ランドローバー・レンジローバーとも比較されることを意味するだろう。新車価格には、大幅な開きがあるとしても。

英国編集部が用意したグレーのソレントはプラグイン・ハイブリッドで、英国価格は5万5995ポンド(約1075万円)。だが、通常のハイブリッドなら4万2000ポンド(約806万円)を切る。

対するレンジローバーは、中古車なら価格はだいぶ落ちてくる。前世代となる、2013年から2021年に提供されていたL405型なら、英国では同等の予算内で複数の選択肢から選べる。

今回のシルバーのレンジローバーは、走行距離が12万kmを超えている。このブランドを得意とするディーラーが販売する車両で、英国価格はソレントの半額ほど。状態の良いオートバイオグラフィー仕様にあり、間違いなく魅力的な1台だ。

相変わらずラグジュアリーなインテリア

ソレントは最近マイナーチェンジを受け、見た目もリフレッシュした。路上での存在感は小さくない。カクカクした、キアEV9ほどのインパクトはないとしても。

L405型のレンジローバーは、穏やかに月日を過ごしてきたように映る。スタイリングは今でも上品で、アグレッシブさが横行する近年の自動車界にあって、ひときわ落ち着いた雰囲気を放っている。

インテリアも、相変わらずラグジュアリー。とても。このクルマには旧式なインフォテイメント・システムが備わるが、フェイスリフト後の2017年式以降を探せば、ピヴィプロという新システムが付いてくる。

シートは柔らかいレザー仕立て。ダッシュボードには、艶の深いウッドパネル。高級クラブにも劣らない。エグゼクティブ・パッケージが組まれ、2列目は独立したキャプテンシート。エアコンとオーディオの操作パネルの付いた、コンソールが中央に備わる。

ソレントのインテリアにも高級感は伴うものの、特別感では届かない。空間が広く、綺麗に荷室のフロア下へ折りたためる、3列目シートを備えるが。

洗練度で並ぶキア V8サウンドに魅了される

発進させてみると、運転のしやすさや洗練度で、2台には明確な差がないことへ驚かされた。転がり音や風切り音は最小限。プラグイン・ハイブリッドのソレントは、高負荷時のみにエンジン音を車内へ届ける。

この世代のレンジローバーにも、ハイブリッドは存在する。もし選択すれば、約50kmを電気だけで走行でき、充電状態では14.0km/L以上の燃費を得られる。他方、ソレントはディーゼルも選べるが、レンジローバーのようにV6やV8エンジンは用意されない。

今回のクルマのボンネット下には、5.0L V8スーパーチャージド・ユニットが収まっている。燃費が良いわけではないが、余裕のあるパワーで走りは安楽。V8らしいサウンドに、思わず魅了されてしまう。

エンジンの種類に関係なく、レンジローバーは快適で落ち着いている。ソレントが平穏を乱すような路面でも、ストロークの長いエアスプリングが巧みに衝撃を吸収し、路面から隔離してくれる。

姿勢制御も素晴らしく、郊外の空いた道を飛ばす時、レンジローバーが最高のSUVだということを実感させてくれる。かたや、ソレントのサスペンションは硬めで、姿勢制御がタイト。旋回時のボディロールは小さい。

英国流の上質さと幸福感へ浸りたい

と、ここまでは甲乙つけがたい2台だが、信頼性で開きが出てくる。古いレンジローバーの信頼性が高いとはいえないことは、AUTOCARの読者ならご存知だろう。メーターパネル内の警告灯が点くことは、珍しい出来事ではない。

ただし、新車のソレント並みの予算を準備するなら、しっかり整備を受けたランドローバーの認定中古車を選べる。比較的新しいレンジローバーへ、1年の保証を付けてくれる。キアの7年保証より短いものの、リスクを多少でも軽減することは間違いない。

冷静に考えれば、ソレントに劣る部分はない。レンジローバーの8・9割程度の性能や快適性を備えつつ、長期的な維持費は抑えられる。信頼性の心配も小さくて済む。

それでも、筆者が選ぶなら先代のレンジローバーだ。幸運を祈りながら、じっくり品定めすれば良い。唯一といえる、英国流の上質さと幸福感へ、浸りたいと考えてしまう。

レンジローバーとソレント 2台のスペック

キア・ソレント・プラグインハイブリッド 4(英国仕様)

英国価格:5万5995ポンド(約1075万円)
全長:4815mm
全幅:1900mm
全高:1700mm
最高速度:181km/h
0-100km/h加速:8.8秒
燃費:62.5km/L
CO2排出量:37g/km
車両重量:2105kg
パワートレイン:直列4気筒1598cc ターボチャージャー+電気モーター
使用燃料:ガソリン
最高出力:251ps/ 5500rpm(システム総合)
最大トルク:37.3kg-m/3500rpm(システム総合)
ギアボックス:6速デュアルクラッチ・オートマティック(四輪駆動)

ランドローバー・レンジローバー・オートバイオグラフィー(L405型/2013~2021年/英国仕様)

英国価格:10万ポンド(約1920万円)以下
全長:4999mm
全幅:1983mm
全高:1835mm
最高速度:225km/h
0-100km/h加速:5.1秒
燃費:7.2km/L
CO2排出量:333g/km
車両重量:2330kg
パワートレイン:V型8気筒4999cc スーパーチャージャー
使用燃料:ガソリン
最高出力:510ps/6000-6500rpm
最大トルク:63.3kg-m/2500-5500rpm
ギアボックス:8速オートマティック(四輪駆動)

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