往年の名作のかたちをした、21世紀のスーパーカー
100年前に鉄道車両の点検・修理に使われていた施設を改装した自動車エンスージアストの楽園「モーターワールド・ミュンヘン」において、2023年11月25日、RMサザビーズ欧州本社が開催した「Munich 2023」オークションでは、素晴らしい施設に相応しいクラシックカーやコレクターズカーが数多く出品された。今回はその中から、1966~69年にル・マン24時間レースで4連勝を果たした歴史的傑作「フォードGT40」のセルフカバーモデル、初代「フォードGT」のあらましと、オークション結果をご紹介することにしよう。
実走行150キロ! フォード「GT」のカーボン仕様は1億円オーバーで落札! なんとホイールもカーボンでした
伝説の名作レーシングカーの復刻版!フォードGTとは?
1963年以降のフォードは、フェラーリへの私怨にも近い対抗心が端緒となった有名な抗争によって、自社オリジナルの「GT40」を開発することになる。そして、英国のレーシングカー専業コンストラクター「ローラ」創業者のエリック・ブロードレイと共同開発されたこのル・マンのレジェンド的マシンは、誕生から60年の月日を経た今なお、北米の巨人フォードが果たした偉業のひとつとして、自動車史に刻み込まれている。
その不朽のレガシーを物語るように、あるいはフォードの創立100周年を記念して、フォードは2002年の「北米国際自動車(デトロイト)ショー」に向けてGT40を「リブート」することにした。
この復刻版GT40開発は、当時のフォード社内に設けられた「リビング・レジェンド」スタジオが担当。オリジナルのGT40に密接に関与した故キャロル・シェルビー氏も、開発アドバイザーとして招聘されたといわれている。
全長/全幅/全高はそれぞれ10cmほど大きかったものの、レース史に輝く成果を挙げた1960年代の名作「フォードGT40」のスタイリングを忠実に再現しつつモダナイズを施したボディは、超塑性成型のアルミニウム製。その下には、押し出し成型されたアルミニウムチューブラーフレームを中心に構成される。
また、インナーエンジンカバーはカーボンファイバー製、センターコンソールはマグネシウム合金製と、レーシングカー由来のエキゾティックな素材がふんだんに使われていた。
またメカニカルパートでは、5.4Lの排気量から558psを発生する4カムシャフト32バルブ+スーパーチャージャーつきV型8気筒ユニットという、当代最新のテクノロジーが盛り込まれていた。
フォードGTの組み立ては、当時のアメリカのレーシングカーやスーパーカーの分野で名を馳せていた「サリーン」社が協力。ショーデビュー当時は、フォードの100周年アヴァーサリーモデルとして1500台の限定生産を目指すと発表された。
ところが、とくにアメリカのエンスージアストにとっては格別の存在であるGT40が復活する!というインパクトは甚大だったようで、フォードには熱烈なオーダーが殺到。結局2006年までに、4038台がラインオフしたとのことである。
新車価格の約3倍という落札価格は、マーケットにおける人気の証
2002年のデトロイト・ショーにて、「フォードGT40コンセプト」の名でショーデビューしたフォードGTだが、当時「GT40」の商標権はフォードからGT40の生産設備を購入した「サフィア」社が有していたこと。あるいは元祖GT40の車名の由来である40インチ(約1メートル)の全高よりも4インチほど高くなってしまったこともあってか、「40」はネーミングから取り去られたという。
そして生産準備にも手まどり、2004年秋に「2005年モデル」として正式にデリバリーが開始されるに至った。
今回のRMサザビーズ「Munich 2023」オークションに出品されたフォードGTは、2005年生産の初年度生産車両。ヨーロッパで最初に納車された101台のうちの1台であるとともに、ミッドナイト・ブルー・メタリックにストライプが施された217台のうちの1台とのことである。また新車時にオプションとして純正指定されていた、BBS社製の鍛造アロイホイールも装着されている。
このフォードGTのオドメーターに刻まれる走行距離は、オークションの公式WEBカタログ作成時点でわずか7915マイル、つまり約1万2700kmに過ぎず、20年目にしてようやく慣らし運転が終わったくらいのローマイレージ車である。
RMサザビーズ欧州本社は、このフォードGTについて「2000年代半ばのハンサムで魅力的なGTは、ますます希少価値が高まっており、コレクターの垂涎の的となっている。このような保存状態の良い、走行距離の少ない個体を手に入れる機会を逃す手はない」とのアピールを添えて、オークションに臨んだ。
そして2023年11月25日にモーターワールド・ミュンヘンで行われた競売では37万2875ユーロ、日本円に換算すれば約5830万円でハンマーが落とされることになった。
ところで、2005年に正式デリバリーが始まった当時、フォードGTの初年度生産分は瞬く間に完売したとのこと。登録済みGTの希望小売価格13万9995ドルに10万ドルを上乗せして購入したオーナーも少なくなかったという。
つまり、この「Munich 2023」オークションにおける落札価格は、新車時の定価の約3倍。10万ドルのプレミアムを上乗せした、当時の実勢価格の2倍以上にも相当するものなのだが、実は現在の国際マーケットにおいては相場価格の範囲内にとどまっている。
今世紀初頭に愛好家たちを熱狂させたフォードGTフィーバーは、20年後の現在となっても収まるどころか、さらに盛り上がっているということなのであろう。
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みんなのコメント
意外と安く感じてしまう^^;