ヴェンチュリからフォーミュラEに参戦しているノーマン・ナトー。ルーキーながら随所で光る走りを魅せているが、motorsport.comの調べによるとシート喪失の危機に瀕しているようだ。ナトーの後任候補になっているのは、現アウディのルーカス・ディ・グラッシだという。
ナトーはフェリペ・マッサの後任として、ヴェンチュリのリザーブドライバーからレギュラードライバーに昇格した。彼は今季3度スーパーポールに進出するなど速さを見せているものの、なかなか結果を出せずランキング17番手(17ポイント)に沈んでいる。
■フォーミュラE、最終戦は”逆周り”! ダブルヘッダーのベルリンePrix概要を発表
チームメイトのエドアルド・モルタラがプエブラePrixで優勝し、74ポイントを稼いでランキング9番手につけている他、同じくルーキーのジェイク・デニス(BMW)がランキング4番手、ニック・キャシディ(ヴァージン)がランキング7番手にいることを考えると、ナトーの成績は物足りないと言えるだろう。
ヴェンチュリ・レーシングは現在、メルセデスとパワートレインのカスタマー契約を結んでいる。メルセデスはチームランキング2番手と競争力を発揮していることからも、ヴェンチュリのシートはドライバーにとって魅力的な選択肢となっている。
今週末にはシーズン最終戦となるベルリンePrixのダブルヘッダーを控えているが、ナトーのシートに関して、ドライバーの検討が進められているようだ。
ヴェンチュリ・レーシング代表のスージー・ウルフは、7月に開催されたロンドンePrixの際、来季以降のドライバーラインアップについて訊かれ、motorsport.comに次のように答えた。
「それはベルリンの後、かなり早い段階で決定しなければならないでしょう」
「今の状況は1台がかなり上位にいて、残念ながらもう1台はそうではないというものです」
ナトーは、第4戦ローマePrixを3番手でフィニッシュしたものの、エネルギーの使用超過で失格。第6戦バレンシアePrixでも3番手となったが、他車をスピンさせたとしてペナルティを受け、5位に降着となった。なお、この5位がこれまでのナトーのベストリザルトとなっている。
「ノーマンはルーキーにしては良い仕事をしたと思います」と、ウルフは付け加えた。
「ローマとバレンシアで表彰台に上ることができそうだったのですから、初年度にしては上出来だと思います」
「しかし私は、チームがチャンピオンシップを戦えるようにしなければいけません。そのためには、2台ともポイントを稼がなくてはいけません」
「当然ですが、シーズン終わりにはじっくりと腰を据えて、『最大限のポイントを獲得できるようなドライバーラインアップなのか』どうかを考えなくてはいけません」
「1台のマシンが上位にいても、もう1台が下位に沈んでいたら、チームチャンピオンシップを戦うのは非常に難しくなってしまいます」
ナトーの後任候補に挙がっているのは、2016-17年シーズンのフォーミュラE王者であるルーカス・ディ・グラッシだ。ディ・グラッシが所属しているアウディが今季限りでフォーミュラEから撤退することを決定したため、彼の来季は不透明なのだ。
アウディはチーム売却を期限までに完了できず。チームライセンスの管理権限がフォーミュラEに移ってしまった。アウディと組んでいたアプト・シェフラーは、フォーミュラEから直接エントリーライセンスを買い取ろうとしていたが、この計画は頓挫してしまったようだ。
ディ・グラッシは、2022年にグリッドに残る可能性を「90%以上だ」とmotorsport.comに語っている。
「僕の主な選択肢は、アプトに留まることだった。これは、アウディが撤退を決めた時から考えていたことだ」
「しかし他の選択肢を検討しなければならなくなった。選択肢は少し限られているが、ここ(フォーミュラE)に残る確率を言うなら、90%以上だと思う」
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