現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > アストンマーティンが新型SUV「DBX」で表現したエモーショナルでサステナブルなクルマ造り

ここから本文です

アストンマーティンが新型SUV「DBX」で表現したエモーショナルでサステナブルなクルマ造り

掲載 更新 1
アストンマーティンが新型SUV「DBX」で表現したエモーショナルでサステナブルなクルマ造り

 世の中に数多あるSUVの中でも「美しい」という言葉がとりわけ似合う一台、アストンマーティン「DBX」。華やかさと、どこか男性的なセクシーさを感じさせつつ品があるのが、英国車であるアストンマーティンらしい。大きく開くフロントグリル(「DBグリル」と呼ばれている)や最新のスポーツモデルである「ヴァンテージ」からインスピレーションを得たというフリップ付きテールゲート。アストンマーティンの伝統と“今”をこれまで以上に走行領域も実用域も拡げた1台のSUVで愉しみ味わうことができそうだ。

究極の走りを堪能できるフェラーリ「F8 スパイダー」の魅力と世界観

 今年、創業107年迎えた歴史を誇るアストンマーティンが昨年発表した、同ブランド初のSUV「DBX」がいよいよ日本に上陸した。近年は、ラグジュアリーカーブランドのベントレーやロールスロイス、ポルシェやランボルギーニ、マセラティなどもSUVをラインアップしている。美しさと華やかさ、そして優雅さを静的にも動的にも愉しめるのがアストンマーティンらしさ。そう形容して浮かんだのが同じ英国車のベントレーだが、大きな違いは感性を動的に刺激する“エモーショナル”な部分の質が違う。そんなふうに各ブランドには、明確な個性があり、それがSUVにも反映されており、今はSUVを選ぶのがますます楽しくなっている。

 さて、そんな中で数々のスポーツカーを輩出するアストンマーティンから登場したSUV「DBX」は、アストンマーティンらしさを随所で感じられるモデルとしてデビューした。が、今回はそれと同時に、最新かつ高度なパフォーマンスとそれを裏づける技術(軽量化やエンジニアリングなどのメカニズム)、ハイクオリティーなデザイン、そしてそれらが創り出す新しい空間を全身に纏った最新のアストンマーティンを体現している。

 全長5039mm×全幅1998mm×全高1680mmのボディーは、ポルシェ「カイエン」やベントレー「ベンテイガ」と同クラスで、AMG製の4L V8ツインターボエンジン(510PS/685Nm)+8ATが生み出す走りのパフォーマンスも十分すぎるほど高いレベルにある。だが、アストンマーティンにとって初めて採用された4WDは、オンロードからラフロードまで走行領域を広げる術が与えられている。その上で、街中や高速道路では乗り心地がよく、滑らかに走り、郊外のワインディングではしっかり曲がるコーナリング性能を見せてくれた。4WDがじゃまするどころか、FR(後輪駆動)ばかりをラインアップするアストンマーティンの走りを踏襲していると言っていいだろう。



 背の高いSUVモデルながら、スポーツカー開発で得た軽量かつ高剛性のボディーを最新のテクノロジーや鋼材によって実現している。新たに採用した48Vエレクトリック・アンチロールシステムや、エレクトリックダンパーとのセットアップ連携も、人知れずドライビングをサポートしてくれているものと容易に想像できる。電子デバイスによる走行パフォーマンスは、ドライバーが任意で選択できる「ドライブモード」でも変えられる。



 さらに静粛性も高められており、滑らかな乗り心地の双方を互いに効果的に高め、そこにドライブモードで〝エモさ〟を換えられるエキゾースト音の演出が、さらに効果的に活きている。1台のアストンマーティンの走りの質も、エモーショナルさも、ますます増幅されているのが「DBX」なのだ。

 懐と言えば、4人の大人が快適に移動できるモデルの登場も、アストンマーティンがSUVをラインアップに加えた意義は大きい。ルーフが後方に向かって傾斜しているルックスからは想像できない、ゆとりを頭上空間そして足元のスペースに“スタジアムシート(前席よりも配置が高い)”で保ち、ラゲージも犠牲にしていない。また、ボタン式のATセレクターが配されるセンターパネルの裏側には、人目につきにくい、大きめの収納スペースが新たに配置されるなど、2人乗りのスポーツカーが不得手としていた収納力にもこだわっている。



 実は今回、女性アドバイザリーボードや富裕層に関するカスタマークリニックの専門家の意見を参考にスイッチやダイヤル類、居心地の良さを追求したのだそうだ。そんな室内は素材の魅力とクラフトマンシップあふれるデザインが随所に散りばめられている。例えば、試乗車のダッシュボードやドアトリムには滑らかなレザーをつまみ上げており、ステッチで留った凝ったデザインが目を引く。高品質なハンドクラフトのレザー仕上げも魅力の一部であるアストンマーティンの進化形と受け取れる。



 ちなみに、ナチュラルエア・スピーカー・グリルのカバーにもレザーを初めて採用。さらに「DBX」には、前述のレザーと80%の天然ウールを組み合わせたインテリアが特筆ものなのだ。温かみのある生地は高級オーストラリア産ラムウール糸と合成繊維との混合で作られ、これがウールの含有量が高いという点で初の自動車用ファブリックでありウールマークリッチ・ブレンド認証を取得しているのだとか。

 ちなみに、環境に優しいだけでなく、耐久性も高く、自然の撥水性も備えているとのこと。その上、今回の試乗車では、木材もアクセントとして組み合わされシンプルさの中にも、デザイン性を感じるインテリアが印象的だった。また、天井のサンルーフには薄く仕上げられたアルカンターラのロールブラインドが採用されている。スルスル……と、静かに開閉する様子も新鮮かつ上質感がうかがえる1シーンだった。

 アストンマーティンと言えば、華やかでこの上なく高級な素材を用いて高品質な造り込みがされていながら、走る姿の迫力からはちょっと想像がつかないほど「見て!見て!」的な主張は極めて控えめ。何というか、クラフトマンシップやデザイン性の高い工芸品に触れニンマリと目を細めるような感覚が室内全体から醸し出されている。そこで近年のモデルは女性からの支持率も高く「DBX」はますますその傾向を強めることになるだろう。

 ちなみにアストンマーティンでは、色や素材、ステッチなどをオーナーが選ぶことができるため、よりアグレッシブな仕様を作ることもできるが、上質さはあくまでも気品を保つ。「DBX」では新たな素材やデザインを採り入れたインテリアとともに、今までにない広々とした空間の中でスポーティーなドライビングやGT(グランドツーリング)のような快適な移動を叶えてくれそうだ。

■関連情報
https://www.astonmartin.com/ja/models/dbx

文/飯田裕子(モータージャーナリスト)

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

シビックタイプRのエンジンをフォーミュラカーに移植したってさ 鈴鹿サーキットでテストしたマシンの正体
シビックタイプRのエンジンをフォーミュラカーに移植したってさ 鈴鹿サーキットでテストしたマシンの正体
ベストカーWeb
悔しいトラブルでトップから脱落……速さはあるSPOON リジカラ CIVIC!! スーパー耐久第6戦はどうなった!?
悔しいトラブルでトップから脱落……速さはあるSPOON リジカラ CIVIC!! スーパー耐久第6戦はどうなった!?
ベストカーWeb
ポールから完勝の太田「記録に残らず歯がゆい気持ちがあった」。坪井「油断したら何かが起きる」【第8戦決勝会見】
ポールから完勝の太田「記録に残らず歯がゆい気持ちがあった」。坪井「油断したら何かが起きる」【第8戦決勝会見】
AUTOSPORT web
衝撃の300万円で登場? ちょうどいいEV=[ヒョンデ インスター]は今度こそ日本車キラーになれるのか!?
衝撃の300万円で登場? ちょうどいいEV=[ヒョンデ インスター]は今度こそ日本車キラーになれるのか!?
ベストカーWeb
好調の金曜から一転、想定外の『1.3秒』とペースに苦戦。山本尚貴、ラスト1戦は「諦めないベストの走りをしたい」
好調の金曜から一転、想定外の『1.3秒』とペースに苦戦。山本尚貴、ラスト1戦は「諦めないベストの走りをしたい」
AUTOSPORT web
Jujuと可夢偉が2度の本気バトル。接触スレスレでレース後も白熱「“激”幅寄せをされた」「ちょっとどうなの?」
Jujuと可夢偉が2度の本気バトル。接触スレスレでレース後も白熱「“激”幅寄せをされた」「ちょっとどうなの?」
AUTOSPORT web
ポルシェ・タイカン 詳細データテスト 952psへ強化 進化したバッテリー 快適なアクティブサス
ポルシェ・タイカン 詳細データテスト 952psへ強化 進化したバッテリー 快適なアクティブサス
AUTOCAR JAPAN
全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権第16戦鈴鹿は野中誠太が僅差で荒尾創大を下し今季4勝目
全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権第16戦鈴鹿は野中誠太が僅差で荒尾創大を下し今季4勝目
AUTOSPORT web
20歳女子がスズキ「キャリィ」でデイラリー初参加! コ・ドライバーの父親と一緒に、奈落の底の絶望から奥の深いラリーを楽しみました
20歳女子がスズキ「キャリィ」でデイラリー初参加! コ・ドライバーの父親と一緒に、奈落の底の絶望から奥の深いラリーを楽しみました
Auto Messe Web
運命を分けた赤旗後の3分間とタイトル脱落。食い違う野尻智紀と太田格之進、決勝では異次元の速さ
運命を分けた赤旗後の3分間とタイトル脱落。食い違う野尻智紀と太田格之進、決勝では異次元の速さ
AUTOSPORT web
最新 BMW M5へ試乗 2024年へ再解釈されたスーパーサルーン! 727psのプラグインHV
最新 BMW M5へ試乗 2024年へ再解釈されたスーパーサルーン! 727psのプラグインHV
AUTOCAR JAPAN
波乱のレースでライバル圧倒、太田格之進が今季初優勝。王者争いは坪井翔と牧野任祐の一騎打ちに【第8戦決勝レポート】
波乱のレースでライバル圧倒、太田格之進が今季初優勝。王者争いは坪井翔と牧野任祐の一騎打ちに【第8戦決勝レポート】
AUTOSPORT web
2024年版 世界最高峰のハイパーカー 「速さ」の限界に挑む "夢" の超高性能車 10選
2024年版 世界最高峰のハイパーカー 「速さ」の限界に挑む "夢" の超高性能車 10選
AUTOCAR JAPAN
腐っていたフィアット「500L」をターボ化とボアアップでフルカスタム! 底突きするサスペンションを室内にセットした理由とは
腐っていたフィアット「500L」をターボ化とボアアップでフルカスタム! 底突きするサスペンションを室内にセットした理由とは
Auto Messe Web
悲願のスーパーフォーミュラ王座逃した牧野任祐、絶好調のチームメイトと対照的にまさかの苦戦。「何もできなかった」と悔しさあらわ
悲願のスーパーフォーミュラ王座逃した牧野任祐、絶好調のチームメイトと対照的にまさかの苦戦。「何もできなかった」と悔しさあらわ
motorsport.com 日本版
「濃厚」イタリアン マセラティ・キャラミ デ・トマソ・ロンシャン(1) 異なる個性の似た2台
「濃厚」イタリアン マセラティ・キャラミ デ・トマソ・ロンシャン(1) 異なる個性の似た2台
AUTOCAR JAPAN
ワイド&ローな存在感! マセラティ・キャラミ デ・トマソ・ロンシャン(2) エキゾチックさで誘惑
ワイド&ローな存在感! マセラティ・キャラミ デ・トマソ・ロンシャン(2) エキゾチックさで誘惑
AUTOCAR JAPAN
“最上級ジープ”の最新モデルが米国で登場! ジープ「グランドワゴニア」2025年モデルはどう変わった?
“最上級ジープ”の最新モデルが米国で登場! ジープ「グランドワゴニア」2025年モデルはどう変わった?
VAGUE

みんなのコメント

1件
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村