この記事をまとめると
■2016年に発売された限定モデル「メルセデス・ベンツ G550 4×4²」
なんちゃってヨンクだらけの今こそ乗りたい「悪路御用達」の男前国産SUV4選
■ノーマルのGクラスの車格だがG63AMG 6×6にも負けないくらいの存在感を放つ
■悪路走破性を追求した装備類はメルセデス・ベンツの本気度を感じさせるものだった
AMGでこそないもののエンジンもヤバイ!
やっぱりゲレンデしか勝たん。思わず若者の流行り言葉が口をついてしまうほど、ゲレンデヴァーゲンに対するメルセデス・ベンツの熱の入れようは半端ないですね。クルマそのものの性能や魅力に注力するのはもちろん、さまざまなメゾンとのコラボレーションや、パフォーマンスのアピールは普通のモデルの比ではありません。むろん、限定のスペシャルモデルも数多くリリースされ、いずれも世界中で秒殺の完売! なるほど、本質を極めたクルマというのは、普遍的に売れ続けるものだと改めて実感させられます。
ところで、ゲレンデの本質といえば悪路走破性を筆頭に挙げる方が少なくないかと。となると、最初に頭に浮かぶのは2014年にリリースされた6輪オフローダーG63AMG 6×6ではないでしょうか。フロント2輪、リヤ4輪というレイアウトは、トレーラーや作業車で見慣れたレイアウトながら、ゲレンデのボディに納めてみると異様な存在感や迫力を醸しだしたものです。
が、いかんせん延長されたボディの大きさから、使い勝手はもはやファンタジーの世界だったといっても過言ではないでしょう。自宅にトレーラークラスの駐車場って、なかなかのものですからね。
置き場所に困ったユーザー向け、というわけでもないでしょうが、2016年になるとメルセデス・ベンツは6×6の小型版とでもいうべきゲレンデ、G550 4×4²(フォー・バイ・フォースクエアード)をリリースしました。小型版というのは言葉の綾もいいところで、ノーマルのG550に比べ全高で270mm、全幅は240mmも拡大されたうえに、22インチホイールと325/55R22なんてビルの耐震ゴムみたいなタイヤサイズです。つまり、ノーマルゲレンデの横に並ぶと大人と子どもくらい違って見えるわけ。
搭載されるエンジンはAMG GT やAMG C63にも搭載される最高出力310kW/421馬力の4リッターV8ツインターボを「AMGじゃないから」いくらかデチューン(AMG GT Sは375kW/510馬力、AMG GTでは340kW/462馬力)しています。6×6こそAMGブランドを名乗りましたが、G550 4×4²はいくらかなりとも日常性を持たせた結果、メルセデス・ベンツを名乗っているのだと思われます。いずれにしろ、ジャンジャンバリバリかっ飛ぶことは言うまでもないでしょう。
なんと渡河深度は1m!!
さて、全高アップと同時に、最低地上高も当然ながら上がっていて、460mmとノーマルの235mmから倍増! すなわち、アプローチ/デパーチャーアングルが51.6度/43.8度というもはやウニモグにほど近いもの。ちなみに、ホイールベースが短い分、6×6よりもこのスペックは上まわっています。そして、渡河深度はなんと1000mmを誇り、ちょっとした水陸両用車と呼んでも差し支えないでしょう。なんちゃってシュノーケルをつけてるクロカン車が蒼ざめる性能ではありますね。
こうしたスペックに貢献しているのが、6×6でも採用されたポータルアクスルと呼ばれるリダクションハブを用いたシステム。これによって、デフやドライブシャフトは高い位置に置きながら、タイヤだけ下げたポジションが作れるのです。むろん、6×6同様に各輪2本のダンパーが備えられ、うち1本はアクティブダンパーを採用。普段使いの乗り心地にも貢献しているのです。
実車はその迫力に目を奪われがちですが、拡幅されたオーバーフェンダーはすべてカーボン製で、リヤバンパーとは別に装備されたプロテクトバー、アンダーガードなど見る人が見れば「メルセデスベンツの本気度」がひしひしと伝わってくる出来栄え。
ただし、全高が上がったぶんだけ乗り降りはハシゴなしでは辛いほどだそうです。とりわけ、カッコつけて飛び降りたりすると、年寄りなんかは骨にヒビが入りかねない高さです(笑)。それでも、6×6に比べて実用性は格段にアップしていると言わざるを得ません。
普段使いはもちろん、山岳救助だって出かけられそうなG550 4×4²、すでに完売となって久しいモデルですが、見つけたら即買いをオススメ! あ、その際はカーボンのオーバーフェンダーが傷んでいないかチェックをお忘れなく。なにしろ、1枚で軽自動車1台分というお値段ですから。
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みんなのコメント
メガクルーザーばりの走破性能だと思う。
300km/h出る車より、基本的な走破性能に尖った車のほうが価値がる気がするなぁ。