アストンマーチンがトップ勢の”真の脅威”に。ルクレール＆フェルスタッペン、F1開幕戦での決勝ペースを警戒

　2023年シーズンのF1開幕戦バーレーンGPの予選でポールポジションを獲得したレッドブルのマックス・フェルスタッペンと、予選3番手タイムを記録したフェラーリのシャルル・ルクレールは、今季上位チームの一角として台頭してきたアストンマーチンの決勝でのレースペースを警戒している。

　今季からアストンマーチンへ移籍したフェルナンド・アロンソは、フリー走行2回目とフリー走行3回目で最速タイムを記録し、予選ではポールタイムから0.6秒差の5番手を確保。怪我から復帰したチームメイトのランス・ストロールは予選8番手と、アストンマーチンの実力はトップチームに肩を並べるモノだということが証明された。

　予選セッション終了後、アロンソは自身の予選ペースについて「良すぎるくらい」と語った一方で、アストンマーチンの持ち味である強いレースペースがあれば、グリッド2列目に並ぶフェラーリ勢を攻略して、表彰台を狙えるかもしれないとも考えていた。

　迎え撃つルクレールも、アストンマーチンが「おそらく予選で見せたモノよりも強いだろう」と予想しており、アロンソを抑え込むことは難しいとの考えを明かした。

「彼らはFP2で非常に有力なレースペースを示していた。やはりFP2で彼らがマシンに積んでいた燃料の量が分からないから、判断するのは非常に難しい」とルクレールは言う。

「でもレースでは強いと思う。予選で発揮したペースもかなり接近していたが、レースでも速いだろう」

　レッドブル勢が予選で見せつけたスピードはライバル勢の手が届きそうにないレベルではあるものの、ポールスタートを迎えるフェルスタッペンもアストンマーチン勢の脅威を警戒している。

「確実に、彼らにはかなりの競争力があるように見える」とフェルスタッペンは言う。

「今年だけでなく去年もそうだったと思う。そのマシンはそれほど素晴らしいモノでなかったけど、レースペースではライバル勢に比べて強かったと思う」

「彼らはその良いところを今年に引き継いでいると思うから、確実にレースではかなりの競争力があるだろう」

　アストンマーチンがレースペースとタイヤマネジメントの面で優れていた一方で、フェラーリは2022年シーズンを通してタイヤのデグラデーション（性能劣化）に悩まされた。

　バーレーンGPの決勝レースを4番グリッドから迎えるフェラーリのカルロス・サインツJr.は、アロンソが「フェラーリと同等かそれ以下のデグラデーション」でレースを走ると予想している。

「僕らが予選で彼らを打ち負かしたのは事実だが、決勝では彼らが僕らと同等かそれ以下のデグラデーションになると予想される。厳しい日曜日になるだろう」とサインツJr.は言う。

「でも僕はいつも勝てると思ってレースには望んでいる。（アロンソとの）戦い方は分かっているけど、彼があそこにいるのは楽しいことだ」

　プレシーズンテストからパドックで持ち切りとなっていたアストンマーチンの実力。予選を終えて彼らのペースに驚きはあったかと訊かれたサインツJr.は次のように答えた。

「僕らは知っていた。正直なところ、分かっていたんだ」

「現代のF1にGPSデータがあることは秘密でもなんでもないし、みんながどうマシンを走らせているのかを隠すことはできない」

「彼らが速くなることは分かっていたんだ」