低ダウンフォースを選んだマクラーレン、予選ではレッドブルの後塵拝すも決勝に自信。ノリス「でも彼らは手札を見せていないかも……」｜F1ベルギーGP予選

　F1ベルギーGPの予選をマクラーレン勢は、ランド・ノリスが5番手、オスカー・ピアストリが6番手で終えた。予選トップタイムをマークしたレッドブルのマックス・フェルスタッペンがパワーユニット交換のペナルティにより10グリッド降格となるため、マクラーレン勢は4番＆5番グリッドからスタートすることになる。

　この予選順位は、ここ数戦充実著しいマクラーレンとしては低調にも見える。しかし彼らとしては、決勝を見据えた低ダウンフォース仕様の空力セッティングにしたためであり、巻き返せると自信を見せる。

　ハンガリーGPでは、決勝レースで圧倒的な強さを見せ、1-2フィニッシュを達成したマクラーレン。勢いそのままに、ベルギーGPの初日には力強い走りを見せた。しかしながらウエットコンディションとなり、インターミディエイトタイヤを履くことになった予選では苦戦を強いられた。

　結局ノリスが5番手、ピアストリが6番手。しかしチーム代表のアンドレア・ステラは、予選の雨に備えてダウンフォースを過剰に増やしてしまうと、決勝でのパフォーマンスを損なう可能性があったと指摘。ドライになると予想される決勝では、その判断がドライバーたちを後押しすることになるだろうと語った。

「明日戦うためには、最高速度が重要だと分かっている。そのため、今日のコンディションに合わせてセットアップを妥協したくなかった」

　ステラ代表はSky Sport F1のインタビューにそう語った。

「明日は適切なコンディションで、最も適当なマシンを手にしたかった。だから、予選では多少の犠牲を払う覚悟はできていた」

「現時点では、すべての天気予報がドライになることを予想している。そのため、土曜日に素晴らしい結果を出すことができたとしても、日曜日にそれを活かせないという状況にはしたくなかったんだ」

　ステラ代表は、日曜日の決勝レースで優勝する可能性が十分にあると感じているようだ。

「実はここは最もオーバーテイクしやすいサーキットなんだ。タイヤの挙動がレースの主役となるから、スタート位置は支配的な要素ではないと思う」

　そうステラ代表は言う。

「レースの最後まで生き残り、タイヤのマネジメントをうまく行ない、最高速度という点でマシンのポテンシャルを活かすことが重要だ。これらの要素をすべて組み合わせることができれば、良い日曜日になるだろう」

　しかしノリスは、レッドブル勢はドライコンディションでも速そうに見えたため、2番グリッドからスタートする予定のセルジオ・ペレスを抜くのは難しく、しかもグリッド降格を受けるフェルスタッペンも追い上げてくるはずだと警戒している。

「レッドブルは週末を通して僕らよりも一歩上だった。昨日は僕らの方がちょっと速かったけどね」

　そうノリスは語った。

「レッドブルは全く手札を見せていないと思う。でも、僕らは見せてしまった」

「僕からすれば、常に一歩遅れていて、常に少し後手に回っていた。それでも5番手という予選結果には本当に驚き、満足している」

「明日は、レッドブルのペレスのような速いマシンを抜かなければいけない。今日はダウンフォースが少し少なかったので、少しだけ痛手を受けたかもしれない。明日は挽回できるといいけどね」