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雨のインテルラゴスが牙を剥く! ベアマン&コラピントは初のF1ウエットレースで洗礼。ハース小松礼雄代表は「これも経験」

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雨のインテルラゴスが牙を剥く! ベアマン&コラピントは初のF1ウエットレースで洗礼。ハース小松礼雄代表は「これも経験」

 時折、雨脚が強まりアクアプレーニング現象を引き起こしたF1サンパウロGPは、全ドライバーにとってサバイバルレースとなり、特に経験の浅いハースのオリバー・ベアマンやウイリアムズのフランコ・コラピントといったルーキー勢にとってはなおさらだった。

 グランプリ出走回数が10回未満のドライバーの中で、ウエットコンディションでのレース経験があったのはRBのリアム・ローソンのみ。彼もまたデビュー戦となった2023年オランダGPが雨のレースとなり苦戦を強いられた。

■逆転F1タイトル目指すフェラーリに冷や水。ウエットでの苦戦にドライバー困惑「ドライブするのが難しかった」

 サンパウロGPは、日曜日朝に順延後、再びウエットコンディションとなった予選から波乱含みの展開となり、多くのドライバーがクラッシュを喫した。ウイリアムズ勢とアストンマーティン勢は2台ともマシンを壊すこととなり、フェラーリのカルロス・サインツJr.もエス・ド・セナでマシンがウォールに吸い込まれていった。

 ルーキー勢に目を向けると、コラピントとベアマンがターン3でのクラッシュによってQ1敗退を果たす中、ローソンはQ3まで生き残り5番グリッドを獲得した。それでもチームメイトの角田裕毅には届かなかった。

 その後の69周の決勝レースもコンディションは変わらず雨。ベアマンは4周目に後方からコラピントに接触しスピンを喫した上、ペナルティを受けた。その後もベアマンの受難は続き、サインツJr.を追いかけていた36周目には360度スピンを喫してタイヤバリアに接触した。

 ローソンは26周目のターン1でマクラーレンのオスカー・ピアストリからの接触を受けてスピン。コラピントは雨脚が強まったことで出動したセーフティカーの先導中にクラッシュという結果に終わった。

 予選でのクラッシュによりアレクサンダー・アルボンが決勝を欠場したウイリアムズのコラピントを除き、ルーキーたちのペースは、それぞれのチームメイトよりも劣るモノだった。

「インターミディエイトタイヤに履き替えるためにピットインした。コース上は走行不可能な状態だったと思う。あの時点で走るべきじゃなかった。本当に残念だ」

 コラピントはレース後そう語った。

「ペースが15秒くらい落ちていて、インターミディエイトタイヤにも熱を入れようとしていた。僕らはタイヤの温度を上げ続けようとプッシュしたけど、ストレート手前に大きな川があって、勢いよくマシンのコントロールを失った。僕にできることはなかったよ」

 また9位フィニッシュとなったローソンも、コラピントと同じ運命をたどりかけたと語った。

「おそらく10回はクラッシュしかけたよ」とローソンは言う。

「かなり危なっかしかったけど、一番重要なのはコース上にとどまることで、幸いにもそれができた」

 一方、サンパウロGPで体調不良のケビン・マグヌッセンの代役を務めたベアマンは、自身が望んだレベルのパフォーマンスを発揮できなかったと振り返った。

「ベストを尽くし、ポイントを獲得するためには終始コース上にとどまる必要があった。残念なことに僕はそれができなかった」

 2025年にはハースからF1にフル参戦を果たす予定のベアマンはそう語った。

「ミスが多すぎた。厳しいコンディションであることは間違いないけど、今回はまだ十分ではなかった」

「でも、新しいことを学ぶには良い機会だと思う。ウエットコンディションでレースをするのはF1ではかなり珍しいことだから、その全てを最大限活用して、完走するのはとても良い経験になる」

「こういうコンディションでのレースは常に厳しい。間違いなく多くを学べたよ」

 ベアマンは特にインターミディエイトタイヤでの走行に苦しみ、高速コーナーでマシンが予測不能な挙動をしていたことで自信を失っていたようだ。

 ハースのチーム代表を務める小松礼雄は、雨のサンパウロGPがドライバーにとって厳しいモノになると認識していたとして、ベアマンのミスは経験不足が関係しているとしながらも、ハースのVF24が「このコンディションではベストなマシンではない」と語り、度重なるフロントロックアップの原因はマシン特性にあると説明した。

「もちろん、オリー(ベアマン)は今回ミスが多すぎました。それを最初に認めたのは彼でした」と小松代表は言う。

「レッドフラッグの後、彼には『色々なことが起こるから、君はコースにとどまっていなければならない』と伝えていました。しかし彼は『OK、実際ペースはある』と考えました。あまりに熱心かつハードに攻めすぎて、2度もコースオフしました」

「そこでセーフティカーが出動した時に、私は彼に『落ち着いて、問題はない。ただコース上にとどまれ。まだ31周もあって、沢山のことが起こり得る。チャンスを掴むためにとどまり続ける必要がある』と伝えました」

「その後、彼のドライビングは良くなりましたが、まだ一貫性がなく、自己ベストでセクターをまとめ上げることができませんでした。しかし繰り返しになりますが、これも経験です」

 そして小松代表は、ドライコンディションで行なわれたサンパウロGPのスプリント予選でベアマンがSQ3まで進出したのは「驚くべきこと」であり、その後ウエットコンディションで得た経験がベアマンにとってもチームにとっても“プライスレス”なモノだと付け加えた。

 ここ最近高まる若手への期待に対してサンパウロGPは控えめな結果だったが、当然のことだったとも言える。定義にもよるが、ウエットコンディションで表彰台を獲得した直近のルーキーは、フル参戦初年度の2008年イタリアGPで優勝したセバスチャン・ベッテルになる。

 同じ偉業を達成したルーキーを探すには、ルイス・ハミルトンがヘイキ・コバライネンを従えトップチェッカーを受けた2007年日本GPまで記録を遡る必要がある。

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