現在位置: carview! > ニュース > ニューモデル > 新興中国ブランドが欧州へ ヴォヤ・フリー・レンジエクステンダーへ試乗 シリーズ式HVで684ps

ここから本文です

新興中国ブランドが欧州へ ヴォヤ・フリー・レンジエクステンダーへ試乗 シリーズ式HVで684ps

掲載 3
新興中国ブランドが欧州へ ヴォヤ・フリー・レンジエクステンダーへ試乗 シリーズ式HVで684ps

設立2年目にして欧州市場へ参入

中国の純EV市場は、急速に成長を続けている。ヴォヤという名前が初耳だとしても、不思議ではない。東風汽車集団(ドンフェン・モータース)の上級ブランドで、設立から2年も経っていないが、2022年後半には欧州市場への参入を予定している。

【画像】ヴォヤ・フリー 欧州試乗へ上陸する中国ブランド クラス競合モデルとも比較  全138枚

ヴォヤとして初めての量産モデルが、今回試乗した中型SUVのフリーだ。今後数年間でエントリーモデルのほかに、フルサイズのMPVやサルーンまで車種を増やす計画を立てている。

フリーのライバルは、同じ中国のニオES6だけではない。メルセデス・ベンツEQCやGLC、BMW iX3やX3といった、欧州の強豪とも渡り合えるという自信をうかがわせている。

試乗車のフリーは駆動用モーターで走るが、レンジエクステンダーとして内燃エンジンも搭載している。そのためラジエターを覆うフロントグリルが付き、スタイリングは従来的なもの。駆動用バッテリーだけで走る、純EV版もある。

ボディサイズは、DセグメントのSUVとしては比較的大きく、GLCより全長は約240mm、ホイールベースが85mm長い。そのおかげで、車内空間にはゆとりがある。特にリアシートまわりに。

逆スラントのCピラーで個性を主張しているが、従来的なデザインはインテリアにも反映されている。試乗車の内装はクリームとブルーでコーディネートされ、ヨットのような贅沢な空気感が漂う。

充実の装備に上質なインテリア

ダッシュボードには12.3インチのモニターが3面並び、見た目はモダン。乗降時にダッシュボード自体が数センチ持ち上がり、乗降性を良くするという仕掛けも付いている。ボタン操作で下げることもできる。

コネクティビティに対応し、中国仕様の場合、中央と助手席側のモニターには走行中でもビデオ映像を映すことが可能。スマートフォンとの連携機能としては、ファーウェイ・ハイカーというサービスを実装。カラオケ機能も備わる。

フロントシート側は、ヒーターとベンチレーションが標準装備。上級グレードならマッサージ機能も付く。リアシート側には、いずれも装備できないようだ。

ほぼルーフ全面を覆う、巨大なサンルーフは電子的に遮光が可能。ディナウディオ社製のサウンドシステムを採用し、10スピーカーが組まれる。トップグレードのエクスクルーシブなら、エアサスペンションも装備され車高を110mm調整できる。

既に中国ではフリーの販売が始まっているが、97%のユーザーがトップグレードを選択したという。装備を見れば納得ではある。

内装は、エコテックス社製の合皮で仕立てられている。ボルボが用いる素材と基本的に同じで、カラーバリエーションはブラックとブルー、クリームとブラウンといった組み合わせもある。触感が柔らかく、上級感がある。

センターコンソール部分のアルミ・トリムも雰囲気が良い。スマートフォンのワイヤレス充電機能や、インフォテインメント用のタッチパッドもある。エアコンは、実際に押せるハードボタンでも操作が可能だ。

最高出力684ps、最大トルク106.0kg-m

先にも触れたが、フリーはバッテリーのみで走る純EVと、レンジエクステンダー付きのEV(シリーズ式ハイブリッド)とが選択できる。今回試乗したのは後者で、1.5L 4気筒ターボエンジンが、33kWの駆動用バッテリーの電気を補うという仕組み。

1度の満タンで走れる距離は、甘めの数字が出るNEDC値で最長859km。33kWの駆動用バッテリーだけでは、最長140kmが走れるという。ちなみに純EV版の航続距離は、最長で約480kmとのこと。

中国の一般道を走らせてみると、車内はとても静か。エンジン音もロードノイズも、良く遮断できていた。特にエンジンの静かさは、2重のフロントガラスが大きく貢献しているはず。

試乗車の場合、駆動用モーターが2基搭載され、合計での最高出力は684ps。最大トルクは106.0kg-mと頼もしく、0-100km/h加速を4.5秒でこなす。純EVのように、発進加速には唸らされる。

運転支援システムとしては、アダプティブ・クルーズコントロールとレーンキープ・アシストを実装。高速道路の運転も、リラックスしてこなせる。

エアサスペンションは、殆どの路面の不整を均してくれる。よほど傷んだ区間を通過しない限り、とても快適なクルーザーだ。

ステアリングホイールは驚くほど軽い。感触はゼロではなく、見た目以上に軽快に操れる。スポーツ・モード時はエアサスが車高を落とし、ステアリングホイールの感触も程よくタイトになる。

SUVらしく、オフロード前提のアドベンチャー・モードもある。車高が最も高くなり、走破性を担保する。

優れたシリーズ式HVで高い実力

ヴォヤ・フリーは衝突安全性も重視されており、中国版NCAPで最高得点を取得した。世界的に比較すると、BMW iX3に次ぐ点数となる。

レンジエクステンダー付きフリーの現地価格は、換算すると約4万ポンド(668万円)。価格を考えれば、訴求力のある内容といえる。

欧州のディーラーでの価格は更に高くなると考えられるが、充実装備とラグジュアリーなインテリア、優れたシリーズ式ハイブリッド・システムなど、このクラスのSUVでの実力は高いといえる。英国上陸の具体的な日程は、明らかになっていない。

ヴォヤ・フリー・レンジエクステンダー・エクスクルーシブ・デラックス(中国仕様)のスペック

中国価格:約4万ポンド(668万円)
全長:4905mm
全幅:1950mm
全高:1690mm
最高速度:199km/h
0-100km/h加速:4.5秒
航続距離:859km(NEDC値/レンジエクステンダー)
電費:−
CO2排出量:−
車両重量:−
パワートレイン:ツインモニター+直列4気筒1498ccターボチャージャー+80kWジェネレーター
駆動用バッテリー:33.0kWh
最高出力:684ps(ツインモニター)
最大トルク:106.0kg-m(ツインモニター)
ギアボックス:シングルスピード・オートマティック

こんな記事も読まれています

事故時の正確な場所を把握できる!GPSを搭載したネオトーキョーのミラー型ドライブレコーダー「ミラーカム3」
事故時の正確な場所を把握できる!GPSを搭載したネオトーキョーのミラー型ドライブレコーダー「ミラーカム3」
@DIME
まさかのMrs.GREEN APPLEが登場! 話題の新型車を語る!? どこが気に入った? ホンダ新型「フリード」の魅力とは
まさかのMrs.GREEN APPLEが登場! 話題の新型車を語る!? どこが気に入った? ホンダ新型「フリード」の魅力とは
くるまのニュース
[サウンドシステム設計論]高度な「パッシブシステム」を組んで1ランク上のサウンドを満喫!
[サウンドシステム設計論]高度な「パッシブシステム」を組んで1ランク上のサウンドを満喫!
レスポンス
【MotoGP】バニャイヤが直面する新たな課題……マルケス加入後のチームの手綱を握れるか? 「和を乱すな」と今からアピール
【MotoGP】バニャイヤが直面する新たな課題……マルケス加入後のチームの手綱を握れるか? 「和を乱すな」と今からアピール
motorsport.com 日本版
スペインGPで大失速のRB、オーストリアGPのFP1で2台のマシンで比較テスト実施へ。角田裕毅「明確な説明が得られればいいんですが……」
スペインGPで大失速のRB、オーストリアGPのFP1で2台のマシンで比較テスト実施へ。角田裕毅「明確な説明が得られればいいんですが……」
motorsport.com 日本版
ホンダ「新型ヴェゼル」登場! めちゃ精悍「“スポーティ”仕様」がカッコイイ! デザイン刷新の「フル無限カスタム」も設定
ホンダ「新型ヴェゼル」登場! めちゃ精悍「“スポーティ”仕様」がカッコイイ! デザイン刷新の「フル無限カスタム」も設定
くるまのニュース
VW新型「ゴルフR」世界初公開! 333馬力・最高時速270kmの最強ゴルフは「光るVWエンブレム」初採用
VW新型「ゴルフR」世界初公開! 333馬力・最高時速270kmの最強ゴルフは「光るVWエンブレム」初採用
VAGUE
マツダとヤマハ発動機、認証不正で出荷停止のロードスターRFなど 7月以降に順次生産再開へ
マツダとヤマハ発動機、認証不正で出荷停止のロードスターRFなど 7月以降に順次生産再開へ
日刊自動車新聞
VWゴルフGTIのセダン版『ジェッタGLI』に改良新型、228馬力ターボに6速MT…米国発表
VWゴルフGTIのセダン版『ジェッタGLI』に改良新型、228馬力ターボに6速MT…米国発表
レスポンス
【公式動画】アストンマーティン F1アロンソの熱望から誕生したQ By Aston Martinビスポークのヴァリアント・ヴェラールが新たな系譜に加わる
【公式動画】アストンマーティン F1アロンソの熱望から誕生したQ By Aston Martinビスポークのヴァリアント・ヴェラールが新たな系譜に加わる
Auto Prove
トヨタ「アルファード/ヴェルファイア/プリウス」オーナーに朗報! 純正ナビのテレビ視聴やナビ操作が便利になるTVキットが新登場
トヨタ「アルファード/ヴェルファイア/プリウス」オーナーに朗報! 純正ナビのテレビ視聴やナビ操作が便利になるTVキットが新登場
Auto Messe Web
3週間ぶりのMotoGP! オランダGPのFP1はバニャイヤがトップタイム。来季チームメイトのマルケス2番手続く
3週間ぶりのMotoGP! オランダGPのFP1はバニャイヤがトップタイム。来季チームメイトのマルケス2番手続く
motorsport.com 日本版
ブガッティの新たなハイパースポーツカー「トゥールビヨン」が登場。V16エンジン+3モーターで1800psを発生!
ブガッティの新たなハイパースポーツカー「トゥールビヨン」が登場。V16エンジン+3モーターで1800psを発生!
Webモーターマガジン
[15秒でわかる]BMW『M2』改良新型…小さな車体でも中身は狂暴
[15秒でわかる]BMW『M2』改良新型…小さな車体でも中身は狂暴
レスポンス
本州―四国「しまなみ海道」高速バス攻めの“特急化” 運行ルートがらり変更! 新幹線接続 JR松山駅は“廃止”
本州―四国「しまなみ海道」高速バス攻めの“特急化” 運行ルートがらり変更! 新幹線接続 JR松山駅は“廃止”
乗りものニュース
7年ぶり全面刷新! 新型「迫力顔SUV」初公開! 斬新グリル&直6エンジン搭載の「大きめ高級車」! 豪華内装の「X3」欧州で発表
7年ぶり全面刷新! 新型「迫力顔SUV」初公開! 斬新グリル&直6エンジン搭載の「大きめ高級車」! 豪華内装の「X3」欧州で発表
くるまのニュース
テオ・プルシェールがインディカーで残した爪痕。復帰への道筋と後任ノーラン・シーゲルの才能
テオ・プルシェールがインディカーで残した爪痕。復帰への道筋と後任ノーラン・シーゲルの才能
AUTOSPORT web
ゴルフにポロにルポにup!に……VWの「GTI」はやっぱり熱いぜ! 時代時代のクルマ好きを歓喜させた歴代モデルとエキサイティングなその中身
ゴルフにポロにルポにup!に……VWの「GTI」はやっぱり熱いぜ! 時代時代のクルマ好きを歓喜させた歴代モデルとエキサイティングなその中身
WEB CARTOP

みんなのコメント

3件
  • こんなのがどんどん出てくる。
    バッテリーがみんな横並びで同じようになれば
    価格競争で家電販売に近くなるのかな?
    デザインとブランドで選ぶみたいな。
    HVだけに力入れてたトヨタは厳しいな。
    商売の規模が大きいと今後の舵取りがしんどいよ。
  • 世界で1、2を争うぐらい販売してるトヨタでさえ
    量産車の最高出力は500未満なのに、ぽっと出のEVは軽く600超えかいな
    勢力図がすぐ変わりそう
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

862.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

428.0838.0万円

中古車を検索
iX3の車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

862.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

428.0838.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村