深刻なトラブルにもなり得る燃料の入れ間違い
クルマの燃料の入れ間違いが少なくない数、起こっているようです。誤給油に起因するJAF(日本自動車連盟)への救援件数は、2018年12月の1か月間において全国で390件に上ったというデータもあります。
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燃料を入れ間違えるとどうなるのでしょうか。それぞれのケースを見てみましょう。
●ハイオク車にレギュラー
ある自動車整備工場の代表によると、ハイオク車の場合、レギュラーガソリンでは十分に圧縮する前に爆発してしまうため、エンジン本来の性能を引き出せないといいます。何度も誤給油をするのはノッキングの原因になるほか、エンジン系統のセンサー類にも悪影響が及ぶ可能性があるといいます。
逆に、レギュラー車にハイオクを入れても問題はないとのこと。むしろ石油元売りによると、ハイオクガソリンにはエンジンの洗浄効果があるといいます。ガソリンスタンドで聞いたところ、レギュラー車にあえてハイオクを入れる人も「たまにいますよ」とのことでした。
●ガソリン車に軽油
過去のJAF調査で、油種間違いの半数近くを占めたこともあるのが、この「ガソリン車に軽油」を入れる事例。特に「軽自動車は軽油」と思い込んでいたドライバーが少なくないようです。
JAFによると、ガソリンに軽油が混ざると、エンジンの出力が下がり、加速も鈍く、アイドリングも不調に。100%軽油だけを入れた場合、黒い排気ガスが出るようになり、やがてエンジンが止まってしまうといいます。
「ディーゼル車にガソリン」はどうなる?
入れ間違いのパターンは他にもあります。
●ディーゼル車にガソリン(レギュラー/ハイオク)
JAFはまた、ディーゼル車にガソリンを入れるケースについてもWEBサイトで注意を呼び掛けています。この場合、「最初のうちエンジンはかかっていますが、すぐに力がなくなってきます。エンジン音は高くなって、アイドリングも不安定となり、排気ガスは白くなってきます。こうなると噴射ノズルや燃料ポンプの交換が必要になる場合があります」としています。
さらに、軽油とガソリンの混ざり具合で症状に差があり、エンジン始動が不可能になる場合もあるとのこと。エンジン始動前にすみやかに燃料を入れ替えれば大きな問題はないとしており、実際の救援でも、燃料を抜く作業を行うそうです。
では、なぜディーゼル車にガソリンを入れ間違えてしまうのでしょうか。ひとつには、「貨物車だからディーゼル」との思い込みがあるようです。
あるレンタカー事業者によると、トラックは軽油を使うディーゼル車がほとんどであるものの、レギュラーガソリンのクルマが増えている商用バンで、油種間違いが発生する傾向があるといいます。
もうひとつ、「輸入車だからハイオク」という思い込みもあるようです。欧州車を中心に近年、クリーンディーゼル車が増えており、見た目だけではわからないことから、ガソリンスタンドのスタッフが誤給油する事例が発生しているとして、JAIA(日本自動車輸入組合)が注意を呼び掛けています。
このため、レンタカー会社や輸入車メーカーなどは、給油口に適正油種を表示するといった対策をとっています。またJAIAは、「使用燃料を指定して(ガソリンスタンドのスタッフに)依頼しましょう」としています。
ちなみに、セルフスタンドの給油ノズルのカバーは、レギュラーは赤、ハイオクが黄、軽油が緑と決まっています。普段あまり乗らないクルマへ給油する際は特に、適正な油種とノズルの色を確認した方がよさそうです。
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