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【ぜんぶ分かる?】フォード傘下のブランド 24選 買収と売却、設立と閉鎖の歴史

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【ぜんぶ分かる?】フォード傘下のブランド 24選 買収と売却、設立と閉鎖の歴史

ブルーオーバルの拡大と縮小

1903年の創業以来、フォードは世界中でカーライフを提供してきた。北米以外の愛好家は、フォードが米国に本社を置いていることを知らない(かもしれない)ほどだ。

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フォードは、他メーカーを買収したり、世界中に子会社や合弁会社を設立したりして、成功を収めてきた。ライバルであるゼネラル・モーターズも、膨大な数のブランドを運営していることで有名だが、これから紹介するように、フォードは「ブルーオーバル」がすべてではない。

この記事では24の例を挙げているが、これだけでは完全には語れない。ヒュンダイやマツダのように、フォードが関与していても出資比率が50%未満の企業は含まれていない。

フォード・モーター・カンパニー

創業者ヘンリー・フォード(1863~1947)の名を冠したフォード・モーター・カンパニーは、1903年6月16日に設立され、同年に「モデルA」を発表した。

その5年後には、大ヒット商品となった「モデルT(T型フォード)」を発売した。以来、フォードはハッチバックからスーパーカーまで、考えられるほぼすべてのタイプのクルマを製造・販売してきた。

セダンも数多く存在したが、他メーカー同様にこのクラスを諦め、2020年に最後のフュージョン(写真)を製造した。

リンカーン

リンカーンは現在、フォードが北米で展開する唯一の独立ブランドだ。1917年にヘンリー・リーランド(1843~1932)が高級車メーカーとして設立したもので、彼はキャデラックも作っていた。

1922年にフォードがリンカーンを買収し、現在に至る。現在のラインナップは、クロスオーバーが3台とフルサイズの高級SUV、ナビゲーター(写真)がある。

マーキュリー

フォードはリンカーンを買収したものの、初期のゼネラル・モーターズほどには他メーカーを買収することはなかった。むしろ、独自の新ブランドを立ち上げることが多かった。マーキュリーは、第二次世界大戦が始まる直前に誕生した、非常に古いブランドである。

当初はフォードより上位、リンカーンの下位というミドルポジションに立っていたが、後にクーガーやボブキャットなど、フォード由来のモデルを多数生産した。2010年に閉鎖が発表された。

エドセル

フォードが廃止した米国ブランドの中で、最も短命だったのが、1958年から1960年までしか製造していなかったエドセルだ。

ヘンリー・フォードの一人息子エドセル・フォード(1893~1943年)にちなんで名付けられたエドセルは、主にGM傘下のポンティアックに対抗する低中価格帯のブランドであった。いくばくかのモデルを生産したが、当初はスタイリングに批判が集まり、すぐにトーンダウンした。

生まれたタイミングも最悪だった。エドセルが立ち上げられたのは、自動車販売台数が前年比31%減という深刻な不況の最中だった。フォードはこのプロジェクトに現在の貨幣価値で約20億ドル(約2200億円)を費やしたと言われているが、結果的に失敗の烙印を押されてしまった。

コンチネンタル

フォードは、1956年の新型高級クーペの発売に合わせて、コンチネンタル部門を設立した。しかし、コンチネンタルが独立ブランドとして存在したのは、ごく短い期間であった。

フォードはすぐに方針を変更し、コンチネンタルはそれまでと同様にリンカーンが生産するクルマの車名となった。

メルクール

メルクールもまた、設立から5年で閉鎖されたブランドだ。メルクールは、欧州で開発されたモデルをベースにした2台のクルマを展開していた。1台は、一部の市場で3代目グラナダとして知られていたスコーピオだ。

もう1台は、シエラXR4の改良型である。シエラの名前は、北米ではGMが権利を持っていたため(GMCのピックアップトラックに使われていた)、フォードは使うことができず、代わりにXR4Tiという名が与えられていた。

ドイツ製のため、ドイツマルク高騰のあおりを受け、米国のコンパクトカー市場で成功を収めるには価格が高くなりすぎた。

プレミア・オートモーティブ・グループ

プレミア・オートモーティブ・グループ(PAG)という名称は、単一のモデルに付けられることはなかった。当時フォードが保有していた5つの高級車メーカーを総称したものである。

このグループの中で唯一の米国ブランドであり、現在もフォードが所有しているのはリンカーン(写真は1998年のナビゲーター)だけである。その他のブランドは徐々に他社に売却され、1999年の設立から約10年後にPAGは消滅した。

他のブランドとは、アストン マーティン、ジャガー、ランドローバー、ボルボのことで、この4ブランドはこれから個別に説明する。

アストン マーティン

1913年に設立されたアストン マーティンは、1987年にフォードが名乗りを上げるまで、幾度かの金融危機やさまざまなオーナーの下、なんとか存続してきた。それまでよりもはるかに多額の資金を得て、フォードの技術を利用できるようになったアストン マーティンは、新たな安定期に入った。

1999年には、前述のプレミア・オートモーティブ・グループに組み込まれた。しかし、2007年にフォードがアストン マーティンを売却したことで、この関係は終わりを告げた。アストン マーティンを皮切りに、PAGは徐々に解体されていったのである。

ジャガー

フォードは、アストン マーティンを買収した直後にジャガーも買収し、往年のライバルである2社を傘下に収めた。フォードがプレミア・オートモーティブ・グループを設立した際に、ジャガーもその一員となった。

その2年後にはXタイプ(写真)を発売したが、フォード・モンデオと同じプラットフォームを使用しているという点で批判を集めた(今日ではあまり考えられないことだが)。2008年、ジャガーはインドの巨大企業タタ・グループの子会社であるタタ・モーターズに売却された。

ランドローバー

ランドローバー(元々はローバーのモデル名だったが、現在は独立した会社)は、1999年のPAG設立後にグループに加わった唯一のブランドである。

2000年にフォードがBMWからランドローバーを買収し、8年後にジャガーの譲渡を含む取引の一環としてタタに売却した。タタの所有下で、ジャガー・ランドローバーは1つの会社となった。両ブランドは現在も別々に販売されているが、プラットフォームをはじめとする多くの技術を共有している。

ローバーのブランド名は、ランドローバーを保護するために2006年にフォードがBMWから買い取り、2008年にタタに譲渡された。

ボルボ・カーズ

フォードは1999年にボルボの自動車部門を買収し、直ちにPAGに加えた。ボルボは、グループ内で最後に売却されたブランドだ。2010年からは中国のジーリー(吉利汽車)が所有している。

ミーティア

フォード・カナダは、デトロイトにあるフォード本社から300km以上離れた場所に拠点を置いているにもかかわらず、独自のサブブランドを作るのに十分な自治権を持っていた。

最も長く存続していたのはミーティアで、1949年から1976年まで、一度の休止を挟んで活動していた。ミーティアは常にフォード車をベースにしていたが、スタイリングの変更などが頻繁に行われていた。

モナーク

モナークは、ミーティアよりも3年早い1946年に設立され、1961年まで(これも一時休止あり)続いた。ブランドの位置づけはミーティアよりも高く、モデルはすべてマーキュリーだが、カナダ独自の車名とスタイリングが与えられていた。

フロンテナック

17世紀のニュー・フランス(ヌーベル・フランス)の総督にちなんで名付けられたフロンテナックは、フォード・カナダで最も短命なブランドだった。フォード・ファルコン(写真)に現地で手を加えた1車種のみで構成され、それなりの人気を博したが、1960年モデルのみの販売となった。

このフロンテナックと、1910年代にシボレー兄弟によって設立された会社との間には何の関係もない。

トローラー

南米のオフロードカーに詳しい人でなければ、トローラー(Troller)の名前を聞いてもピンとこないかもしれない。

1995年に独立して設立されたトローラーは、フォード・ブラジルに買収されてフォードブランドとなった。当時としては朗報だったが、ブラジル・フォードの閉鎖はトローラの終焉を意味する。

イギリス・フォード

フォードは、1903年の創業時から英国で販売されていた。1911年にフォード・モーター・カンパニー(イングランド)が設立され、1928年にはフォード・モーター・カンパニー・リミテッドに引き継がれた。ブリテッシュ・フォードやイギリス・フォードと呼ばれていた。

大西洋の両側で製造されたクルマが数年前から販売されていたが、英国産のモデルがラインナップの中心となった。アングリア、コルティナ、エスコートなどのモデルは、英国で最も人気のあるモデルとなった。

イギリス・フォードは、1967年に欧州フォードの傘下に入った。それ以前に導入された最後のモデルは、2代目コルティナ(写真)であった。

ドイツ・フォード

ドイツは、1927年の生産中止までモデルTを製造していた国の1つである。英国と同様に、ドイツの子会社も独自のモデルを生産するようになり、アイフェル、ケルン、ラインラントといった戦前のモデルから、戦後のタウヌス(写真)などがある。

イギリス・フォードと合併して欧州フォードになったとはいえ、現在では親会社の欧州地地域におけるほぼすべての事業は、このドイツが基盤となっている。

欧州フォード

イギリス・フォードとドイツ・フォードを中心とした欧州における事業は、1967年に欧州フォードとして統合された。以降は、英国とドイツの両支社がそれぞれ独自のラインナップを作るのではなく、共同でニューモデルを開発していくことになった。

欧州フォード発足後、最初に発売されたのは初代エスコート(写真)であった。

フォード・カナダ

フォード・カナダ(フォード・モーター・カンパニー・オブ・カナダ)は、1904年にフォードを現地で製造するために設立され、最終的にはグレートブリテン島とアイルランドを除く大英帝国全域でクルマを販売する権利を得た。

その結果、同社はオーストラリア、インド、ニュージーランド、南アフリカでの事業も担当することになった。現在も、クロスオーバー車のエッジ(写真)をはじめとするモデルや部品を製造している。

南米フォード

フォードは1911年にベネズエラ、1913年にアルゼンチン、1919年にブラジルでモデルT(写真)の販売を開始した。その後、この3か国で製造されるようになった。

アルゼンチンとブラジルの事業は自己完結型であった。ベネズエラで生産されたクルマは、ベネズエラとコロンビア、チリでも販売され、フォード・アンディーナと呼ばれる体制が作られた。

南米フォード(フォード・サウス・アメリカ)のクルマは一般的に、他の市場から持ち込んだモデルの現地版であったが、例外もあった。

オートラティーナ

フォード・ブラジルは1967年にウィリス・オーバーランドの現地法人を買収し、ルノー12をベースにした前輪駆動車の開発を継承した。翌年にはコーセル(写真は1970年型)として発売され、1977年には同名の別モデルが発売された。

後者の販売が1986年に終了した後、フォードとフォルクスワーゲン・ブラジルはオートラティーナ(Autolatina)という合弁会社を設立した。この合弁会社では、エスコートをベースにしたフォード・ヴェローナやフォルクスワーゲン・アポロなど、複数のモデルを生産していた。

オートラティーナは8年間存続したが、1995年に解散。さらに、2021年にフォード・ブラジルの閉鎖が発表された。

長安フォード

この合弁会社は、2012年に旧長安フォード・マツダが2つの組織に分割された際に設立された。

長安フォードでは、中国市場向けにおなじみのフォードやリンカーンのモデルを主に製造しているが、クロスオーバーのエヴォス(写真)はより中国に特化したモデルとなっている。

フォード・ソラーズ

フォードと自動車メーカーのソラーズによる合弁会社で、ロシアでフォードの乗用車とバンを製造するために設立された。乗用車部門の運営は2019年に終了。トランジット(写真)は現在、ソラーズで、いや、世界中で製造されている唯一のフォード車である。

フォード・オトサン

フォードとトルコのコングロマリットであるコチ・ホールディングとの関係は、実業家のヴェフビ・コチ(1901~1996)がアンカラのフォードディーラーになった1928年にさかのぼる。

両社の長年の合弁会社であるフォード・オトサンは、1960年にトルコでフォード・コンサルの製造を開始した。現在は主に小型商用車を生産しており、2019年にインターナショナル・トラック・オブ・ザ・イヤーに選ばれた、大型のFマックス(写真)もある。

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