F1にとって肝いりのイベントであるF1ラスベガスGPの走行が開始されたが、最初のフリー走行から予想外の事態に見舞われてしまった。
ラスベガス・ストリップを走る全開区間でマンホールの蓋の破損し、フェラーリのカルロス・サインツJr.やアルピーヌのエステバン・オコンがマシンに大きなダメージを受けたのだ。どうやら、マンホールの周囲を保護するコンクリート部分に問題があったようだ。
■マンホールの蓋が直撃しシャシー、フロア、PU、さらにはシートまで壊れたサインツJr.のマシン。フェラーリ代表も「受け入れがたい」と語気強める
サインツJr.はシャシー、フロア、パワーユニットに大きなダメージを負い、オコン車も、シャシー交換が必要なほどの衝撃を受けた。
走行開始から8分ほどで赤旗が掲示された後、6.2kmのストリートコースに点在する40以上のマンホールを作業員がチェックをする必要があったため、そのままセッションは打ち切りとなってしまった。
FP2の開始が延期され、セッションを延長する話し合いが行なわれる中、メルセデスのチーム代表であるトト・ウルフは、この事故がシリーズにとって恥であるという主張を否定した。
「これは恥でもなんでもない」
「木曜日の夜で、まだフリー走行が残っている。彼らはドレインカバーをチェックすることになるし、明日の朝にはもう誰もそのことを話題にしないだろう」
彼の主張を遮るように話をした記者に対し、ウルフは次のように言い返した。
「全く馬鹿げている。全てに新たな基準を設定するようなイベントを、あえて悪く言おうなんて、どうしてそんなことができるんだ?」
「マンホールの蓋が外れたことについて話しているが、これは以前にもあったことだ。何でもないことだ」
「このグランプリを立ち上げ、このスポーツをかつてないほど大きくした人たちを褒めてあげてほしい」
「リバティは素晴らしい仕事をしたし、FP1でマンホールのカバーが外れてしまったからといって、文句を言うべきじゃない」
「クルマが壊れてしまったのは本当に残念だ。FIAとサーキットの間で、このようなことが二度と起こらないようにするにはどうすればいいか、みんなが分析する必要がある」
「だがここで、木曜日の夜にスポーツの”恥”について話すのか? どちらにせよ、ヨーロッパ時間で動いている人たちは誰も見ていないよ……」
ウイリアムズのジェームス・ボウルズ代表は「ここ30分で何が起こったかよりも、土曜日にチェッカーフラッグが振られたときに何が起こったかで判断してほしい」と簡潔に付け加えた。
フェラーリのフレデリック・バスール代表は、マシンに大ダメージを受けてことに怒りをあらわにしながらも、ラスベガスはF1にとって”メガイベント”だと考えている。
「FP1の前から、このイベントはF1にとってメガだと確信していたし、今もそう思っている」
「ショーやエンターテインメントの面でも、この方向性を続けていかなければならない」
なお、FP2は現地時間17日の深夜2時30分(日本時間19時30分)からスタート。90分間の走行が実施される予定となっている。
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