始まりは「GB1000TT」スクープ
ホンダは、2022年3月19日に開幕する第38回 大阪モーターサイクルショーで新型ロードスポーツモデル「ホーク イレブン(HAWK 11)」市販予定車を世界初公開すると予告した。既報ではホンダが公開した唯一のティーザー画像をお届けしたが、今回は気が早いと言われるのを承知で、答え合わせに挑んでみたい。
●外部リンク:「Hondaモーターサイクルショー2022」特設サイト
アフリカツインの並列2気筒エンジンを多機種展開!
2015年秋の国際モーターショーでCRF1000Lアフリカツインが発表され、翌2016年に発売。搭載されたエンジンは、90度Vツインと同じ爆発間隔を持つ270度クランクの並列2気筒だった。このエンジンは、オートマチックトランスミッションの一種であるDCT(デュアルクラッチトランスミッション)を搭載したバージョンもあり、のちに1082cc化され、レブル1100やNT1100へと展開されることになる。
ヤングマシン本誌では、2018年6月号で「レブル1000」および「GB1000TT」の登場をスクープし、WEBヤングマシンには同年6月12日に掲載。この当時はまだ998ccのバージョンをベースとして考えていたが、いずれにしてもクルーザーのレブル1000は人気のレブル250/500の最上級版として、そしてGB1000TTはロケットカウルの本格カフェレーサースタイルを想定した。
レブル250/500は共通のフレームを採用していたが、さすがに1000ccエンジンの搭載は専用フレームが必要と予想し、実際に2021年に発売された1082cc並列2気筒搭載のレブル1100は、フレームも足まわりも独自の装備とされていた。
これに次いで登場したのはNT1100で、本誌で予想していたGB1000(のちにGB1100、ホーク1100)よりも早い2021年秋に正式発表。輸出仕様はマニュアルミッションも存在するが、日本ではDCT仕様のみのラインナップとなった。
さて、気になるホーク11(イレブン)だ。最初のスクープは上記のとおりGB1000TTとして2018年6月にお届けしたが、アフリカツインの1100化によってGB1100TTに。それからしばらく時間を置いて、再びスクープ記事をお届けしたのは2021年11月、この時点で予想した車名はホーク1100だった。
ホーク1100では、アフリカツイン系の並列2気筒を搭載するネオクラシック、かつネイキッドタイプを予想。GB350が大人気を博したこともあってGB1100のセンも捨てがたかったが、本誌情報網に引っかかったのは『ホーク』の名の復活だった。そして、実際の発表の輪郭が見えてきた時点で車名はホーク11に修正。それから間もなくして、ホンダがティーザー画像とともに車名を公開するに至ったわけだ。
ホンダの発表は言葉少なで、ホーク11は2022年3月19日に世界初公開する新型ロードスポーツモデル、かつ市販予定車ということだけだった。しかし、公開された写真を画像処理してみると、いくつかの特徴が明らかになった。
まず、エンジンはアフリカツイン系の並列2気筒で間違いないということ。写真に写り込んでいるのはシリンダーヘッドの一部のみだが、これはユニカムSOHCの1082ccパラレルツインと見た目が同じ。エンジンが剥き出しのレブル1100と比較するとわかりやすいだろう。シリンダー側面からヘッドカバーにかけての形状がそっくりだ。
ヘッドライトはCB1000Rと似ているように見えるが、少なくとも現行モデルとは少し違う。むしろマイナーチェンジ前のCB1000Rによく似ているだろうか。現行CB1000Rは軽くスラントしているのに対し、以前のCB1000Rは垂直配置されていて、ヒートシンク(?)のような補機もよく似ている。ライトの構成としてはLEDを上下2段に配置し、DRLと思われるU字型のリングが周囲に配置されている。
バックミラーの形状も面白い。配布素材ではよくわからないのだが、どうやらアッパーカウルの内側からステーが生えているような構造で、鏡面の位置はバーエンドミラーにも似る。ハーレーダビッドソンなどはグリップよりも下にミラーを配置することもあるが、ホンダとしてはおそらく初めでの試みではないか。これが標準仕様になるのか、それともオプション装着車なのかは、実際に正式発表されたとき明らかにはずだ。
配布素材ではフロントフォークもチラ見えしているが、これは明るく加工しても倒立か正立かわからなかった。車両のコンセプトからすれば、倒立フォークの採用が濃厚だろうが……。
ほかにも、まだわからないことはたくさんある。フレームは専用開発なのか、ホイールサイズは、キャストホイールかスポークホイールか、そしてデザインも全貌が見えているわけではない。
世界初公開までは、あと2週間と少し。ホンダからは先行特別映像の第2弾公開も予告されている。期待して待とう!
―― 左はマイナーチェンジ前のCB1000R(2018年末発売)で、右は2021年3月に発売された現行CB1000R。
―― ホーク11として公開された画像のヘッドライト部分。灯面が垂直配置な点や補機の形状から旧CB1000R系に見える。
―― 2021年春に発売されたレブル1100(DCT)のエンジン。ヘッドカバーからシリンダー側面の形状がそっくりだ。一部の段付き形状が異なるようにも見えるが……。
―― ホーク11のエンジンはヘッドカバー部分だけをチラ見せしている。燃料タンクはレブル1100/アフリカツイン/NT1100と異なる形状なので専用設計と見てよさそう。
―― アッパーカウルの内側からステーが生えているように見えるミラーは、ハンドルグリップよりも下に鏡面を配置。スクリーンまわりをスッキリ魅せる効果がありそうだ。 [写真タップで拡大]
参考:HONDA CRF1100L AFRICA TWIN/DCT/〈s〉/DCT〈s〉[2022 model]
主要諸元■全長2310《2330》 全幅960 全高1355《1395》 最低地上高210《250》 軸距1560《1575》 シート高810/830《850/870》(各mm) 車重229kg[240kg]■水冷4ストローク並列2気筒DOHC4バルブ 1082cc 102ps/7500rpm 10.7kg-m/6250rpm 変速機6段 燃料タンク容量18L■タイヤサイズF=90/90-21 R=150/70R18(前後ともチューブタイプ) ●価格:163万9000円[174万9000円] ●色:グランプリレッド ●発売日:2022年4月21日《2022年5月20日》 ※《 》内は〈s〉タイプ、[ ]内はDCT/〈s〉タイプの受注期間は1月13日~3月31日
―― HONDA CRF1100L AFRICA TWIN DCT[2022 model]●2022年4月21日発売
―― HONDA CRF1100L AFRICA TWIN DCT〈s〉[2022 model]●2022年5月20日発売
参考:HONDA REBEL 1100 / Dual Clutch Transmission(DCT)[2021 model]
【HONDA REBEL 1100 / Dual Clutch Transmission(DCT)[2021 model]】主要諸元■全長2240 全幅850[830] 全高1115 軸距1520 最低地上高120 シート高700(各mm) 車重223kg[233kg](装備)■水冷4ストローク並列2気筒SOHC4バルブ 1082cc 87ps/7000rpm 10.0kg-m/4750rpm 変速機常時噛合式6段[電子式6段] 燃料タンク容量13L■キャスター28°/トレール110mm ブレーキF=φ330mmディスク+4ポットキャリパー R=φ256mmディスク+1ポットキャリパー タイヤサイズF=130/70-18 R=180/65-16 ※[ ]内はDCT ●価格:MT=110万円/DCT=121万円 ●色:黒、赤 ●発売日:MT=2021年5月13日/DCT=2021年3月11日
―― HONDA REBEL 1100 Dual Clutch Transmission(DCT)[2021 model]ガンメタルブラックメタリック
―― HONDA REBEL 1100 / Dual Clutch Transmission(DCT)[2021 model]ボルドーレッドメタリック
参考:HONDA NT1100[2022 model]
主要諸元■全長2240 全幅865 全高1360-1525 軸距1535 最低地上高173 シート高820(各mm) 車重248kg(装備)■水冷4ストローク並列2気筒SOHC4バルブ 1082cc 102ps/7500rpm 10.6kg-m/6250rpm 変速機6段DCT 燃料タンク容量20L■キャスター26°30′/トレール108mm ブレーキF=φ310mmダブルディスク+4ポットキャリパー R=φ256mmディスク+1ポットキャリパー タイヤサイズF=120/70ZR17 R=180/55ZR17 ●価格:168万3000円 ●色:白、灰 ●発売日:2022年3月17日
―― HONDA NT1100[2022 model]パールグレアホワイト
―― HONDA NT1100[2022 model]マットイリジウムグレーメタリック
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