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「SUVでタイプRの魅力を再現」ってマジですか!? 来年春発売新型SUV ホンダZR-Vを峠で走らせたら激スゴだった

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「SUVでタイプRの魅力を再現」ってマジですか!? 来年春発売新型SUV ホンダZR-Vを峠で走らせたら激スゴだった

 2023年春に発売予定の新型SUV「ホンダZR-V」。

 独特なデザインのフロントフェイスが話題となったZR-Vは、分かりやすく言えば「シビックのSUV版」のような存在なのだが、そんな簡単な言葉では片づけられないくらい他にない魅力を持ち合わせているという。

「SUVでタイプRの魅力を再現」ってマジですか!? 来年春発売新型SUV ホンダZR-Vを峠で走らせたら激スゴだった

 そこで、和製ニュルブルクリンクと言われるほど難易度の高いコースとして有名な群サイ(群馬サイクルスポーツセンター)で走らせたZR-Vのインプレッションを自動車評論家の鈴木直也氏がお届け!!

●ホンダ ZR-Vのここがポイント
・シビックのプラットフォームを基本とするミッドサイスSUV
・SUVとしての基本性能は当然満足させながら、ドライバーが意のままに走らせられる操縦性を徹底的に追求
・直噴2Lエンジンを使ったe:HEVと、1.5Lターボを設定。両パワートレーンにFFと4WDをラインナップ

※本稿は2022年9月のものです
文/鈴木直也、写真/ベストカー編集部 ほか
初出:『ベストカー』2022年10月26日号

■ZR-Vは「異彩解放」がコンセプト

ホンダ ZR-V e:HEV Z(4WD)。カラーはホンダ新色のプレミアムクリスタルガーネットメタリック

 ついにフェラーリまでSUVに手を出した現在、いまや自動車のもっとも普遍的なカタチがSUVという時代。

 こうなると、SUV本来のテイストというのは俳句の「季語」みたいなもの。“車高高め”、“大径タイヤ”みたいなポイントを押さえておけば、あとはなんでもアリ。デザイナーにとっては面白い時代が来たんじゃないかと思う。

 で、ホンダが新しいZR-Vの「季語」として選んだのは、「異彩解放」というフレーズ。

 新車開発初期、ホンダはみんなでワイワイやってコンセプト煮詰める伝統があるんだけど、思わず二度見するくらいの異彩を放つスタリングと、神経に直結するスカッと爽快な走り。

 これを大事にして行こうという方向性が定まったんだそうだ。

 スタイリングについては、たしかに「オッ!」と思うインパクトがある。

 写真で見るより実車はひと回りマッシヴで、顔はファニーフェイスだけど身体はマッチョという感じ。

 その一方、プラットフォームは新型シビックと共通だから、インテリアの質感や居住性も上々。

 SUVというよりエステートワゴンっぽい乗車感覚があるなど、実用性や使い勝手も高水準にまとめられている。

■「タイプRイズム」をSUVに注入!?

四輪の設置性が高く、安心感のあるハンドリングを実現

 ボクが今回ZR-Vに試乗していちばん「へぇ!」と思ったのは、いまどきのSUVとしては珍しいほどのダイナミック性能に対する熱い思いだ。

 車高高めという「季語」が必要だから、SUVは操安やハンドリングではセダンに対して不利。こりゃもう物理限界なんだからしょうがない。

 しかし、チーフエンジニアの小野修一LPLはそれでも走りに対する思いが捨てきれず、これが「神経に直結する爽快な走り」という表現につながる。

 聞けば、小野さんはタイプR全盛の1990年代にホンダに入社した世代で、ZR-Vのプレゼンなのに当時のホンダスポーツのキレキレぶりについて語りだすともう止まらないタイプ。

 時代も車種も違うけれど、まるで脳からクルマまで神経が直結していたかのような当時のタイプRの魅力を再現したい、そんな思いを熱く語るのだ。

 ここに至って、「なんでSUVの試乗会を群サイでやるの?」という謎が解けたね。

 知ってる人は知ってると思うけど、群サイの周回路はタイトでアップダウンも厳しく、簡単に言うとヤバいコース。

 そこを猛者揃いの自動車ジャーナリストに自由に攻めさせるというこの企画自体に、造り手側としての自信がうかがえる。

■操安性はミッドサイズSUVで断トツベスト!!

e:HEVに搭載される2L直噴エンジンは、モーター走行時にも気持ちよく吹け上がり、有段ギアのようなステップ感が演出され、小気味よい運転のリズムが味わえる

 行数も残り少ないから結論を言うと、ZR-VはCセグSUVのなかで操安性についてはボクの中では文句なくベスト。

 とりわけ、どんな時でも上質な操舵感をキープするステアフィールのよさと、限界域近くでも安心感のあるフトコロの深いスムーズな過渡特性は、ジャンルを超えた一級品。

 この優れた資質はシビックでも共通で、もっと高く評価されてしかるべきと思う。

 その代償として、60km/h以下の低速域ではやや固めの乗り心地と評価されるだろうが、それがZR-Vというクルマのキャラ。

 乗り心地のバランスを取るためにこの個性を殺したら、それこそ本末転倒だと思う。

 バリエーションの中で、重厚で高いスタビリティを感じさせるのがe:HEVの4WD。軽快でシャシー性能のキレのよさを実感するのが1.5ターボCVT。

 個人的にもっとも走りが気に入ったのが、両モデルのいいとこ取りをした感のあるe:HEVのFFモデル。

 新しいホンダのZR-V、どのグレードを選んでも、それぞれ魅力のポイントが確立している点も気に入ったね。

■ホンダ ZR-V 価格&主要諸元

●ホンダ ZR-V 価格(編集部調べ)
・e:HEV X…329万8900円(FF)/351万8900円(4WD)
・e:HEV Z…389万9500円(FF)/411万9500円(4WD)
・ガソリン X…294万9100円(FF)/316万9100円(4WD)
・ガソリン Z…354万8600円(FF)/376万8600円(4WD)

●ホンダ ZR-V(e:HEV)主要諸元 *はガソリン1.5ターボ
・全長:4570mm
・全幅:1840mm
・全高:1620mm
・ホイールベース:2665mm
・最低地上高:190mm
・エンジン:直列4気筒DOHC、1993cc *直列4気筒DOHCターボ、1496cc
・最高出力:141ps(104kW)/6000rpm *178ps(131kW)/6000rpm)
・最大トルク:18.0kgm(182Nm)/4500rpm *24.5kgm(240Nm)/1700-4500rpm
・モーター出力:184ps(135kW)/5000-6000rpm *─
・モータートルク:32.1kgm(315Nm)/0-2000rpm *─
・サスペンション:ストラット/マルチリンク
・タイヤサイズ:225/55R18
※価格、車体サイズの数値は編集部調べによる

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みんなのコメント

35件
  • タイプRはEK9で終わってんだよ
  • タイプRまでの性能はいらんけど
    ハリボテCHRとは違ったしっかりした走りをするクルマに仕上げてくれたらいい
    試乗が楽しみ
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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