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角田裕毅、アップデート投入で「開幕3戦よりずっと速い!」予選で奇策敢行のアルファタウリもマネジメントに満足げ

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角田裕毅、アップデート投入で「開幕3戦よりずっと速い!」予選で奇策敢行のアルファタウリもマネジメントに満足げ

 F1屈指の長い全開区間を持つバクー市街地サーキットで行なわれるF1第4戦アゼルバイジャンGPの予選で、アルファタウリの角田裕毅はQ3へ進出して8番手を獲得。ここにはマシンに投入されたアップデートの効果が出ていると角田は考えている。

 アルファタウリの今季マシン『AT04』は当初の開発目標のいくつかを達成できず、2023年シーズン開幕3戦では空力効率の悪さから、直線パフォーマンスがライバルと比較して劣っていることが指摘されてきた。

■ルクレールがPPで逆襲の狼煙上げる。フェルスタッペン2番手……角田裕毅はQ3進出で8番手!|F1アゼルバイジャンGP予選

 バクーはセクター3がほぼ全開区間となるなど、今季のアルファタウリとしては鬼門となるというのが下馬評で、第3戦オーストラリアGP終了後に角田は「ウイングレスにするしかない」ほどだと嘆いていた。

 しかしチームもただ手をこまねいていた訳ではなく、低ダウンフォース仕様のリヤウイングをバクーで投入。中央部が厚いスプーン形状のメインプレーンに、翼端に向けて薄くなるフラップを組み合わせた。

 このアゼルバイジャンGPは、今季初のスプリント形式でのグランプリ開催。たった1時間のフリー走行のみで、日曜日の決勝グリッドを決める予選セッションに挑むこととなった。

 角田はQ1、Q2を勝ち上がり、Q3ではユーズドタイヤながらも8番手を獲得した。この結果に角田は、ここ数年でアルファタウリが好成績を収めていたサーキットでのアップデートが関係していると考えている。

「アルファタウリとして、ここ数年アゼルバイジャンは他と比べてもかなり適したサーキットだったと思います」と角田は言う。

「だから、ここ3戦よりも良いパフォーマンスは期待できました。しかもストレートスピードに重点を置いたアップデートも行ないました」

「低速コーナーではそれほど苦戦しないものの、メインストレートは間違いなく厳しくなると予想していました。それで、僕らはいくつかのアップデートを持ち込み、上手くいきました」

「全体としては、Q3に進出できるマシンを手にすることができたと思いますが、それでも厳しいです……でも、ここ3戦に比べれば、はるかに良いパフォーマンスだったと思います」

「ストレートはFP1の最初のメインストレートは本当に速くて、ここ3戦よりマシンがずっと速いと感じられました。だから、ストレートスピードが本当に速かったんです」

「間違いなく、僕らは一歩前進できましたよ」

 またタイヤのウォームアップも、この好結果に大きく影響していると角田は考えている。

 予選開始時点では40度近い路面温度だったものの、セッションが進むにつれて30度まで下がっていった。その影響か、予選ではスピンやクラッシュが続発。特にQ1では2度の赤旗が提示された。

「トリッキーなコースで、特にタイヤが厄介でした」と角田は振り返る。

「見ての通り、ほとんどのドライバーがブレーキングで苦労していました。特にセクター1ではフロントタイヤがまだ温まらず、充分に準備が整っていない状態でした。僕たちもできる限りタイヤを温めようとしましたが、なかなか上手く行きませんでした」

「だから、タイヤのウォームアップが重要だったんです」

 今回のアゼルバイジャンGPからスプリントのフォーマットにも変更が加わり、土曜日午前に実施されていたフリー走行2回目が廃止され、スプリントのグリッドを決める”スプリントシュートアウト”が導入された。これにより、スプリントが土曜日の独立したイベントとなった。

 スプリントシュートアウトでは、ノックアウト方式のSQ1、SQ2、SQ3それぞれのセッションの時間が短縮される他、使用可能なタイヤも指定されている。レギュレーションには『スプリントシュートアウトのSQ3では、ドライタイヤは1セットまで使用可能で、それはソフトスペックの新品でなければならない』と記載されている。

 ただ、この記述ではSQ3まで必ずしも新品のソフトタイヤを1セット残しておく必要はないのだ。

 アルファタウリはこの”抜け穴”を突いて、決勝グリッドを決める金曜日の予選時点で積極的にソフトタイヤを投入。角田はQ2までに全6セットのソフトタイヤを使い切って、Q3進出を掴み取った。

 この奇策についてアルファタウリのチーフレースエンジニアであるジョナサン・エドルスは、次のように説明している。

「新しい空力パーツをいくつか持ち込んだとはいえ、前戦から予想された競争力はQ3進出には程遠いモノだった」

「そのため、FP1では予選の準備に力を入れて、(スプリント)より多くのポイントが得られる決勝で可能な限り上位からスタートできるようトライした」

「両ドライバーとも、FP1ではソフトタイヤとミディアムタイヤの2セットを履いて走行した。ユウキは1セット目でウォールにヒットして、走行を中断せざるを得なかった。幸い、同じタイミングで赤旗が出たから、コースタイムを大きくロスすることはなかった。それでも、セッションの残り時間を考えると、後手に回ることにはなったがね」

「何度も赤旗が出たり、タイヤ(温度)の準備が難しかったりと、ユウキのプランもかなり流動的にならざるを得なかった。ユウキの貴重なフィードバックもあって、チームは状況を上手くコントロールしてQ3に進出することができたと思う」

「FP1で準備を行なったことで、Q3では新品タイヤを使うことができなかったが、ユウキはユーズドタイヤで素晴らしいラップを刻んで、日曜日の決勝レースで8番手グリッドを獲得した」

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