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長期テスト フォルクスワーゲン・ゴルフVII GTI(1) 3ドアで学ぶ「古典」

掲載 更新
長期テスト フォルクスワーゲン・ゴルフVII GTI(1) 3ドアで学ぶ「古典」

もくじ

ー ホットハッチの「古典学」
ー 「ピュア」の隠し味
ー 内装のポイント
ー テスト車について
ー 追加した装備一覧
ー テストの記録

VWポロR すでに実在 内部関係者が明かす

ホットハッチの「古典学」

3ドア、前輪駆動、マニュアル・ギアボックス。

この3点を満たすホットハッチの登場を以前見たのはいつのことだろうか? 可能性があるとしたら、それもまたフォルクスワーゲン・ゴルフGTIだったのではないか。

40年に渡って英国で販売され続けてきたこのクルマに、新型が登場した。正確には、マイナーチェンジだ。

改良点はGTIを全く新しいクルマにした訳ではないが、決して表面上だけの変更ではない。ゴルフVIIよりは良いがVIIIと呼ぶほどではなく、「Mk7.5」という呼称は非常に実態に合っている。

この0.5世代分の差はあらゆるところに現れている。そのうちのひとつは搭載される2.0ℓターボエンジンが220psから230psへと10ps増強されたことだ。

ニュルブルクリンクでのラップタイムを争っている300ps級の4WDホットハッチよりもはるかに懐の深い、毎日使えるホットハッチというところも気を惹く。

もちろん、フェイスリフト前のゴルフGTIにも軽量化やパワーアップを施したクラブスポーツSというモデルが販売されていた。これはフォルクスワーゲンによる「われわれはもちろんその気になればこんなホットハッチを作ることもできます。ただし、世界が求めているのはわれわれが40年間作り続けていたような万能ホットハッチでしょう」というメッセージでもあるのだ。

そして彼らが送り出したのがこのMk7.5だ。

「ピュア」の隠し味

われわれは今回、このゴルフGTIを1977年の発売当時のように純粋な仕様でテストしてみたいと考えた。

つまりは、5ドアでなく3ドアモデルに、6速マニュアル・ギアボックスとタータン柄のファブリックシートを選択するということだ。

今までと同様、ゴルフGTIはハイテクかつカスタマイズ性の高いクルマで、オプションを選んでいくとゴルフR以上に高価にすることも容易だけれど、先述の通り、わたしはこのクルマをできる限りピュアに仕立てたいと考えており、仕様決めにはさほどの時間を要しなかった。

最も大きな決断は、1360ポンド(20万円)のパフォーマンス・パックを選択しなかったことだ。もし選べば、多少の重量増と引き換えに245psのパワーと、より太いトルク、LSD、強力なブレーキなどが得られる。

以前に行ったテストによれば確かにこれには値段相応の価値があるが、今回は純粋さをより重視するため他のオプションに予算を使うことにした。例えば、830ポンド(12万2500円)のアダプティブ・ダンパー付きのダイナミック・シャシー・コントロールなどだ。

納車からの1週間の時点で、朝の冷気による窓の曇りをすぐに取り払ってくれる295ポンド(4万3000円)のクライメート・ウインドスクリーンが良い投資であったと判断できた。また、265ポンド(3万9000円)のリアビューカメラも、新デザインのリアバンパーや2本出しのマフラーを綺麗に保つためには有効だろう。

オニキス・ホワイト・プレミアムと呼ばれる気取った名前のこの塗装は990ポンド(14万6000円)の贅沢なオプションだ。また、18インチのアロイホイールは495ポンド(7万3000円)だ。

このカラーはわたしのお気に入りだが、ホイールの選択はこのクルマの外装における疑問点のひとつだ。18インチはこのクルマには少々小さすぎるような気もするが、より大きなホイールにするとこの素晴らしい乗り心地が悪化するかもしれない。おそらく、将来より大きなホイールに変更するだろう。

内装のポイント

内装にも多くの変更が加えられているが、中でも新しいインフォテインメントシステムに目が行くだろう。

1325ポンド(19万5000円)のディスカバー・ナビゲーション・プロを選択すると9.2インチのディスプレイの周りのボタンは取り除かれ、タッチスクリーンやジェスチャーや音声での操作が可能になる。

この映像はとても美しく、反応も良い。ただし実際のところ、この操作には慣れと正確な動作が必要だ。わたし自身、ほとんどの場面でメーターパネル内のディスプレイに表示される情報に頼って運転していた。視線や手を必要以上に動かす必要がないからだ。

それでいて、ダッシュボードの真ん中にカセットプレイヤーがついていてもおかしくないような古典的な雰囲気がある。ありがたいことに、このMk7.5の第一印象はそのことに気付かせてくれた。

ゴルフGTIとは、登場から40年経って急に素晴らしくなったのではなく、長年の積み重ねの成果なのだ。これからは楽しい数カ月を過ごせると確信している。

テスト車について

モデル名:フォルクスワーゲン・ゴルフGTI
新車価格:2万8320ポンド(417万円)
テスト車の価格:3万2520ポンド(479万円)

追加した装備一覧

■ディスカバー・ナビゲーション・プロ 1325ポンド(19万5000円)
■クライメート・ウインドスクリーン 295ポンド(4万3000円)
■ダイナミック・シャシー・コントロール 830ポンド(12万2000円)
■リアビューカメラ 265ポンド(3万9000円)
■セヴィル・ダーク・グラファイト・アロイホイール 495ポンド(7万3000円)
■オニキス・ホワイト・プレミアム・シグネチャー・ペイント 990ポンド(14万6000円)


テストの記録

平均燃費:12.1km/ℓ
故障:無し
支出:無し

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