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熟成のスイートスポット ベントレー・コンチネンタルGTC V8 Sへ試乗 走りに意欲的

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熟成のスイートスポット ベントレー・コンチネンタルGTC V8 Sへ試乗 走りに意欲的

適度に運動神経を磨いたコンチネンタル

ベントレー・コンチネンタルGTとGTCは、歳を重ねる毎に熟成されていく。特徴を磨き込みながら。3代目の登場当初は、W型12気筒とV型8気筒のエンジンの違いによるシンプルな構成だったが、アップデートを重ね最近は選択肢が増えている。

【画像】熟成のスイートスポット ベントレー・コンチネンタルGTC V8 S 競合車種と写真で比較 全127枚

確認すると、英国ではスピードとマリナー、アズール、V8、V8 Sというラインナップで、それぞれ優先されるポイントが僅かに異なる。その前に、クーペのGTかコンバーチブルのGTCかを決める必要があるけれど。

なかでも、V8 Sはスイートスポットだと思う。間もなく最後を迎えるW12エンジンより甘美に回るV8エンジンを搭載し、走りに意欲的。ドライバーズカーとしての魅力を高めるメカニズムと、最適化されたインテリアが与えられている。

ベントレーは、このコンセプトを2010年の2代目で導入した。それ以来、AUTOCARのお気に入りだ。

V8 Sでは、電圧48Vで稼働するアクティブ・アンチロールバーが標準。アルミホイールは21インチか22インチを選べる。ブレーキキャリパーはレッドに塗装され、専用のアクティブ・スポーツエグゾーストが音響的な訴求力を高める。

アダプティブダンパー付きのエアサスペンションと、パワーステアリングの設定は、V8エンジンを積む他のコンチネンタルと同じ。スピードには採用される、アクティブ・トルクベクタリング機能付きのリアデフと四輪操舵システムは、V8 Sには備わらない。

コンチネンタルとして、適度に運動神経を磨いている。より高価なグレードを選ぶ理由も残されている。

非の打ち所がないほど快適な車内

スタイリングでV8の「S」だと主張するのが、クロームメッキではなくブラックアウトされたボディトリム。フロントグリルとミラーカバー、ヘッドライトやサイドウインドウのフレームなどが、すべて黒で引き締められている。必要ならホイールも。

車内にはエレガントなスポーツシートが組まれ、GTスピードと同じモニター式メーターが実装される。内装は本皮とスウェード調のダイナミカという組み合わせで仕立てられ、配色はオーナーが細かく指定できる。

フロントフェンダーやサイドシルには、Sの文字があしらわれる。シートのヘッドレストにも、エンボス加工が施される。

握り心地が素晴らしいステアリングホイールは、特に筆者が好きな部分。とはいえ、ステアリングコラムから伸びる美しいレバーのソリッドな質感や、エアコン用スイッチのタッチまで、すべての触感が好ましい。インテリア素材の高級感も群を抜いて高い。

ステアリングホイールは、もう少し低い位置に設定できてもいい。だが、それ以外は非の打ち所がないほど快適だ。

インフォテインメント用のモニターが、現代のモデルらしく備わる。そのインターフェイスも慎重に考え抜かれている。心の底から感心させられる。

スポーティでも素晴らしい外界との隔離性

素晴らしいドライビング体験へ浸るのに、煩わしいことは何もない。ベントレーを運転する敷居は高いと想像されるかもしれないが、実際はそんなこともない。

コンチネンタルの場合、車線維持アシストと衝突被害軽減ブレーキは、デフォルトではオフ。過剰気味に反応するブザーへ平穏が乱されることはない。

現在の運転支援システムの完成度は、まだ完璧とはいえない。ラグジュアリー・ブランドのクーペやコンバーチブルへ完璧にフィットさせるには、もう少しの技術向上が必要だろう。

V8 Sは、スポーティ寄りでありながら、騒音や外界との隔離性も素晴らしい。コンバーチブルでも。その二面性には感服してしまう。

コンフォート・モードを選んでいる限り、4.0L V8ツインターボエンジンは極めて静か。8速デュアルクラッチATは、滑らかに仕事を続ける。エアサスペンションはしなやかに衝撃を吸収し、ルーフのないボディを震わせることは殆どない。

高速道路でのクルージング時は、確かにアルミニウムとレザーで仕立てられたクーペのルーフより、多くのノイズが聞こえてくる。だがGTCのソフトトップでも、遮音性は印象的なまでに高い。

秀でたグランドツアラーでドライバーズカー

スポーツ・モードを選ぶと、V8エンジンの存在感が増す。美しいテノールが車内を包む。8速ATとサスペンション、ステアリングは、それぞれシャープさを強める。路面によっては、若干サスペンションの硬さが目立つが。

カスタム・モードで個々の設定を調整すれば、ドライバー好みのコンチネンタルへ仕立てられる。エグゾーストは大胆に、サスペンションは快適に、というチョイスが筆者にとってのベストだ。

そうすれば、長距離旅行にピッタリなグランドツアラーになる。かなりスピーディで、レスポンシブで、運転を存分に楽しめる。快適な乗り心地に抱かれながら。

ライバルのように秀抜の操縦性で、動的な訴求力を強くアピールするわけではない。それでも走りはドラマチックだし、インテリアは極めて上質。グランドツアラーとしての実力を保ちつつ、ドライバーズカーとしての能力も高い。

このV8 Sは、コンチネンタルGTとGTSの至高の1択であり続けていると思う。

ベントレー・コンチネンタルGTC V8 S(北米仕様)のスペック

英国価格:21万8355ポンド(約3515万円)
全長:4850mm
全幅:1964mm
全高:1399mm
最高速度:318km/h
0-100km/h加速:4.1秒
燃費:8.0km/L
CO2排出量:284g/km
車両重量:2335kg
パワートレイン:V型8気筒3996ccツイン・ターボチャージャー
使用燃料:ガソリン
最高出力:550ps/6000rpm
最大トルク:78.3kg-m/2000-4500rpm
ギアボックス:8速デュアルクラッチ・オートマティック

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みんなのコメント

1件
  • 非の打ち所が無い、その言葉がしっくりくるのがこのV8Sだと思います。
    どんなシチュエーションにおいても残念に感じる部分がなく、更に過剰と思えるものもない。
    電動化の時代になっても大切に乗り続けていきたい。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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