2023年3月の乗用車全体(軽自動車を含む)の販売台数は47万7,943台、前年比は112.1%と3ヵ月連続で2桁の伸びを示しました。前月同様にレクサス(304.9%)、トヨタ(124.8%)、ダイハツ(120.6%)の復調が目立つほか、マツダ(108.3%)、スズキ(105.8%)、三菱(103.8%)も前年を上回る結果を残しました。
軽自動車を除く2月の新車販売ランキングは、3位日産ノートと6位のホンダフリード以外は、1位のトヨタヤリス、2位カローラを筆頭にトヨタ車がTOP10のうち8車種を占めました。軽自動車(乗用車)はホンダN-BOXの首位は揺るがず、ダイハツタントが4ヵ月連続の2位を確保しています。今回も自動車評論家の島崎七生人さんに詳しく解説をしてもらいましょう。
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国産乗用車販売台数 2023年3月(軽自動車を除く)
順位 車名 ブランド名 台数 前年比
1 ヤリス トヨタ 22,322 128.0
2 カローラ トヨタ 21,404 124.0
3 ノート 日産 16,167 105.6
4 シエンタ トヨタ 14,326 228.3
5 ルーミー トヨタ 12,669 74.6
6 フリード ホンダ 12,192 96.4
7 ハリアー トヨタ 11,028 166.5
8 ノア トヨタ 10,984 155.9
9 アクア トヨタ 10,945 133.9
10 ヴォクシー トヨタ 10,931 142.1
11 プリウス トヨタ 9,861 186.2
12 フィット ホンダ 9,099 107.6
13 ランドクルーザーW トヨタ 7,994 232.5
14 RAV4 トヨタ 7,267 193.9
14 アルファード トヨタ 6,808 71.0
16 ライズ トヨタ 6,657 57.3
17 ソリオ スズキ 6,606 173.0
18 ヴェゼル ホンダ 5,762 104.4
19 セレナ 日産 5,350 66.7
20 クラウン トヨタ 5,303 211.8
21 パッソ トヨタ 4,967 97.7
22 インプレッサ SUBARU 4,778 206.9
23 NX350H レクサス 4,624 1085.4
24 CX-5 マツダ 4,384 82.1
25 CX-60 マツダ 4,313 22年9月発売
26 エクストレイル 日産 3,533 246.2
27 スイフト スズキ 3,359 102.2
28 ステップワゴン ホンダ 3,052 213.3
29 MAZDA2 マツダ 2,685 90.1
30 ロッキー ダイハツ 2,616 107.1
31 CX-8 マツダ 2,565 115.4
32 CX-30 マツダ 2,467 115.7
33 ジムニーW スズキ 2,377 99.0
34 デリカD5 三菱 2,284 80.0
35 シビック ホンダ 2,253 298.0
36 フォレスター SUBARU 1,950 38.3
37 C-HR トヨタ 1,853 90.9
38 キックス 日産 1,852 55.1
39 クロスビー スズキ 1,760 152.4
40 MAZDA3 マツダ 1,754 61.5
41 リーフ 日産 1,715 98.1
42 レヴォーグ SUBARU 1,516 85.4
43 アウトランダー 三菱 1,481 145.5
44 トール ダイハツ 1,448 102.8
45 86 トヨタ 1,418 82.9
46 NX250 レクサス 1,392 4971.4
47 エクリプスクロス 三菱 1,390 85.6
48 ハイエースW トヨタ 1,288 131.6
49 アリア 日産 1,101 159.8
50 UX250H レクサス 1,093 215.6
※ 上記の台数は車名別の合算値となり、一部教習車などを含みます。
※ 例:ブランド通称名 カローラはカローラシリーズ全車種と教習車を含んでいます。
3ヵ月連続で2桁の伸び
2023年3月は年度末ということもあり、軽自動車を含む乗用車全体の販売台数は47万7,943台と、2月の35万6,281台から12万台を上回る大幅な伸びを見せた。前年比は112.1%と2月の122.9%のほうが伸び率の上では高かったが、それでも1月の117.4%以来、3ヵ月連続で2桁の伸びを維持している。
レクサスが大幅な伸び、トヨタも好調
ブランド別ではレクサスの伸び率が高い。今年に入ってからのレクサスの前年比は、1月に132.3%、2月には334.9%と勢いづいており、3月も304.9%を記録、台数も1万台超えの1万2,329台とし、これは今年1月の6,283台から見ればおよそ倍増ということになる。そのほかのブランドでは5社が前年比+となっているが、販売台数とともに見ていくと、トヨタは前年比124.8%ながら17万1,169台をカウントしており、これは2月に対して4万2,594台増。3月もトヨタの底力を見せつける結果となった。とはいえ前年比割れのホンダ、日産、スバルの3社も含めて、全ブランドとも、おしなべて2月よりも販売台数を伸ばしている。
CX-60を抜いたCX-5、クロストレック効果のインプレッサ
当然、それぞれの車種ごとの販売台数も、ここ最近では珍しく、ほとんどが3月は2月よりも数字を伸ばしている。50位中で2月には圏外だった三菱アウトランダー、エクリプスクロス、そして日産アリアを除くと、マツダCX-60が唯一、台数を落としているが、2月の4,375台から3月の4,313台と下げ幅は小さめ。同じマツダではCX-5は2月の1,209台から3月は4,384台へと台数を伸ばし、順位も40位から24位へランクアップさせた。CX-8も2月は781台から3月は2,565台へと3倍以上の台数とした。
そのほか新型クロストレックが登場したスバルインプレッサは2月の1,488台から3月は4,778台となり、順位も33位から22位へ。今後インプレッサの新型の投入で、さらなる伸びが期待される。
ヤリスを筆頭にトヨタ車が上位に集中
順位では1位のトヨタヤリス、2位のカローラ、3位の日産ノートまでは変わらず。もちろん各々、2月に対して台数は大きく上乗せした。10位以内の車名は2月がトヨタ車9車だったが、3月はホンダフリードが6位に食い込んできたことで、トヨタ車はプリウスが一旦11位に退き、10位以内のトヨタ車は8車種に。とはいえプリウスも3月は9,861台に増やしており、ここからの伸び代がどこまでかは注目しておきたい。
また10位以内の他のトヨタ車のシエンタ(4位)、ルーミー(5位)、ハリアー(7位)、ノア(8位)、アクア(9位)、ヴォクシー(10位)と、13位以降のランドクルーザーW(13位)、RAV4(14位)、アルファード(15位)、ライズ(16位)、そして20位のクラウンなど、50位圏内の上位にこれだけのトヨタ車が集中、しかもしっかりと販売台数を確保しているところは生産の回復ぶりをうかがわせる。
レクサス、三菱ともSUVが牽引
ほかに23位のNX350hを筆頭にNX250(46位)、UX250h(50位)のSUV3車種が入ったレクサス、アウトランダー(43位)とエクリプスクロス(47位)が再び50位圏内に入り、デリカD:5が34位の健闘を見せる三菱、それとリーフ(41位)、アリア(49位)の2車種のEVが入る日産なども引き続き動向を見守りたいところだ。
軽乗用車販売台数 2023年3月
車名 ブランド名 台数 前年比
1 N-BOX ホンダ 27,811 108.94
2 タント ダイハツ 15,251 152.32
3 スペーシア スズキ 13,137 129.45
4 ムーヴ ダイハツ 12,592 152.04
5 ルークス 日産 10,192 76.95
6 ワゴンR スズキ 7,735 84.814
7 アルト スズキ 7,476 97.13
8 タフト ダイハツ 7,392 116.74
9 ミラ ダイハツ 6,605 80.89
10 デイズ 日産 5,583 77.89
11 N-WGN ホンダ 5,558 95.86
12 ハスラー スズキ 5,292 76.01
13 ジムニー スズキ 3,859 74.54
14 eK 三菱 2,995 76.36
15 サクラ 日産 2,888 22年6月発売
※ 車名についてはメーカーごとに同一車名のものを合算して集計しています(アルト、ワゴンR、ミラ、ムーヴ、eK、ピクシスなど)
※eKにeKクロス EVは合算していません
N-BOXはもはや不動の1位
3月の軽自動車の販売台数の1位はかわらずホンダN-BOXだった。台数は2万7,811台(前年比108.9%)と2月の1万9,652台(同・98.4%)に対し8,000台を上回る台数を上乗せ。2位のダイハツタントを1万2,000台以上引き離しての1位ということで、これはもう不動の1位というほかない。ちなみにNシリーズは2011年に初代N-BOXを発売して以来、11年3ヵ月でシリーズ累計販売台数350万台を突破。N-BOXについては2022年度(2022年4月~2023年3月)の販売台数が20万4,734台となり、これは登録車を含めた新車販売台数において1位かつ2年連続、軽4輪車新車販売台数では8年連続の首位獲得となった。ちなみに商用車だがNシリーズに含まれるN-VANは3月に3,764台(2月は2,954台)の販売台数を確保しており、2024年春にはN-VANをベースとした新型軽商用EVの発売が予定されている。
マイナーチェンジでタントが2位に定着か
2位のダイハツタントはマイナーチェンジ後のカスタム、ファンクロスの効果と思われるが、3位に迫るスズキスペーシアを押さえた。ちなみに商用車登録のスペーシアベースの3月の販売台数は1,464台で、これと合算してもタントの台数にはもうひと息だ。
デリカミニの登場で三菱の動向に注目
一方でそのほかの車種も15位以内で順位の変動はみられるが顔ぶれは変わらず、また登録車の状況と同じく、2月に対して3月は、大半の車種で販売台数を伸ばしている。販売台数を落としたのはスズキハスラー(2月:5,611台→3月5,292台)と日産サクラの2車種で、サクラは2月が4,109台だったのに対し、3月は2,888台とややスピードダウン。ちなみに15位圏内には現れていないものの三菱eKクロスEVの3月の販売台数は1,544台と、2月の1,074台よりも台数を伸ばしている。三菱はeKのマイナーチェンジ、デリカミニの登場などがあり、これらの車種の動向も注目だ。
※記事の内容は2023年4月時点の情報で制作しています。
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みんなのコメント
結局、値段のこともありNWGNターボで妥協しました。