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大混乱のフォーミュラEバレンシア連戦。第5戦はデ・フリースが制し、第6戦ではデニスが初優勝

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大混乱のフォーミュラEバレンシア連戦。第5戦はデ・フリースが制し、第6戦ではデニスが初優勝

 4月24~25日、今季2020/2021年シーズンよりFIA世界選手権のタイトルが懸けられているABBフォーミュラE世界選手権の第5/6戦がスペインのバレンシア・サーキットで開催された。

 24日に行われた第5戦はニック・デ・フリース(メルセデスEQフォーミュラEチーム)が制し、翌25日の第6戦ではジェイク・デニス(BMW i アンドレッティ・モータースポーツ)が初優勝を挙げている。

【順位結果&ダイジェスト】2020/21年フォーミュラE第5/6戦バレンシア

 今年2月にサウジアラビアで開幕したフォーミュラE“シーズン7”は、世界中で猛威を振るう新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で大幅なカレンダー変更を強いられた。今回の第5/6戦は常設サーキットのバレンシア・サーキットが舞台となり、市街地コースがメインとなるフォーミュラE史上初のサーキットレースが繰り広げられた。

 第5戦の予選でトップタイムを記録したのは、今シーズン絶好調のストフェル・バンドーン(メルセデスEQフォーミュラEチーム)となったが、予選後『マシンに装着されたタイヤ番号が、申告された番号のいずれとも一致しなかった』としてタイムが抹消されてしまう。

 この結果、2番手タイムを記録していたアントニオ・フェリックス・ダ・コスタ(DSテチーター)がポールポジションに繰り上がり、2番手デ・フリース、3番手にマキシミリアン・ギュンター(BMW i アンドレッティ・モータースポーツ)が続いた。

 迎えた決勝はウエットコンディションでのレースとなり、セーフティカー(SC)として導入された『ミニ・エレクトリック・ペースセッター』の先導で各車グリッドから動き出す。シグナルがグリーンになりレースがスタートすると、ポールシッターのダ・コスタは2番手のギュンターを引き離す走りを見せる。

 スタートからまもなく、アンドレ・ロッテラー(タグ・ホイヤー・ポルシェ)とセバスチャン・ブエミ(ニッサン・e.ダムス)が接触してしまい、ブエミがグラベルエリアにスタックしてしまう。ここでブエミのマシンを回収するためSCが導入された。

 リスタート後には再び首位のダ・コスタが後続を引き離す展開でレースが進んでいくが、10周目、2番手走行から6番手まで順位を落としていたギュンターがドライビングミスからグラベルにコースアウト、またしてもSCの導入となった。

 その後の再スタートから5周後、セルジオ・セッテ・カマラ(ドラゴン/ペンスキー・オートスポーツ)とミッチ・エバンス(ジャガー・レーシング)の接触で4度目となるSCが入り、レースは波乱の様相を呈する。

 レースはリスタートが来られるも、1コーナーでロッテラーとエドアルド・モルタラ(ロキット・ベンチュリ・レーシング)が接触したため、この日最後のSCが導入された。

 残り2周で再スタートとなったが、5度に渡るSC導入によりフィニッシュ可能なエネルギー残量が残っているドライバーはわずかとなっていた。首位のダ・コスタもそのうちのひとりで、ファイナルラップに入るホームストレートでエネルギー残量が1%を切りまさかのペースダウン、波乱のレースで2番手につけていたデ・フリースがトップに浮上する。

 レースはチェッカーが振られ、エネルギー残量を0.1%残してフィニッシュしたデ・フリースがレースウイナーとなった。しかし、多くのマシンがエネルギー残量0%でチェッカーを受けたため失格となりリザルトは大変動。その後の正式結果ではデ・フリースが優勝、2位ニコ・ミューラー(ドラゴン/ペンスキー・オートスポーツ)、3位には最後尾から追い上げを果たしたバンドーンが入っている。

■第6戦ではBMWのデニスがフォーミュラE初優勝
 25日に開催された第6戦の予選ではデニスが初のポールポジションを獲得し、アレックス・リン(マヒンドラ・レーシング)が2番手、トム・ブロンクビスト(NIO 333フォーミュラEチーム)が3番手に続いた。

 決勝でもデニスはレースをリードし、リンが2番手に続く展開となる。レースの初めは各ドライバーとも手の内を見せず、スリップストリームを使用して、前日に問題になったエネルギー残量を慎重に管理していく。

 そのなかで活躍を見せたのがセッテ・カマラで、4周目にブエミをかわし10番手、次の周にはダ・コスタをオーバーテイクして9番手に浮上する。トップを走行するデニスは、各車が1回目のアタックモードを使用し終わってもトップの座をキープし続ける。

 残り17分、2番手を走行するリンが3番手のノーマン・ナトー(ロキット・ベンチュリ・レーシング)に接触されてしまう。リンは姿勢を乱してグラベルを走行し、なんとかコースに復帰するもポジションを落としてしまった。

 20周目には17番グリッドから11番手まで順位を上げていたバンドーンと、9番手を走行するブエミが10コーナーで接触。バンドーンはブエミのマシンとシケインのウォールに挟まれ、マシンの右フロントとサスペンションにダメージを負ってしまいリタイアとなる。

 そしてファイナルラップにはトップのデニスに2番手以下のマシンが迫ってくるが、デニスは冷静なドライビングでこれに対処。首位の座をキープしたままチェッカーフラッグを受けた。

 ナトーが2位でフィニッシュしたが、リンとの接触によるペナルティで最終的に5位まで後退。この結果、3位でチェッカーを受けたロッテラーが2位に繰り上がり、コースアウトしながらも追い上げを見せて4位でフィニッシュしたリンが3位表彰台を手に入れている。

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