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ヴァルキリーLMHのレースデビューはまだ「動く目標」。デイトナではなくWEC開幕戦カタールが現実的か

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ヴァルキリーLMHのレースデビューはまだ「動く目標」。デイトナではなくWEC開幕戦カタールが現実的か

 ハート・オブ・レーシングのチーム代表であるイアン・ジェームスは、来季2025年に登場予定の『アストンマーチン・ヴァルキリーAMR‐LMH』の開発プログラムが「計画どおりに進んでいる」と強調しつつ、ル・マン・ハイパーカー(LMH)規定車で唯一となる、量産ベースプロトタイプカーのレースデビューについては「動く目標」であると明かした。

 7月に公開されたV型12気筒エンジン搭載する新型プロトタイプマシンはヨーロッパでテストを続け、11月までにアメリカと中東で並行プログラムを展開し、2025年に予定されているWEC世界耐久選手権とIMSAウエザーテック・スポーツカー選手権の両シリーズへの参戦に備える。

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「信頼性と耐久性に関する初期段階(の開発)を終え、今はパフォーマンス面をもう少し掘り下げているところだ」とSportscar365に語ったジェームス。

「我々はそれを少し転換した。もちろん、マシンの寿命や耐久性が重要であることに変わりはないが、今はもう少しマシンの実際のパフォーマンスに注目している」

「間違いなく素晴らしい感じだ。だが、この先には長い道のりが待っている」

 ジェームスは、ヴァルキリーAMR‐LMHはまだWECで現在使用されているサーキットを走っておらず、適切なベンチマークが確立されていないことを認めた。しかし、これは現在のWECとIMSAのシーズン終了後、開発プログラムがヨーロッパのテストから枝分かれした時点で実現することになる。

「レースが行われるサーキットに行きたいんだ。それによって、少なくともある程度の見当はつく。自分たちだけで走っているときは、現実を確認するまではいつも大丈夫だとは思えないものだ」

「アメリカでのテストはプチ・ル・マン(IMSA最終戦)のあと、WECのバーレーン(11月2日)が終わってからになる。他のクルマが走ったところでヴァルキリーを見ることができるのは、それが初めてになるだろう」

 今後のテストは、ミシュラン・レースウェイ・ロード・アトランタ、セブリング・インターナショナル・レースウェイ、デイトナ・インターナショナル・スピードウェイでの実施が予定されており、カタールのルサイル・インターナショナル・サーキット、そして11月にはバーレーン・インターナショナル・サーキットでWECの来シーズンに向けたミシュランタイヤテストも行われる。

■ドライバーは最少人数を希望

 ジェームスは、11月にデイトナで行われるIMSA公認テストにマシンを参加させることは「まだ目標だ」と語り、確定には至っていないことを認めた。このマシンが来年1月のデイトナ24時間でレースデビューを果たすかどうかもまだ分かっていない。

「まだ動きのある目標であるため、今はまだ何も約束できない」とジェームスは語る。

「計画どおりに進んでいる。しかし、まだホモロゲーションや風洞(各シリーズがBoP設定のために用いる風洞試験)の段階にも至っていない。今後我々はザウバーとウインドシアの風洞に行く必要がある」

「(風洞を改修中のザウバーには行かず)すべてがウインドシアで済むと考えられていたが、今はプログラムを並行させなければならないんだ」

 2月28日に開催されるWEC開幕戦カタール1812kmでのデビューが最新の可能性であることは理解されており、ジェームスは、IMSAのGTPクラスとは異なり、ハイパーカーメーカーがフルシーズンを戦うことは「ルールにある」と認めている。

 彼によると、ヴァルキリーAMR-LMHをドライブする全員がアストンマーティンのファクトリードライバーで、現役のワークスドライバーもしくはファクトリーステータスを獲得した外部ドライバーが起用されることになる。現在ハート・オブ・レーシングチームと契約しているドライバー数人がそのラインアップに加わる可能性が高く、他のドライバーも検討中だという。

 ダレン・ターナー、マリオ・ファーンバッハー、ハリー・ティンクネルはヴァルキリー・レースカーの最初のシェイクダウンに参加した。また、ロス・ガン、アレックス・リベラス、ロマン・デ・アンジェリスはそれ以降のテストでV12エンジン搭載マシンをドライブしている。

「彼らは皆、どこの出身であろうとファクトリードライバーになる」と語るジェームス。

 2台のWECハイパーカーと1台のGTPオペレーションに必要なドライバーの数について質問されたジェームスは、可能な限り少ない人数にしたいと答えた。

「ハードに働いてもらうつもりだ。8人のドライバーがいないとは言わないが、できるだけ少ない人数でやって、彼らに可能な限り多くの走行時間を与えたいと考えている」

「より多く走らせることで、より良い走りができるようになるだろう。まだ決めたわけではないが、それが私の希望だ」

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