現在位置: carview! > ニュース > スポーツ > ウイング付きプジョー9X8の“正当化”には勝利が必要とCEO「莫大な投資。勝たずして続けることはできない」

ここから本文です

ウイング付きプジョー9X8の“正当化”には勝利が必要とCEO「莫大な投資。勝たずして続けることはできない」

掲載 2
ウイング付きプジョー9X8の“正当化”には勝利が必要とCEO「莫大な投資。勝たずして続けることはできない」

 プジョーの最高経営責任者(CEO)を務めるリンダ・ジャクソンは、このフランスのブランドがシリーズでの存在感を正当化するために、9X8で近い将来にWEC世界耐久選手権の優勝争いを始めることの重要性を強調した。

 ジャクソンは、5月11日決勝の第3戦スパ・フランコルシャン6時間レースでWECのパドックを訪れた際に、この発言をした。このレースは、第2戦イモラでレースデビューを果たした改良型9X8の2戦目のレースであった。

プジョー、WECスパでの9X8のペースに落胆も、次戦のル・マン24時間では異なる結果に期待

■昨年ル・マン期間中は市販車売上が増加

 プジョーは第1戦カタールでシーズンをスタート、旧型の“ウイングレス”モデルの最後の出走で表彰台を争ったが、第2戦以降はパフォーマンスに苦戦し、イモラでマークした9位というのが今年の最高位となっている。

 ジャクソンは、9X8を完全に作り直すプロセスを経て、プジョーはその努力が確実な結果につながることを期待しており、ハイパーカーにおける「中団」の一員であることに満足していないと明言した。

 ジャクソンはスパで記者団に対し、「勝つためにやってきたのは明らかだ。だから今はパフォーマンスを見せる必要がある」と語った。

「私はビジネスウーマンだ。私はその名声のために、プジョーをこのチャンピオンシップに参加させることにした。我々が勝てば、ブランドイメージにとって素晴らしいことだ」

「チームは効率の点で、トップに位置している。3年目のシーズンのドライバーがそろったいまは、本物のチームとなった。ファンのためにも、我々にとっても、投資収益率のためにも、正直に言うと、何かを勝ち取る必要がある。成果がもたらされるべきときだ」

「勝たずして、このようなスポーツを10年と続けることはできない。これは莫大な投資だ。3年経ったら、結果を出さなければならない」

「我々は今年、クルマを再開発した。3シーズン目、4シーズン目の初めには、結果を残さなければいけない」

「ランキングでは、おそらく3つのチームで構成される、ある種の中団グループが形成されつつあると感じている。そしてその裏側では、非常に複雑になってきている」

「もしこのまま6年、7年と勝てない状態が続いたら、一体何のためにやっていることになるのだろうか? 我々は勝つためにここにいる、そうだろう?」

 プジョーがWECデビュー以来2年間で投資回収ができたかどうかとの質問に対し、ジャクソンは、同ブランドが6月のル・マン24時間レースの前後でより多くの市販車を販売する傾向にあるという事実を強調した。

「売上とのつながり、イメージとのつながりがあり、それが我々が最初にこのスポーツに参入することを選んだ理由だ」と彼女は語った。

「結果はスポーツのリザルトだけではなく、投資収益率も重要だ。したがって、それは我々にとって非常に重要であり、それは成功だ」

「毎月、同じブランドの売上曲線が繰り返され、それを(ステランティス・)グループの他のブランドと比較している。そして、昨年(のル・マン)の時点で、非常に大きな感情的要素があったことが分かった」

「その売上曲線は、水曜夜の最初の練習セッションからわずかに跳ね上がり、そして週末を通して上昇した。だからこそ、ル・マンは我々にとって良い時期だ。そして6月末には、通常の曲線へと戻った。昨年のそれらは、追加のセールスとなった」

 ステランティス・モータースポーツの代表であるジャン・マルク・フィノーは、プジョーのWECプログラムは現在2026年まで確定していると明らかにしている。

■2023年と同一BoPなら上位で戦える?

 また、新型9X8のパフォーマンスについてさらに語ったフィノーは、BoP(性能調整)パフォーマンスがあまり良くなかったにも関わらず、2023年のレースと比較して、スパでどれだけポールポジションに近づいていたかを強調した。

 WECスポーティング規則6.2.1により、マニュファクチャラーやドライバーらはBoPについて直接コメントすることを禁じられているが、フィノーはプジョーが昨年の重量とパワーであれば、第一線で戦えると感じていることを明らかにした。

「スパで見た限りでは、我々はポールポジションからは1秒遅れている」とフィノーは語った。

「昨年は2.4秒遅れだった。すでに、かなりのゲインを得ている。それは、我々のクルマが昨年よりも23kg重く、出力が8kW低いという事実にもかかわらず、だ。実際、これらを合計すると、ほぼ2.4秒になる」

 BoPについての考えを尋ねられたフィノーは次のように答えた。

「私はエンジニアなので、キロ(kg)やキロワット(kW)について話す権利がある」

「カタールでのレースを見ると、9X8はJOTAポルシェとほぼ同じペースだったが、わずかに遅かった。イモラでは、我々の方が若干速かった」

「彼らと比較すると、カタールとイモラの間で我々は(BoP数値が)46kg増加し、13kW減少している」

「これにより、2024年のマシンが、2023年のマシンと比較して何をもたらしているかが分かる」

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

AM放送が聴けない「電気自動車」が数多く存在! FMラジオは搭載されているのになぜ?
AM放送が聴けない「電気自動車」が数多く存在! FMラジオは搭載されているのになぜ?
THE EV TIMES
ヤマハがNetflixアニメ用に未来のレースマシン「Y/AI」をデザイン、実物大モデルも
ヤマハがNetflixアニメ用に未来のレースマシン「Y/AI」をデザイン、実物大モデルも
レスポンス
”第2の波”を生んだ挑戦者、それはレズニー傘下で喘ぐamtだった…!【アメリカンカープラモ・クロニクル】第39回
”第2の波”を生んだ挑戦者、それはレズニー傘下で喘ぐamtだった…!【アメリカンカープラモ・クロニクル】第39回
LE VOLANT CARSMEET WEB
レッドブルのペレス、今季6度目の予選Q1敗退。3戦続けてRBの角田&ローソンに敗れる「マシンに根本的な問題がある」
レッドブルのペレス、今季6度目の予選Q1敗退。3戦続けてRBの角田&ローソンに敗れる「マシンに根本的な問題がある」
motorsport.com 日本版
トヨタ「コンパクトSUV」なぜ消滅? “全長3.9m”級の元祖「ヤリスクロス」的存在な「ヴィッツSUV」に注目! 14年で幕を閉じた「ist」とは?
トヨタ「コンパクトSUV」なぜ消滅? “全長3.9m”級の元祖「ヤリスクロス」的存在な「ヴィッツSUV」に注目! 14年で幕を閉じた「ist」とは?
くるまのニュース
シャープでクールなNEWグラフィック! SHOEIが「NEOTEC 3」の新たなグラフィックモデル「ANTHEM」を発売
シャープでクールなNEWグラフィック! SHOEIが「NEOTEC 3」の新たなグラフィックモデル「ANTHEM」を発売
バイクのニュース
ラリージャパン唯一の女性ドライバー、平川真子が意気込み。兄・亮に「クラス優勝をするところを見てほしい」
ラリージャパン唯一の女性ドライバー、平川真子が意気込み。兄・亮に「クラス優勝をするところを見てほしい」
AUTOSPORT web
トヨタ陣営の23XIとフォードのRFKが、来季2025年NASCARカップシリーズにて3台体制に拡充
トヨタ陣営の23XIとフォードのRFKが、来季2025年NASCARカップシリーズにて3台体制に拡充
AUTOSPORT web
F1ラスベガスGP FP1:序盤から上位につけたメルセデスがワン・ツー。ノリス、ルクレール、フェルスタッペンが続く
F1ラスベガスGP FP1:序盤から上位につけたメルセデスがワン・ツー。ノリス、ルクレール、フェルスタッペンが続く
AUTOSPORT web
ラッセル、サインツ抑えポールポジション! ガスリー驚異の3番手、角田裕毅もQ3進出7番手|F1ラスベガス予選
ラッセル、サインツ抑えポールポジション! ガスリー驚異の3番手、角田裕毅もQ3進出7番手|F1ラスベガス予選
motorsport.com 日本版
新潟~青森直結 壮大な「日本海東北道」全通まであと少し!? 約320kmの「すごい高速」最後の未開通部どこまで工事進んだ?
新潟~青森直結 壮大な「日本海東北道」全通まであと少し!? 約320kmの「すごい高速」最後の未開通部どこまで工事進んだ?
くるまのニュース
F1ラスベガスGP予選速報|ラッセルPP獲得! ガスリーが驚きの3番手。角田裕毅も7番手と好結果
F1ラスベガスGP予選速報|ラッセルPP獲得! ガスリーが驚きの3番手。角田裕毅も7番手と好結果
motorsport.com 日本版
ヒョンデ、旗艦EVの『アイオニック5』を刷新。次世代800V電源システムで航続距離は703kmに延伸
ヒョンデ、旗艦EVの『アイオニック5』を刷新。次世代800V電源システムで航続距離は703kmに延伸
AUTOSPORT web
名神ICに直結! 「彦根お城トンネル」が12月開通 高速道路から市中心部へ一気にワープ
名神ICに直結! 「彦根お城トンネル」が12月開通 高速道路から市中心部へ一気にワープ
乗りものニュース
ホンダ斬新「オデッセイSUV!?」に大反響! 「V6ワゴン」から進化の“最上級クーペSUV”に「カッコイイ」「モダンな見た目」の声も! 13年ぶりの「アヴァンシア」がスゴイ!
ホンダ斬新「オデッセイSUV!?」に大反響! 「V6ワゴン」から進化の“最上級クーペSUV”に「カッコイイ」「モダンな見た目」の声も! 13年ぶりの「アヴァンシア」がスゴイ!
くるまのニュース
ロバート・クビサ、2025年も3台目のフェラーリ499Pをドライブへ。AFコルセ残留が決定
ロバート・クビサ、2025年も3台目のフェラーリ499Pをドライブへ。AFコルセ残留が決定
AUTOSPORT web
アルファ・ロメオ・トナーレでジュリエッタ乗りに出会う【新米編集長コラム#9】
アルファ・ロメオ・トナーレでジュリエッタ乗りに出会う【新米編集長コラム#9】
AUTOCAR JAPAN
ル・マン優勝のポルシェ「917K」がなんと550万円!? ホンダエンジンを搭載した子供向けジュニアカーの大きさは実車の7割…おもちゃにしては高すぎる!?
ル・マン優勝のポルシェ「917K」がなんと550万円!? ホンダエンジンを搭載した子供向けジュニアカーの大きさは実車の7割…おもちゃにしては高すぎる!?
Auto Messe Web

みんなのコメント

2件
  • koi********
    正直BOPが面白さを無くしてる。
    100周年目のフェラーリにしたってトヨタへの締付けがなければ勝てなかった。
    勝てるチーム、とりわけ欧州外のメーカーの締付を厳しくして内輪やキットカーの規制を緩くしたりで人為的に順位を操作してれば面白みもなくなる。
  • ori********
    外観を大きく変えるほどのアップデートをしたプジョー。
    今年のル・マンこそトップ争いに入って貰いたい所。
    私はBoPあまり気にしないのでどういう形であれトヨタvsフェラーリvsプジョーの構図を作って欲しいな。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村