6代目にフルモデルチェンジしたステップワゴンと、マイナーモデルチェンジでエンジン車の排気量アップ(1.3L→1.5L)とe:HEVのモーター出力向上が図られたフィット。本機(ノーマル車)のフルモデルチェンジやマイナーチェンジに合わせて各種パーツを素早くリリースできるのは、自動車メーカー直系のワークスチューナーならでは。ホンダワークスの無限では本機の開発チームと一緒にパーツ作りを行うことで、デザインや機能などノーマル車の長所を尊重しながら、個性を際立たせるパーツを設定している。
■ステップワゴン スパーダをカッコよくスポーティに
コンセプトは「MY Fast STEP WGN」。基準車はシンプルでスッキリしたデザインだが、無限では個性やスポーティさを求めるスパーダのユーザーに向けて「カッコいいスポーティさ」をオシャレにプラスしたいという思いでデザインを施したという。無限のスタッフは初見の印象を「『だいぶ絵の描きやすいキャンバスが来たな』と感じました」と振り返る。先代は本機がメッキを多用してギラギラしていたので、それに合うエアロをデザインしようとすると手数が限られた。ところが6代目はプレーンなデザインになり、エアロを含めてデザインの自由度が高まったという。
ひと目で「無限のステップワゴン」と認識できるエアロパーツは、フロントグリルガーニッシュとフロントアンダースポイラー、サイドガーニッシュ、リヤアンダースポイラーの「アンダー3点」に注力。いずれも大型でワイドかつ重量感のあるデザインが施され、無限らしいスポーティさと存在感を際立たせる。
足まわりはノーマルのままだが、エアロのおかげでロー&ワイドに見える。フロントアンダースポイラーはセンター部と左右の3ピース構造で躍動感を演出。サイドガーニッシュは大型のパネルタイプにすることで、サイドビューにボリュームを出し、よりワイド&ローな印象を与える。リヤアンダースポイラーはセンター部にディフューザー形状を施し、スポーティなリヤビューを演出する。
スポーツサイレンサーはリヤアンダースポイラーと同時装着することを前提にしてデザインされている。基準車はエンジンの存在を隠すかのように、マフラーのフィニッシャーが見えない構造になっているが、無限のスポーツサイレンサーはリヤンダースポイラーに設けられた切り欠きから、チタン製のデュアルフィニッシャーがしっかりと存在感を主張する。e:HEV、ガソリン車用ともに「耳元に気持ちよく届く音」を目指して音質や音量をチューニングしている。
アルミホイールは本機が16/17インチなのに対し、無限では18インチの「MDW」を設定。デザインは先代ステップワゴン用のキャリーオーバーだが、ワイドになった新型用にインセットを設定。カラーはエアロパーツにツヤ有りブラック塗装を施しているのに合わせて、ブラック塗装に切削加工を施し、ブラッククリア塗装で仕上げたブラッククリアミラーフェイスを設定。
1本当たりの重量も純正17インチに比べて約2kg軽くなっている。デモカーには微振動を減らし、操舵に対する応答性が向上するパフォーマンスダンパーが装着されていることも手伝い、しなやかな乗り心地とリニアな操舵フィールが印象に残った。待望のスポーツサスペンションも開発中で、基準車の開発チームの協力を得ながら、ホンダセンシングなどADASの機能を損なわない範囲でローダウンを実現している。
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■フィットはRSの追加で、さらに際立つ「無限顔」に
コンセプトは「LIFE IS SPORTS」。無限のスタイリングパーツは、RSは「走りへのこだわり」、RS以外のベーシック、ホーム、リュクスは「カジュアルスポーツ」とキャラクターを分けている。
2タイプともにフロントアンダースポイラー、サイドスポイラー、リヤアンダースポイラーを設定していて、RS用のフロントアンダースポイラーとフロントグリルガーニッシュ、リヤアンダースポイラーにはフォルクスワーゲンのGTIやニスモのコンプリート車などスポーツハッチバックのスポーツ表現に採り入れられているレッドのアクセントを施した。赤の差し色の効果は絶大で、エアロパーツの統一感とRSの躍動感を表現している。
マイナーチェンジで大きく印象を変えたのが「顔」だが、無限ではRSにフロントグリルガーニッシュ、それ以外のグレードにはカーボン調のフロントグリルデカールでスポーティな「無限顔」を表現。
17インチアルミホイール「MDE」はマイナーチェンジ前からのキャリーオーバー。リムのスピニング加工やリム内側のスポーク部裏側にアンダーカット処理を施すことで軽量化しながら剛性を確保。純正の16インチアルミホイールに対し、1本当たり約1.7kgの軽量化を実現。
ちなみに、デモカーのタイヤ幅は205で、純正装着の185に対してワイド化。ばね下の軽量化と相まってRSの車名にふさわしい、シャープでレスポンスのいいハンドリングを堪能できた。
〈文=湯目由明 写真=山内潤也〉
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