現在位置: carview! > ニュース > ニューモデル > ランドローバー・レンジローバー・オートバイオグラフィーP530試乗 王者の品格 ハイテク技術を味方に

ここから本文です

ランドローバー・レンジローバー・オートバイオグラフィーP530試乗 王者の品格 ハイテク技術を味方に

掲載 1
ランドローバー・レンジローバー・オートバイオグラフィーP530試乗 王者の品格 ハイテク技術を味方に

シルエットからにじみ出るDNA

AUTOCAR JAPANに掲載されている新型レンジローバーの記事はざっと数えただけでも10以上。

【画像】伝統の品格【初代レンジローバーと最新レンジローバーを比較】 全108枚

それらに目を通してワクワクしつつ、一方ではポジティブな表現の多さに「本当だろうか?」と疑いたくなる自分もいた。

そもそも5代目レンジローバーの最終に近いモデルの完成度がこの上なく高く、「それ以上」を想像しにくかった。

それに新型プラットフォームを得たとはいっても、それは後からデビューすることになるフルEVに焦点を当てたものなのでは? という読みもあった。

新型は例によって2種類のホイールベースが用意されている。

今回われわれはガソリンV8を搭載するオートバイオグラフィーP530のLWBをメインに試乗している。

だが注意しなければならないのは「V8モデルの受注が3年先まで埋まっている」という点だろう。

注文が殺到していることと、エンジンの供給元であるBMWからの数が限られているためという問題があるらしいのだが、詳しくはオフィシャルHPに予約に関する説明があるので気になる方は目を通していただきたい。

さて6代目と対面。

真正面から見たフロントマスクは先代とあまり変わらない印象だが、ボディ側面からテールエンドにかけてはデザインスタディのようにフラッシュサーフェイス化されており、未来感が漂う。

ボディの前と後で雰囲気が異なるようにも見える。だがそれでも、全体のシルエットはレンジローバー以外の何者でもないという点はさすがだ。

キモは先端技術ではなく……

スペックシートからわかるのは、先端技術がフル装備されている事実である。

路面の状況にあわせて減衰を制御するエアサスには、ツインバルブの新型ダンパーが組み合わされる。

さらに48V駆動の電制スタビライザーも付いているし、後輪操舵も追加されている。

だがこれら「今どきの機構」が盛り込まれるタイミングとしてはライバルより遅いことは否めない。

ともあれP530に乗ってみよう。

室内のデザインの刷新の具合は外観に準じている。

エアコンの吹き出し口が直線的な意匠の中に組み込まれるなど、先代よりシンプルになっているが、ひと目でレンジローバーとわかる。

5人乗り仕様のリアシートは3人掛けとなっているが、実質2人掛けショーファー仕様でスペース的にも申し分ない。

走りはじめは極めて静かで、額面通り2.7tの小山が静々と動く感じ。

しっとりとして重厚だが、重ったるくはない走りは歴代のレンジローバーに共通するキャラクターだ。

しばらくドライビングに没頭し、山道でペース上げてみたりもした。

そこでわかったのはロールやピッチングを含む「余計な動き」の一切が極めて少ないこと。

だがそれ以上に驚かされたのは、ハイテクが先回りして演出しているに違いないこれらの挙動に、人為的な、カクカクした、継ぎ目のような違和感が一切ないこと。

唯一あるとすれば、バックしている最中の最大7.3°切れるという後輪操舵くらい。

ハイテクはその存在感を消せてこそ一流。

6代目は新たな技術の連携を徹底することでレンジローバーらしい、しかし先代を完全に超越するような高みに達したのだ。

ライバル台頭 覇権は誰の手に?

ラグジュアリーSUVの世界は初代レンジローバーが切り開いたもの。

そして5代目のモデルライフ中に初めて、ベントレー・ベンテイガとロールス・ロイス・カリナンという本格的なライバルが登場している。

50年近く孤高の存在だったレンジローバーは、今回初めてライバルを意識して開発されている。

とはいえ6代目の方向性には少しのブレも感じられなかった。

まさに正常進化。それを支えるのが新型プラットフォームだ。

新型が採用するMLAフレックスは80%がアルミで、バルクヘッド周辺に鉄が使われている。

ボディを徐々にアルミ置換するポルシェやメルセデス的アプローチではなく、一気にフルアルミ化しつつ必要な部分だけ鉄に戻していく手法に「レーシングカーの故郷」たるイギリスらしいエンジニアリングが薫る。

今回は少しだけD300にも試乗できたので、パワーユニットの印象を記しておこう。

ガソリンV8はよくいえば活発だが、ターボのおかげで少し動きがギクシャクする時もあった。

現代ならば電気モーターが埋めてくれそうなターボラグの谷間が目立つのだ。

その点ランドローバーのさまざまなモデルに搭載されている3LのディーゼルMHEVはさすがで、静々と図太いトルクを供出する感じがレンジローバーのキャラクターに合っていると感じた。

ライバルの台頭により覇権の所在が混沌としていたラグジュアリーSUV界だが、6代目レンジローバーの登場によって1つの答えが見えてきた気がする。

それは「伝統が培ってきた様式美」は、「ブランドの格」にも勝るということである。

ランドローバー・レンジローバー・オートバイオグラフィーP530(LWB)のスペック

価格:2261万円
全長:5265mm
全幅:2005mm
全高:1870mm
ホイールベース:3195mm
車両重量:2640-2750kg
パワートレイン:V型8気筒4394ccターボチャージャー
最高出力:530ps/5500-6000rpm
最大トルク:76.5kg-m/1850-4600rpm
ギアボックス:電子制御8速オートマティック

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

8年目の小さな「成功作」 アウディQ2へ試乗 ブランドらしい実力派 落ち着いた操縦性
8年目の小さな「成功作」 アウディQ2へ試乗 ブランドらしい実力派 落ち着いた操縦性
AUTOCAR JAPAN
RSCフルタイム引退のウインターボトム、2025年は古巣に復帰しウォーターズの耐久ペアに就任
RSCフルタイム引退のウインターボトム、2025年は古巣に復帰しウォーターズの耐久ペアに就任
AUTOSPORT web
ハコスカ!? マッスルカー!?「ちがいます」 “55歳”ミツオカ渾身の1台「M55」ついに発売 「SUVではないものを」
ハコスカ!? マッスルカー!?「ちがいます」 “55歳”ミツオカ渾身の1台「M55」ついに発売 「SUVではないものを」
乗りものニュース
スズキ、軽量アドベンチャー『Vストローム250SX』のカラーラインアップを変更。赤黄黒の3色展開に
スズキ、軽量アドベンチャー『Vストローム250SX』のカラーラインアップを変更。赤黄黒の3色展開に
AUTOSPORT web
元ハースのグロージャン、旧知の小松代表の仕事ぶりを支持「チームから最高の力を引き出した。誇りに思う」
元ハースのグロージャン、旧知の小松代表の仕事ぶりを支持「チームから最高の力を引き出した。誇りに思う」
AUTOSPORT web
本体35万円! ホンダの「“超”コンパクトスポーツカー」がスゴい! 全長3.4m×「600キロ切り」軽量ボディ! 画期的素材でめちゃ楽しそうな「現存1台」車とは
本体35万円! ホンダの「“超”コンパクトスポーツカー」がスゴい! 全長3.4m×「600キロ切り」軽量ボディ! 画期的素材でめちゃ楽しそうな「現存1台」車とは
くるまのニュース
最近よく聞く「LFP」と「NMC」は全部同じ? EV用バッテリーの作り方、性能の違い
最近よく聞く「LFP」と「NMC」は全部同じ? EV用バッテリーの作り方、性能の違い
AUTOCAR JAPAN
リアウィンドウがない! ジャガー、新型EVの予告画像を初公開 12月2日正式発表予定
リアウィンドウがない! ジャガー、新型EVの予告画像を初公開 12月2日正式発表予定
AUTOCAR JAPAN
アロンソのペナルティポイントはグリッド上で最多の8点。2025年序盤戦まで出場停止の回避が求められる
アロンソのペナルティポイントはグリッド上で最多の8点。2025年序盤戦まで出場停止の回避が求められる
AUTOSPORT web
「俺のオプカン~仙台場所~」初開催!「オープンカントリー」を愛する男性ユーザーが集まって工場見学…川畑真人選手のトークショーで大盛りあがり
「俺のオプカン~仙台場所~」初開催!「オープンカントリー」を愛する男性ユーザーが集まって工場見学…川畑真人選手のトークショーで大盛りあがり
Auto Messe Web
「ラリーのコースなのでトンネル工事を休止します」 名古屋‐飯田の大動脈 旧道がレース仕様に!
「ラリーのコースなのでトンネル工事を休止します」 名古屋‐飯田の大動脈 旧道がレース仕様に!
乗りものニュース
紫ボディはオーロラがモチーフ、中国ユーザーが求めた特別なインフィニティ…広州モーターショー2024
紫ボディはオーロラがモチーフ、中国ユーザーが求めた特別なインフィニティ…広州モーターショー2024
レスポンス
『頭文字D』愛が爆発。パンダカラーで登場のグリアジン、ラリージャパンで公道最速伝説を狙う
『頭文字D』愛が爆発。パンダカラーで登場のグリアジン、ラリージャパンで公道最速伝説を狙う
AUTOSPORT web
トヨタ勝田貴元、WRCラリージャパンDAY2は不運な後退も総合3番手に0.1秒差まで肉薄「起こったことを考えれば悪くない順位」
トヨタ勝田貴元、WRCラリージャパンDAY2は不運な後退も総合3番手に0.1秒差まで肉薄「起こったことを考えれば悪くない順位」
motorsport.com 日本版
日産「新型ラグジュアリーSUV」世界初公開! 斬新「紫」内装&オラオラ「ゴールド」アクセントで超カッコイイ! ド迫力エアロもスゴイ「QX60C」中国に登場
日産「新型ラグジュアリーSUV」世界初公開! 斬新「紫」内装&オラオラ「ゴールド」アクセントで超カッコイイ! ド迫力エアロもスゴイ「QX60C」中国に登場
くるまのニュース
エコの時代に逆行!? 「やっぱ気持ちいいのは大排気量のトルクだよね」……800馬力超のエンジンが吠える「アメ車」マッスルカーの“クセになる世界”とは
エコの時代に逆行!? 「やっぱ気持ちいいのは大排気量のトルクだよね」……800馬力超のエンジンが吠える「アメ車」マッスルカーの“クセになる世界”とは
VAGUE
変化と進化──新型ロールス・ロイス ゴースト シリーズII試乗記
変化と進化──新型ロールス・ロイス ゴースト シリーズII試乗記
GQ JAPAN
加熱する中国高級SUV市場、キャデラック『XT6』2025年型は「エグゼクティブシート」アピール
加熱する中国高級SUV市場、キャデラック『XT6』2025年型は「エグゼクティブシート」アピール
レスポンス

みんなのコメント

1件
  • 具体的な試乗感が全然書かれていないからよくわからんな。私乗記って感じ?金掛けてるしプレミアムブランドだから優秀な性能なんだろうけど、ただ見た目がね〜 スッキリし過ぎてちょっとな。乗り味よりこの見た目で好き嫌いが出そう。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

1835.03267.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

100.03580.0万円

中古車を検索
レンジローバーの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

1835.03267.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

100.03580.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村