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インテルラゴスの再舗装の影響は? 黒くなった路面の温度が上がれば複雑な事態に陥る可能性も

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インテルラゴスの再舗装の影響は? 黒くなった路面の温度が上がれば複雑な事態に陥る可能性も

 今週末に開催されるF1サンパウロGPは、各F1チームとタイヤサプライヤーであるピレリにとって、例年以上に予測不可能となりそうだ。

 それは、舞台であるインテルラゴス・サーキットが原因だ。コースレイアウトそのものは例年と変わらないが、異なるのはアスファルトだ。再舗装された路面はグリップレベルにどのような影響を及ぼすかわからないため、グランプリに大きな不確実性をもたらす。

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 過去には、路面が適切に処理されていなかったためにグリップが大幅に低下し、ドライバーとチームに大きな頭痛の種をもたらした例もある。おそらく最も有名なのは2020年のトルコGPだろう。

 逆にグリップはそこそこあるものの、ラバーがのっていない新しい路面ではマシンがスライドしやすくなり、タイヤのデグラデーション(性能劣化)に悪影響を及ぼす可能性もある。

 現時点で予想は難しく、ドライバーたちが初めてコースを走り出すプラクティスでその答えが出ることになるだろう。

 アルピーヌのエステバン・オコンは、「今週末は新たなチャレンジが待っている」と語った。

「路面の状態やデグラデーションなど、誰にとっても未知の部分が多い。グリップレベルがどうなるかはまだ分からないよ」

■データが示す兆候は?

 しかし、F1の週末が特にエキサイティングなものになることを予感させる兆候はいくつかある。

 ピレリのエンジニアがインテルラゴスの路面を分析した初期段階では、グリップに関して大きな警鐘は鳴らされていない。

 motorsport.comの調べでは、インテルラゴスの路面のマイクロラフネスは昨年に比べて46%低下しており、マクロラフネスは30%低下しているという。つまり理論的には昨年よりもグリップが低下していることになり、スライディングが増え、タイヤ温度が上昇し、デグラデーションが進む可能性がある。

 しかし、コースとタイヤの化学的な粘着力の相互作用に基づき、全体的なグリップレベルについて深く掘り下げてみると、実は状況は例年とあまり変わらないという。

 インテルラゴスは伝統的にグリップがあまり高くないサーキットだが、この週末に向けて収集されたデータによると、いくつかのコーナーは以前よりも改善されているようだ。

■黒くなった路面

 この初期データによれば、この点で新路面がこれまでと劇的に異なる週末を演出することはないだろうと考えられている。

 もうひとつ興味深い要素がある。それは新しい路面の色だ。新しいアスファルトの表面は非常に黒く、昨年まで使用されていたグレーの路面よりも日差しの熱を吸収しやすい。

 ピレリが初めて行なった路面温度の変化に関する分析では、すでにかなり劇的な変化が起きていると指摘されている。

 路面温度の上昇はタイヤ温度に直接影響し、サーマル・デグラデーションを増幅させる。インテルラゴスではそのレイアウトの関係で重要な要素となりうる。気温が上がれば、スプリントと決勝レースの両方で硬めのタイヤコンパウンドを選択せざるを得なくなる可能性もある。

 前提として、ピレリは昨年より1段階持ち込むタイヤコンパウンドを柔らかくすることを選択している。次に、今回はスプリントの週末であるため、タイヤの割り当てが異なり、ハードが2セット、ミディアムが4セット、ソフトが6セット用意されている。

 つまり、2024年のソフトタイヤはレースタイヤには向かず、予選にしか使えない可能性が高い。となると各チームはスプリントと決勝で使うタイヤ配分を慎重に管理する必要がある。

 各チームがプラクティスでいち早く理解する必要があるのは、ミディアムタイヤがスプリントレースの24周に耐えられるタイヤかどうかだ。

 昨年のスプリントはこのタイヤ(2023年はソフトタイヤ扱い)で対応できたが、今回デグラデーションが悪化し、もしミディアムタイヤでスプリントを走り切ることができなければ、事態が非常に複雑になる。

 スプリントでハードタイヤを使う必要があるチームは、決勝のためのハードタイヤが不足することになる。

 さらには、今週末のインテルラゴスは天候が不安定な予報となっている。雨が降ればタイヤのセット数不足は気にならなくなるかもしれないが、プラスアルファの不確定要素が増えることになる。

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