はじめに
メルセデスの耐久レールマシンであるW194は1952年、モータースポーツの世界に消えることのない足跡を残した。ル・マンに勝ち、ニュルブルクリンク・アイフェルレンネンも、メキシコのカレラ・パナメリカーナも制し、ミッレ・ミリアでは2位に入ったのだ。
【画像】写真で見るメルセデスAMG SLとライバル 全16枚
ワークスでのレース活動はその1年きりだったが、アメリカのインポーターであるマックス・ホフマンが、メルセデスに市販バージョンの製作を働きかけた。そうして1954年に生まれたのが、ガルウイングで知られるW198型300SLだ。
その後は6世代を重ねたメルセデスSLだが、もっとも長い世代は18年も続いた。しかし、数十年を経て、その姿は大きく変わった。モータースポーツ由来のモデルから、ゆったりと流れるように走る、分厚いカーペットが敷かれた高級オープンの象徴へと移り変わっていったのだ。
ところが、メルセデスに言わせれば、SLはルーツに立ち戻るというのだ。最新世代のR232は、公式にはメルセデスAMGに籍を置くモデルとなった。設計と開発は、メルセデスの社内チューニング部門によるもので、全車がAMGのバッジを掲げる。そして、軽量化に加え、パフォーマンスやハンドリング、ドライバーへのフィードバックを高めるとともに、SLの利点に数えられるようになってきた日常使いでの利便性も引き上げた。
ということは、穏やかで控えめな、魔法のじゅうたんのようなメルセデスSLにはピリオドが打たれ、よりスポーティなレジェンドの継承者に生まれ変わったのだろうか。それを確かめるべく連れてきたのは、新生SLのトップエンドである63 4マチック+である。
意匠と技術 ★★★★★★★★☆☆
多くの世代で、SLは同時期のSクラスとともに開発されてきた。その点で言えば、新型のR232型は、歴史の転換点だと言える。設計も開発も、メルセデスAMGが白紙から行ったからだ。そして、兄弟分となるのはメルセデスの旗艦サルーンではなく、年内に登場すると見られるスーパースポーツの次期AMG GTである。
シャシーは、AMGが自社製スポーツカーに好んで使うスペースフレーム的な車体構造で、アルミ中心だがマグネシウムやスティール、カーボンコンポジットも組み亜wせている。先代のR231より、ねじりも縦横それぞれの方向も、剛性が大幅に高められている。
サスペンションは、数十年の歴史においてはじめて、前後ともマルチリンク。スプリングはエアや油圧ではなく、スティールのコイルだ。全車とも、アダプティブダンパーと4WSは標準装備。上位機種のSL63には、電動機械式のアクティブアンチロールを含むアクティブライドコントロールサスペンションが装備される。
4WSもSL初装備だが、380psの4気筒を積むSL43には用意されない。その上位にはV8ツインターボが搭載され、476psのSL55と585psのSL63を設定。さらに今後は、より高出力のSL63S Eパフォーマンスが追加される予定だ。
気になるのは重量だ。久々に採用されたソフトトップは、開閉式メタルトップのバリオルーフより21kg軽く、重心高引き下げにも寄与する。それでも、テスト車の実測重量は1939kgとやや重ためだ。これは2008年に計測したR230型のSL63よりは61kg軽いが、2012年のR231型SL500に比べると120kg重い。R230もR231もバリオルーフだったので、屋根の形式だけが重量を左右する要素ではないことがよくわかる。
内装 ★★★★★★★☆☆☆
先代との装備的な違いで、最初に気付くのはソフトトップの採用だろう。しかし、それを開けると、+2の後席の存在が目に入るだろう。R129のオプション以来だが、とても正真正銘の4シーターと呼べるようなものではない。
メルセデス曰く、この後席は身長1.5mまでに対応するという。背もたれは直立気味で、乗り降りは容易ではない。それは、身長制限以下であってもだ。後席があることで特別感は削がれるが、実用性は多少ながら増している。買い物袋や手荷物を置くにはちょうどいいスペースだ。
運転席の着座位置は低いが、快適で、調整範囲は広い。各部とも電動式で、自動の部分も多いが、必ずしも賢いメカニズムではない。
たとえば、クルマから降りるためにドアを開けると、外へ出やすいようシートは下がりながらリクライニングする。しかし、後席のシートベルトセンサーが乗員を検知しているときでさえ作動してしまう。乗員がいるときに、たださえ狭いレッグルームをさらに狭めたらどうなるかは、推して知るべしだ。
ヘッドレストについても同様で、ソフトトップの開閉時に自動で低くなるのだが、作動完了しても元のポジションへ戻してはくれない。
ソフトトップはみごとなデザインで、折りたたみは早くて静か。しかも、驚くほどタイトなスペースに格納され、まずまずのラゲッジルームが残る。しかし、その操作デバイスには不満の声がテスター陣から上がった。
縦型ディスプレイに操作画面が用意されているのだが、できれば繊細な加工が施された実体スイッチを用意してほしかった。この手のクルマをオープンにする工程は、もっとドラマティックであってほしいものだ。また、失望を覚えるくらい面倒なプロセスで、オープン時に日差しの当たるディスプレイを15秒も長押ししなくてはいけないとなると、指先が温まり過ぎてしまうこともある。
チルト式のインフォテインメントディスプレイは、メルセデスがハイパーアナログと呼ぶ引き算的内装デザインの中心的存在だ。一般的にこれは、シンプル化したクラシックに見えるダッシュボードの形状に、最新のデジタルインフォテインメント技術を組み合わせたものだと考えられている。
しかし、ディスプレイ周りの組み付け品質や、キャビン全体に見られる根っからの高価そうな雰囲気や重厚感が醸す掛け値なしの豪華さといったものは、やや物足りない。
十分に見栄えはいいのだが、アルミと同じくらいプラスティックに覆われた部分も多く、そもそも実のある高価そうな感触をもたらす実体スイッチが少ない。そこが、もっともラグジュアリーなフィーリングのコンバーティブルに肩を並べるレベルに至っていないのだ。
走り ★★★★★★★★★☆
585ps/81.6kg-mというSL63のスペックは、その狙いをはっきりと主張している。もっとパワフルなオープンカーがほしければ、ポルシェ911ターボSカブリオレをはじめ、アストンマーティンV12ヴァンテージや12気筒のベントレー・コンチネンタルGTC、フェラーリ・ローマ・スパイダーを選べばいい。しかし、諸元表を見る限り、加速性能で上回るものはほとんどない。
それは、実際の加速テストでも同様だ。実効的なローンチコントロールや4WDシステムを備えるこのSL63、温暖な環境下での計測では、0−97km/hが3.5秒、0-161km/hが7.8秒だった。
アストンマーティン・ヴァンテージF1エディションは、2021年にクーペをテストしたが、SL63より遅かった。659psのベントレー・コンチネンタルGTスピードはコンマ1~2秒早かったのみだが、これもクーペの数字だ。
SL63を以前にテストしたのは2008年だから、2世代前になるのだが、161km/hまでの加速タイムは2.6秒も余計にかかっている。
加速性能に関しては、AMGがゼロから開発したことで、容易ならない結果が生まれている。また主観的には、585psが十分すぎるように感じられる。というのも、もっともワイルドな仕様であってさえ、SLは熱中できるスポーツカーであると同時にグランドツアラーでもあるからだ。
そのSLの美点と切っても切り離せないのが、V8エンジンだ。唸りを上げて存在を誇示するホットロッド的な魅力が、どんな速度域でも楽しめるのが大事なのだ。
新型でも、パンチは強烈で、スムースに力を発揮しながらもV8らしいドラマティックさを持ち合わせている。低回転から高めのギアに固定すると、そのドラマティックさの第1段階が味わえる。全開で回転計の針が2500rpmを超えると、V8を武装するターボが目を覚まし、四輪へ強烈に太いトルクを送り込む。
フルスロットルでの怒涛のエンジン回転の高まりを乗り越えても、エンジンはとにかくハードに車体を引っ張る。勢いが収まりはじめるのは6000rpmを超えてからだ。よその高性能エンジンがみせるような、高回転域での芝居が勝った演出は省かれているが、それでもパフォーマンスもサウンドも楽しめる。もっともうるさくてスポーティな走行モードを選べば、4本出しのテールパイプはバリトンの雄叫びを上げる。
9速ATもまたすばらしい。マニュアルモードでのパドル変速はすばやく、Dレンジでのスムースさは、AMGがついに自動湿式クラッチをあきらめてトルクコンバーターを積んだか、と勘違いするほどだ。
ただし。S+とレースの各モードで見せる、減速時の自動シフトダウンこそやや唐突さを感じる。また、運転を楽しみながら何速に入っていて、次に何速に入れるべきかを追うには、9速ギアボックスはやや段数が多い。テスター陣がマニュアル変速をしたがったから、そう感じられたのではあるが。
使い勝手
インフォテインメント
インフォテインメント関連で先代より大きく進化したのは、縦型11.9インチのディスプレイだ。角度は直角から、12~32°の調整式となり、光の反射による見にくさが軽減された。また、その大きさと形状により、上端が手の届きやすい位置に来ている。
とはいえ、そのメリットはもっと一般的なメルセデスのほうが感じられるだろう。SLのドライビングポジションなら、もう少し近いほうがタップやスワイプなどの操作をしやすいはずだ。もっとも、ステアリングホイールの操作デバイスを使えば、画面にタッチせずに用を済ますこともできるのだが。
テスト車は使い勝手のいいヘッドアップディスプレイも備えていて、ほかのメルセデス同様の表示モードが選べる。ちなみに、これはエントリーモデルのSL43には標準装備されないアイテムだ。多くのクルマより情報の並びは複雑で、インフォテインメントシステムそのものも多少の慣れが求められる。
そうはいっても、なじんでしまいさえすればおおむね操作には困らない。ナビゲーションシステムは見やすい地図表示と有効なルート設定を提供してくれる。もしスマートフォンのミラーリングのほうがお好みだとしても、ソフトウェアが確実に機能してくれるので安心だ。
燈火類
アダプティブヘッドライトのデジタルライトが標準装備で、自動減光や超ロングレンジのハイビームを備える。テスト中にその実力を試す機会はなかったが、別の機会にはみごとな性能を見せてくれた。
ステアリングとペダル
ペダルは、ゆったりしたフットウェルにうまく配置されている。電動ステアリングコラムの調整幅も文句なしだ。
操舵/安定性 ★★★★★★★☆☆☆
スポーツカーとしては息苦しさがあったかもしれないが、1.9tの重量は競合する高級コンバーティブルに対して大きなディスアドバンテージにはなっていない。最新のスポーティなGTとしては、手に負えないほどの重荷ではないのだ。
実際のところ、スティールのコイルサスペンションは、メルセデスAMGが新たなプライオリティをもって行ったチューニングもあり、運動性に大きすぎるほどの進歩をもたらしている。
なにより、かつてのSLに見られたアシスト過多で粘っこいフィールのステアリングは姿を消している。よくも悪くも、歴代モデルとは違う新型の乗り味とマッチしている。ボディコントロールも、一貫性が増したものになっている。
新型SLは、歴代モデルより運動性でライバルと競い合えるドライバーズカーになった、ということもできる。しかし、SLらしさが薄まって、ロケットのように加速するアームチェアのようではなくなった、ともいえる。ここ20年ほどのホットなSLに乗ったときと同じくらい、奇妙な感覚だ。
それらは乗り心地が硬く、うるさく、しなやかさに欠けるクルマだった。速いけれど快適なものを求める、これまでのノーマルなSLのオーナーの好みには合わないものだったわけで、新型もそうなる可能性はある。
平滑な路面であれば、状況はかなりいい。ナチュラルなハンドリングの澱みなさに欠けるところは多少あるが、たしかに予期したよりもわずかながら俊敏で正確なコーナリングを見せる。上下方向にも横方向にも、質量をきっちりコントロールしていて、飛ばしても安定していて安心感がある。
ところが、英国の典型的なB級道路に入ると豹変し、順応性の欠如が露呈する。やや多すぎる課題をこなそうとしているクルマのようになってしまうのだ。
コンフォートモードではソフトすぎて、足回りはぎこちなく減衰不足のようになり、速度が上がるとストロークが尽きて、崩れるように沈み込む。対してS+では、引き締まりすぎて抑え込みが強くなる。サスペンションが、シャシー固有の振動数を超えて作動しようとすると、乗り心地にやや過敏さや破綻しやすさが出て、納得できる成果を得られない。
グリップやハンドリングの正確さは有り余るほどなのに、ハイスピードで山岳路などをドライブすると、SL63のシャシーは決して落ち着くことがない。このパワートレインなら容易に維持できるようなペースであってもだ。
同じく、持ち前のバランス感を存分に見せてくれることもない。ドライビングに熱中できない、と言い換えてもいい。飛ばすのには文句なしのデバイスであるはずなのだが、そうであるべきほどの満足感は味わえないのだ。
快適性/静粛性 ★★★★★★★☆☆☆
21インチのホイールに低扁平タイヤ、スティールのコイルスプリングに硬いアクスルマウントを組み合わせたテスト車は、歴代SLに乗り慣れた目で見ると、路面からの入力の遮断性に劣り、荒れた路面ではかなり快適性が損なわれるクルマだ。
その理由のひとつが、もっともハイパフォーマンス志向にチューニングされたSL63を選んだことだ。しかし、非AMGモデルがラインナップに存在しないので、これよりどれくらい洗練度と快適性が高いモデルが手に入るのか疑問に思うかもしれない。
コンフォートモードであっても、テスト車はなめらかに走れそうなポテンシャルを感じさせることはまったくなかった。セカンダリーライドのフィルター性能もごくわずかだ。キツめのエッジや小さめの入力に対し、足回りから入る打撃音と衝撃が多すぎる。上下方向のボディコントロールには、やや身じろぎするような動きが混ざる。そして、荒れた路面では背景騒音も気になる。
このSLはおそらく、スムースな高速道路を走っているときがもっとも快適で、キャビンはソフトトップを開けてもウインドディフレクターをつけていれば、風の巻き込みを避けることができる。ただし、この風除けは取り付けが面倒だ。
113km/hでも、コクピットではほとんど風切り音が気にならず、大声を出さなくても同乗者と会話できる。前席シートの快適性はとてもいい。
購入と維持 ★★★★★★★★☆☆
SL63の価格が、ポルシェ911ターボ・カブリオレと近いのは偶然ではない。そして、17万1965ポンド(約3130万円)というのは、適切な値付けだ。すぐ上には911ターボSカブリオレとフェラーリ・ローマ・スパイダーがいて、ベントレー・コンチネンタルGTCや、アストンマーティンのより上位のオープンモデルよりはだいぶ低い。
SL63のパフォーマンスを考えれば、お得といってもいいくらいだ。ただし、スーパーカー勢などと比べれば、物欲の刺激度はやや低いかもしれない。
もっと出費を抑えたくて、7.0km/Lという平均燃費では満足できないのであれば、10万8165ポンド(約1969万円)のSL43と、14万7715ポンド(約2688万円)のSL55という選択肢がある。また、遠からずPHEVのEパフォーマンスが追加される予定だ。
スペック
レイアウト
7代目SLは、新開発の異素材混合スペースフレームに、数多くの技術を初採用。その中には、4WDや4WS、アクティブスタビライザーが含まれる。
エンジンは縦置きで、後輪駆動のSL43を除く全車が4WD。テスト車の前後重量配分は54:46だった。
エンジン
駆動方式:フロント縦置き四輪駆動
形式:V型8気筒3982ccツインターボ、ガソリン
ブロック・ヘッド:アルミニウム
ボア×ストローク:φ83.0×92.0mm
圧縮比:8.6:1
バルブ配置:4バルブDOHC
最高出力:585ps/5500~6500rpm
最大トルク:81.6kg-m/2500~5000rpm
エンジン許容回転数:7000rpm
馬力荷重比:308ps/t
トルク荷重比:43.0kg-m/t
エンジン比出力:147ps/L
ボディ/シャシー
全長:4700mm
ホイールベース:2700mm
オーバーハング(前):967mm
オーバーハング(後):1033mm
全幅(ミラー含む):2150mm
全幅(両ドア開き):3660mm
全高:1359mm
全高(トランクリッド開き):2210mm
足元長さ(前席):最大1110mm
足元長さ(後席):540mm
座面~天井(前席):最大1000mm
座面~天井(後席):810mm
積載容量:213L
構造:アルミ/マグネシウム/スティール/CFRP、モノコック
車両重量:1895kg(公称値)/1939kg(実測値)
抗力係数:-
ホイール前/後:9.5Jx21/11.5Jx21
タイヤ前/後:275/35 ZR21 103Y/305/30 ZR21 104Y
ミシュラン・パイロットスポーツ4S MO1A
スペアタイヤ:なし(パンク修理フォーム)
変速機
形式:9速DCT
ギア比/1000rpm時車速〈km/h〉
1速:5.35/7.7
2速:3.24/12.7
3速:2.25/18.3
4速:1.64/25.1
5速:1.21/34.1
6速:1.00/41.4
7速:0.87/47.5
8速:0.72/57.3
9速:0.60/68.9
最終減速比:3.27:1
燃料消費率
AUTOCAR実測値:消費率
総平均:7.0km/L
ツーリング:9.3km/L
動力性能計測時:3.4km/L
メーカー公表値:消費率
低速(市街地):4.5km/L
中速(郊外):7.2km/L
高速(高速道路):8.9km/L
超高速:9.0km/L
混合:7.6km/L
燃料タンク容量:70L
現実的な航続距離:488km
CO2排出量:299g/km
サスペンション
前:マルチリンク/コイルスプリング、アダプティブダンパー、アクティブスタビライザー
後:マルチリンク/コイルスプリング、アダプティブダンパー、アクティブスタビライザー
ステアリング
形式:電動機械式、ラック&ピニオン、四輪操舵
ロック・トゥ・ロック:1.6回転
最小回転直径:12.4m
ブレーキ
前:390mm通気冷却式ディスク
後:360mm通気冷却式ディスク
制御装置:ABS、DSC/ASC
ハンドブレーキ:電動、ダッシュボード(ステアリングコラム右側)にスイッチ設置
静粛性
アイドリング:49dBA
全開時(4速):87dBA
48km/h走行時:63dBA
80km/h走行時:68dBA
113km/h走行時:71dBA
安全装備
ESP/ABA/ABSA/ALKA/プリセーフ
Euro N CAP:テスト未実施
乗員保護性能:成人-%/子供-%
歩行者保護性能:-%
安全補助装置性能:-%
発進加速
テスト条件:乾燥路面/気温23℃
0-30マイル/時(48km/h):1.6秒
0-40(64):2.1秒
0-50(80):2.8秒
0-60(97):3.5秒
0-70(113):4.4秒
0-80(129):5.4秒
0-90(145):6.5秒
0-100(161):7.8秒
0-110(177):9.3秒
0-120(193):11.1秒
0-130(209):13.1秒
0-140(225):15.5秒
0-150(241):18.5秒
0-402m発進加速:11.6秒(到達速度:198.6km/h)
0-1000m発進加速:21.0秒(到達速度:244.6km/h)
ライバルの発進加速ライバルの発進加速
アストンマーティン・ヴァンテージF1エディション・クーペ(2021年)
テスト条件:乾燥路面/気温19℃
0-30マイル/時(48km/h):1.7秒
0-40(64):2.2秒
0-50(80):2.8秒
0-60(97):3.6秒
0-70(113):4.5秒
0-80(129):5.4秒
0-90(145):6.6秒
0-100(161):7.9秒
0-110(177):9.6秒
0-120(193):11.8秒
0-130(209):14.1秒
0-140(225):17.2秒
0-150(241):21.5秒
0-402m発進加速:12.2秒(到達速度:192.0km/h)
0-1000m発進加速:22.0秒(到達速度:241.1km/h)
中間加速
20-40mph(32-64km/h):1.5秒(2速)/2.3秒(3速)
30-50(48-80):1.2秒(2速)/1.6秒(3速)/2.6秒(4速)/5.0秒(5速)
40-60(64-97):1.5秒(3速)/2.1秒(4速)/3.2秒(5速)/5.3秒(6速)/7.2秒(7速)
50-70(80-113):1.6秒(3速)/2.0秒(4速)/2.7秒(5速)/3.6秒(6速)/5.1秒(7速)/8.8秒(8速)/14.2秒(9速)
60-80(97-129):2.0秒(4速)/2.7秒(5速)/3.2秒(6速)/4.1秒(7速)/6.9秒(8速)/11.7秒(9速)
70-90(113-145):2.2秒(4速)/2.8秒(5速)/3.4秒(6速)/3.9秒(7速)/5.6秒(8速)/9.0秒(9速)
80-100(129-161):2.4秒(4速)/2.9秒(5速)/3.5秒(6速)/4.1秒(7速)/5.3秒(8速)/7.5秒(9速)
90-110(145-177):3.0秒(5速)/3.6秒(6速)/4.3秒(7速)/5.5秒(8速)/7.0秒(9速)
100-120(161-193):3.2秒(5速)/3.7秒(6速)/4.5秒(7速)/5.9秒(8速)/7.4秒(9速)
110-130(177-209):3.6秒(5速)/3.9秒(6速)/4.7秒(7速)/6.4秒(8速)
120-140(193-225):4.3秒(5速)/4.3秒(6速)/5.0秒(7速)
130-150(209-241):5.1秒(6速)
制動距離
テスト条件:乾燥路面/気温23℃
30-0マイル/時(48km/h):7.9m
50-0マイル/時(64km/h):21.6m
70-0マイル/時(80km/h):42.1m
60-0マイル/時(97km/h)制動時間:2.55秒
ライバルの制動距離アストンマーティン・ヴァンテージF1エディション・クーペ(2021年)
テスト条件:乾燥路面/気温19℃
0-0マイル/時(48km/h):8.1m
50-0マイル/時(64km/h):21.8m
70-0マイル/時(80km/h):41.8m
各ギアの最高速
1速:54.7km/h(7000rpm)
2速:88.5km/h(7000rpm)
3速:128.7km/h(7000rpm)
4速:175.4km/h(7000rpm)
5速:238.2km/h(7000rpm)
6速:289.7km/h(7000rpm)
7速:315.4km/h(6647rpm)
8速:315.4km/h(5501rpm)
9速(公称値):315.4km/h(4584rpm)
9速・70/80マイル/時(113km/h/129km/h):1637rpm/1871rpm
結論 ★★★★★★★☆☆☆
メルセデスはここ最近、多くの根強い人気を誇るモデルを再定義する大胆な決断をいくつか下してきた。それも、無情にも過去の成功を軽視したような。まさにSLは、そうした方向性で無理矢理変化させられたクルマのように思えてしまう。
シャシーとドライブトレインの新技術は、間違いなくSL63を、スポーツカーとしてより有効なものにしている。もしシュトゥットガルトの狙いがSLの保守的なオヤジくささを払拭し、より若い顧客層を取り込むことにあるのなら、シャシーの刷新や総合的なインフォテインメント技術の導入、ドラマティックなパフォーマンスのV8の搭載は、ターゲットに刺さるはずだ。
しかし、SLを乗り継いでいるオーナーなら、洗練性や乗り心地に大きな不足があることを見抜くだろう。SL63はそのどちらも、歴代SLの基準に照らせば本当にプアだ。とはいえ、高級GTとしては静粛性も快適性も平均レベルなのだが。
メルセデスの賭けは、乗り心地を犠牲にして長年の乗り継ぎ組がひとり抜けても、鋭いハンドリングで新たなファンがふたり増えればいい、という考えだろう。それは冒すべきリスクかもしれない。しかし、新型SLには、よりよいクルマへ仕上げるために、なすべき仕事がまだ残っている。
担当テスターのアドバイス
イリヤ・バプラートソフトトップを閉めると、カブリオレの肩越しの視界は個人的に大きなネックとなる。しかし、SLはそれほど悪くなかった。リアウインドウはまずまずのサイズで、サイドウインドウは死角が最小限に抑えられる大きさがある。
マット・ソーンダース以前のロードテスト担当者が、SL55は1.6kmのテストコース内で、ゼロスタートから250km/hに達し、完全制止して、もう一度トップスピードに達することができると言っていた。信じていなかったが、このSL63なら余裕を残してそれができた。
オプション追加のアドバイス
SLのルーツに敬意を払い、55 4マチック+の黒塗りのボディトリムやホイールを装着しないツーリングプラス仕様を選んで、ボディカラーは明るいメタリックにしたい。2500ポンド(約46万円)のドライビングアシスタンスパッケージは付けておこう。
改善してほしいポイント
・四輪操舵とアクティブアンチロールの設定は改善を続けて、よりナチュラルでコミュニケーション性の高いハンドリングに仕上げてほしい。
・乗り心地の粗さをもう少し是正してほしい。SLを乗り継いできたオーナーは、もっと快適なクルマを好むはずだ。
・マテリアルのリッチさや、キャビンのお高そうな感覚を高めてほしい。トップレベルのデジタル技術だけでは十分ではない。
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みんなのコメント
なんか車種間のデザインにもう少しさが欲しいところ。
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デザインやパフォーマンスの割には圧倒的に割高。
オリジナル要素の強いポルシェやベントレーとは
正直比較にならないぐらい見た目が普通。
V8ターボで2000万を大きく超えるなんて、価格だけはスーパーカークラスになったな。