もくじ
ー 新GT、全く異なるボディに
ー マクラーレン電動化について
ー 新マクラーレンLT、750ps以上に
新GT、全く異なるボディに
マクラーレンがジュネーブ・モーターショーでサプライズとなる発表を行った。新しい専用ボディのグランドツアラーを登場させる計画を明らかにし、その画像を初公開したのだ。
マイク・フルイットCEOは、この新型車が「競技レベルの高性能と大陸旅行に使える資質を併せ持つ」と会場で語った。今年初め、AUTOCARではフルイットからこのGTに関する計画と、さらに将来的には2+2モデルも登場する可能性について聞いていた。
フルイットによれば、このGTをベントレー・コンチネンタルGTのライバルにするつもりはないという。
同氏は次のように語っている。「これまでのモデルと同様、カーボンファイバー製でミドエンジンになります。そして間違いなく、市場で最もスポーティなGTになるでしょう」
「570GTは明らかに570Sの派生モデルであり、わたしはこのクルマが気に入っていますが、率直に言ってその違いはごく小さい」
「そこでわれわれは、同じカテゴリでさらに差異化した別のモデルを作ることにしたのです。それはGTに求められる特性をより高めつつ、全く異なったボディ・スタイルになるでしょう」
マクラーレン電動化について
2+2は全固体電池で
フルイットは2+2に対する考えについてはそれほど明らかにせず、それが2025年までに18の新型車を投入するという既に発表済みのトラック25計画には含まれないことを認めた。
しかし「少なくとも、2+2を手掛ける可能性は否定しません。きっとできます。いずれ見ることができるでしょう」と語った。
最大の難点はおそらく、後部座席とエンジンをホイールベースの中に収めなければならないことだろう。「ホイールベースを非常に長くすることはできません。敏捷性が失われてしまうからです」とフルイットは言う。
しかしながら、同氏はマクラーレンにとってこれまで以上に重要となる内燃エンジンの縮小化と電動化の計画については明らかにしている。全固体電池への移行は、そんなクルマのパッケージングを劇的に容易にする可能性があり、フルイットの言葉によれば「大きな変革をもたらす」という。
ハイブリッド化は必須
マクラーレン初の量産ハイブリッド(限定生産のP1とスピードテールに続く)は2021年に発表される見込みだ。
その電気モーターはエンジンと共に後輪を駆動する。フルイットによれば、ハイブリッドを採用する以外に選択の余地はないという。
世界的な排ガス規制の高まりによって、小型車を生産していない自動車メーカーが平均CO2排出量を減らすためには、ハイブリッド化が必須だからだ。
「それによって車重が40kgも増えることは好ましくありません。しかし、さらに大きなパワーと優れたレスポンス、リニアなパフォーマンスが可能になるうえ、驚くほどCO2排出量を減らすことができるのです」
「正確な数字を明かすことはできませんが、(フォード)フィエスタ並みのCO2しか排出しないスーパーカーになると考えてください」
やがてマクラーレンは、前輪をモーターで駆動するドライブトレインも採用するだろう。車重は120kgほど増加してしまうが、トラクションを大幅に改善できるため、特にウエット路面におけるパフォーマンス向上が見込める。
同時に回生エネルギーによる強力なブーストも得られる。前輪のモーターで減速エネルギーを回生し、電気に変換すれば、プラグをつないで充電しておいた電気を使ってしまっても、ピーク・パフォーマンスは維持できるというわけだ。
新しいLTは750ps以上に
フルイットは720SのLTバージョンについても語った。その投入は2020年末になるという。
パワーは「少なくとも」570Sと600LTの差と同じくらいは引き上げられるとのこと。つまり、最低でも750psにはなるということだ。
しかしながら、フルイットによればマクラーレンのエンジニアはLTモデルのために100kgの軽量化を目指して苦心しているという。
「われわれは最初から720Sを可能な限り軽量に作りましたから」と同氏は語る。最終的には3桁の軽量化を実現するだろうと同氏は見込んでいるというが、おそらくそれだけではない。
マクラーレンはまた、600LTのトレードマークである上方排気とアクティブ・リア・エアロダイナミクスを、さらに美しくデザインすることにも取り組んでいる(「わたしはこれまで3通りの提案を見せられましたが、すべて却下しました」とフルイットは語っている)。
675LTのような限定生産にするかどうかもまだ決まっていないという。「ポルシェがGTモデルでやっているように、生産台数は制限したくないとも思うのですが、おそらく750LTのようなモデルは、(クーペとスパイダーの)どちらも限定生産になるでしょう」
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